表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

リュカ先生は俺に優しくない

 別に、これといって変わることはなかった。いや、正直に言うなら飽きたのだ。

 この異世界ということに。

 転生した頃は、すごく楽しみにしてた。だけど、現実は甘くないって言うのが定番の決まり文句で、いざ魔法だ、やれ剣術だと、この異世界のものに触れてみた。そして、感じたのだ。

 ア、コレ一緒ダワーーー。

 魔法は勉強で、剣術は部活という、才能があると人気者になり、あんな感じで


「キャーキャー、キャーキャー」


 よくあるモブによる黄色い声援が人気者を中心に波紋を広げている。波紋使いなら、あの山吹き色の波紋が見えるかもしれない。この世界だと、期待できる話だ。ハッ! もしかすると、俺にも波紋が見えるということは、とうとう覚醒したのか! 

 ということはなく、魔法も剣術も人並みです。はい。

 少しぐらいさ、ないの!? 俺、転生してんだよ!? なんかこう、自分じゃなくてもいいからさ、師匠が賢者とか、魔王の一人息子とかあってもいいと思う。肩書も普通、特技なし、転生しただけ。そして、俺のまわりで大事件が起きることもなく、普通の第二の人生を送った結果……

 現在、この魔法学校の一年生である。元の世界でいうところの高校生といったところだ。

 だが、さすが異世界の学校といったところだろう。様々な亜人がいる。これは、入学した時に、転生してよかったと、心から思う。

 まぁ、特にギャルゲーのようなイベントはないまま、入学してから一か月が過ぎたんだが。ラブコメの神様は、この世界にも存在しない。

 だから、俺はもう諦めたのだ。


「リゼ、頼みたいことがあるんだが」

「いいですよ、リュカ先生」

「……まだ、内容も言っていないが」


 くっ、しまった。つい、ここから何かのイベントに発展することを期待するあまり、返事をしてしまった。さすが、俺の担任である。


「だが、いつも頼んでいる私も悪いか。よし、今回はウィルにでも頼むとするか」

「いえ、俺がやりましょう」

「むっ、そうか。なら、リゼ私についてきてくれ」


 この担任なかなかの策士! 別にあの人気者のやつなんかに、この機会を渡したくなかったわけではない。決して違う。

 だが、今回は期待できそうだ。いつも、荷物持ちや掃除とかの雑用しかされなかったが、俺の代わりをだしてきたのだ。しかも、それはあの人気者である。俺は、平然を装いながら、リュカ先生の後をついていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ