表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
孤児で奴隷で女の子  作者: おがわん
第二章 僕の日常生活?
34/45

11.その頃の優君を探す人々。


========== (武志) ==========


 昨日から優君が帰ってこない。

 まぁ居場所は知っているたので特に気にしていなかったんだ。

 こうやって外部の人に気に入られて引き取られていく子がたま~にいる。ほとんどいないけど稀にいることはある。大体は将来有望な子が多いけど。


「そういや優君どうした? 今朝連絡無いんだけど」


 竹中さんからそう言われてハッとした。

 優君は無断で仕事を休むようなことはしない。もしかして何かあったんじゃないかと。

 ……いやいや、いきなり疑いの目を向けるのもよくない。第一単に色々あって連絡を忘れただけかもしれないじゃないか。この頃の優君は妙に可愛いから、あの小森さんとやらもハッスルしすぎて徹夜で優君のことを着せ替えたり脱がしたりハッスルしただけだったり……


「ん? どうした? 妙に顔が赤いぞ?」

「あ、いえなんでもないです」


 僕の貧困な想像力ではハッスルってどうするのかよくわからない。

 しかしアレだね。なんでか知らないけど僕の中で優君が女の子化し始めているのはちょっと危ないかもしれない。この前出してもらったお薬だってちゃんと効いてるのか不安になる。まぁ多分効かない薬だからしょうがな。バ○ァリンとか書いてあったし。


「ちょっと出かけているんですよ。先方で何かあったかもしれません。すいません連絡できずに」

「あぁ、いいんだ。真面目な優ちゃんのことだから何か事情があるんだろう。今日のところはヘルプ呼んだから心配しなくていいぞ」


 ヘルプというか、多分竹中さんが配達したんじゃないかな? 簡単に捕まる気がしないし。もしかするとお子さんかもしれないけどね。まぁそれはともかく。


「ありがとうございます。後でちゃんと連絡するように伝えておきますね」

「そうだな、何かあったらちゃんと知らせてくれよ」

「はい。それじゃ」



 急いで孤児院に戻ってみるも、優君が戻ってはいないようだ。


「あの、優君から連絡ありませんでした?」


 たまたまだろうか、玄関で体操?というか腰を伸ばす運動をしていたエロオ……坂下院長がいたので確認してみた。一応責任者兼保護者だから事情はあらかた知っているはずだからね。


「ん? おぉ武志か。優なんやけどな。ちょっと連絡つかんねん。今、昨日連絡もろうたお店に行こうとしてるんやけど、一人で乗り込む訳にもいかんさかい警官の人にきてもろうとこや」


 普段は東京弁っぽい口調で何か考えでる時は関西弁っぽくなるのはどうかと思います。わかりにくいですよ。とは口に出していえませんが。とにかく優君のところに行こうというなら僕も一緒に連れて行ってもらえないだろうか?


「あぁ? あかんあかん。お前まで連れていったらわやこしい話しになるかんな。大人しゅうしとき」

「そうですか……でも」

「あぁ、もし見付からんかったら手助けしてもらうからな。家にいとってや」

「はい。わかりました」

「ん、あぁパト来たか。ほんじゃな」


 入り口に乗りつけたパトカーに乗って坂下院長は出かけていった。後ろを付いていきたくなりもしますが、続けて走り出した黒塗りの車のクラクションで我に帰ります。僕に何かできるわけでもないんですけど。

 まぁトラブルを避けるために警察が同行することは仕方ないのかもしれませんが、それにしても迅速な行動です。っていうか警官の人が一人しかいないのはどうしてだったんでしょうか? 普通二人組で行動してるのに。



 ……



『あかん、優がおらん。ちょっとした一大事や。お前らも心当たりを探してんか?』

「えぇ? 優君がですか? 何があったんでしょうか……」

『そげなことわかるかいな。アレに用事あったんやけどな、見付からんとまずいことになんねん。せやから頼んだで!』

「……はい、わかりました」


 受付のお姉さんと坂下院長の会話はこんな感じでした。声が大きすぎて会話内容が丸分かりです。こういうときはありがたいんですけどね。


「……そういうわけで、皆さん非常に申し訳ないんですが、優君が行方不明だそうです。何か事件に巻き込まれていなければいいのですが、一応われわれでも探しに行きたいと思います。暇がある人は手伝ってもらえないでしょうか?」

「う~ん、優ってアレだろ? 別によくない?」

「まぁ、いてもいなくてもどっちでもいいけどね~」

「質問で~っす!」

「はい、千恵さん」

「優を見つけたら何かもらえますか?」

「何か……まぁそうですね。無事保護したらご褒美にデザートを提供しましょう」

「「「おおぉ~」」」

「あんまりいいことではありませんが、緊急事態です。皆さん是非協力してください」


 どうやらデザートの出どこはお姉さんのサイフらしい。


(ちょっと武志! こっち!)


 皆が妙にハリキってるところで、例の三人組が声をかけてきました。

 廊下の踊り場、人が居ないタイミングってことは何か相談かな。


「優がどこ行ったとか、誰にも言ってないわよね?」

「あぁはい。別に誰にも聞かれてないので」

「よし! あたしらで独占だぜ!」


 三人向かい合ってハイタッチ。もう勝ったつもりです。というか勝負ですかこれは。


「いいのぉ? 皆で探したほうが早いよ?」

「早かろうが遅かろうが、デザート独占の前にはどうでもいいの。というか武志! あんた誰にも言うんじゃないわよ。というかあたしらに付いて来ないで」

「え?」


 僕も一緒に行ったほうが確実な気がするんですけど。


「え?じゃないわよ。あんたも一緒に見つけたら取り分減るじゃない。どっか別んとこ探しに行きなさいよ。学校とか」

「まぁ、邪魔をしないならなんでもいい。というか優を見つけたら連絡しなさい」

「おぉそれ決定。見つけたらあたしらにまず連絡ね。そしたらコッチから報告するから」

「えぇ~」


 なんだかもう何が言いたいのか。わかりますがわかりません。えぇ。


「えぇ~じゃないの、いいわね」

「……任せた」

「それじゃね~」


 とう言い残して三人娘は足早に去っていきました。

 まぁ連絡しろってなら連絡してもいいんですが、僕はスマホどころか君らの番号知りませんよ?




========== (坂下 優斗) ==========



 僕は坂下優斗。中学三年生にしてスーパーハカーだ。

 二千年問題も、地球の自転が狂い始め温暖化が促進されているのも僕の仕業だ。どうだ凄いだろう。

 まぁ将来そういうことが出来るようになったころあいにタイムマシンを開発して過去に飛んでくる予定だ。世間的には話題になってないが、よっぽど隠れるのが上手いらしい。さすが僕だ。


 まぁそういうわけで、この時代について色々記録しておくことにより後日やってくる僕のために役立てようとしている。

 さて、今日も記録映像を残すための資料集めに勤しんでいる。そろそろ孤児院連中で遊ぶのも飽きてきたし、別のネタで小銭を貸せぐのがいいと思うけど、そこまで凝った動画編集ができないのが悩みどころだ。


 勉強の一環としてツーチューブ投稿なんかしてみたが、案外再生数は伸びないものだと思う。僕の才能って理解されないものさ、と笑うのは簡単だがそれはそれ、僕は謙虚なのでちゃんと事実として受け止めるよ。つまりあれだろ? 再生数ってのはツーチューブのサーバにハッキング仕掛けて増やすものなんだよ。


 というわけで今日も今日とてハッキングの勉強にとフリーゲームの『スーパーハカーへの道、導入変』をやりこみ中だ。これは未来から来た僕が過去の僕(つまり僕自身だ)に英才教育を施すためのものと考えている。あちこちに僕を示すマークが隠してあるので間違いない。ちなみに僕のマークとは紙を破いたような独特のマークだ。たまに回線が重いと視認しやすくなる気がする。どこにでも仕込んでいるんだな流石未来の僕だ。


 ところが最近は前途多難だ。

 ぼくの偉業を収めようと用意したビデオカメラは親父に取り上げられてしまっている。いいじゃないか親父の痴態を収めようとしていただけなのに。

 別に親父のケツを撮影しようってんじゃない。親父の女を撮ろうと思っていただけだ。


 こういう素人隠し撮り?というヤツは売れるらしい。

 将来親父は失墜するだろうから、今のうちに金になりそうなものを用意しようってだけなのだ。僕は将来を考えて行動しているだけだというのに、なんで殴られなければいかんだろうか?

 やはり僕の、いや俺のような優秀過ぎる才能を理解することはできないのだろう。なにしろスーパーハカー様だからな。


 しかし偉大なるスーパーハカー様にはやっぱり優秀な助手が必要だな。

 まぁ俺が十二分に優秀だから助手は平凡でもいいが。そうだな。何か特殊な生い立ちだといいかもしれないな。属性的に考えて。

 やっぱ今は『男の娘』か? うんそうだな。優みたいな最近めっちゃくちゃ可愛くなってきてるヤツが実は女だったっていうのもいいな。そのままでもいいけど。きっと未来の僕はこういう時のために性転換マシンとか用意しているに違いない。多分宅急便の住所未記入で差出人不明な感じのもので届くに違いない。だって僕の趣味だからな!


 となると僕は出かける訳にはいかないな。今日届いたりして、僕以外の誰かに勝手に開封されて、機密保持のために爆破処理なんかされてはたまらないからな!




========== (千恵 恵理 恭子) ==========



「恵理~ これまずくない?」

「まずいかも~」

「……もしかしてマジ?」


 私達三人が小森さんのお店前に着いたとき、目にしたのは乱暴に開け放たれたシャッター、鍵倒された店内の棚、散乱する商品の山、とどめに事件現場に張ってあるような黄色いテープで封鎖されたお店の入り口だった。


 周辺には野次馬が列を成していて、私達は紛れ込めている。もし誰もいなかったら調査中の警察の人にとっ捕まっているかもしれない。いや私ら悪くないんだけどなんかイヤじゃん?


「つかマジやばくない? どうしてこんなんなってるの?」

「……わっかんない。何あったんだろ?」

「なんだか日常じゃないみたいね」


 周囲の人の噂話から察するに、どうやら小森さんが子供を連れて逃げているらしい。

 子供といったら優のことしかないだろう。でもあの小森さんが? 誘拐? 優の事を?


「ちょっと信じられないねぇ」

「超可愛がってたもんね~」

「……手放せなくなったとか?」

「「あ~……」」


 超可愛がってたからなぁ、見たこと無いくらいマジで入れ込んでる感じだったし。だったら正式に養子として引き取ればいいだけの話だと思うけどなぁ。あの人も知らないわけじゃないんだし。


「……なんか事情があるんじゃないの? 例えば優をモデルとして売り込みに行ったとか」

「あぁ、意外とありそう」

「オシャレした優。見たかった……」


 小森さんはメイクから着付け、撮影までこなせる超有能な人だからね。お店の奥を見せてもらったら奥にあんな立派なスタジオ用意してたし。あれはガチの人だよね。

 しかし、小森さんがこんな騒ぎになるようなことするかな? 余計にわっかんない。


「でもさ、どうしよ?」

「どうするって?」

「……探す場所無いじゃん」


 優の行きそうな場所なんて知らないしなぁ。



 惜しかったなぁ、デザート。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ