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瓶と手紙
《エピローグ》
高校2年生の修学旅行で沖縄へ行った。
肌を焦がすような太陽の光。行き交う人々の高揚高まった声。食べなれない現地の味。悲劇の二文字を植え付けられた歴史学習。
どれも全て猛暑が無意味なれないものへと搔き消した。ホテルの部屋で涼まっている時が至福の時で、それ以上の幸福など感じられなかった。
そんな私たちはせめての思い出作りに、瓶と手紙を用意してメッセージボトルを作り、珊瑚の死んだ海に希望を流した。
緩やかな波は、運命の歯車を狂わした。
あれから2年が経ち、暖色が落ち始めた物寂しい季節に、海外からの1通の手紙が届いていた。