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孤児で奴隷で女の子  作者: おがわん
第一章 僕の学園生活?
1/45

01.定番ですかそうですか、それがどうかしましたか?

※初日のみ3話の連続投稿しています。4話以降は一日一話(午前11時)の予約投稿の予定です。

 夜の闇に紛れるように響き渡る怒号。側を通る鉄橋から響く電車の音に混ざりあたりを強張らせる。噎せ返るような埃の渦は、まるでその声を浴びた廃ビルがガタガタと怯えている為とも感じた。

 電車の窓から漏れ落ちる灯りに照らされ浮かび上がる動き回る人の数は3人と一人。はっきりとは分からないが声の様子からは若い男女のグループのようだ。


 怒りに任せた唸り声と共に響く打撃音、タイミングを合わせて嗚咽にもにた息を吐くような声。堅いというよりも何かサンドバッグのようなものを叩く音に似た何かが響き渡る。ときおりビチャリと何か液体のまき散らされたような音も確認できた。

 フラッシュのように差し込むヘッドライトの瞬きの見せるものはその結果の果て、一言で言えば『惨状』。


 地面に這いつくばる小柄な子供、周りに立ちふさがる男2人と女が一人。嘲りように上げられる声と共に繰り出される蹴りの応酬にひたすら耐えているのか、それとも既に反応する気力を失っていたのか。


 まるっきり声をあげることもなくなった様子を見て、周囲に目線を送り手を止めさせいよいよトドメとばかりに襟首を捕まえようとした瞬間、その小さな子供は手にした鞄、その中身のノートや文房具、鉛筆や消しゴム、分度器等をぶちまけた。

 走る去る電車の窓から零れ落ちて当たりを照らす、一瞬の煌きであったがせいかただのプラスチックを金属製のナイフにでも見せたのだろうか。相手が凶器を持っていたという認識が弛緩しきっていた周囲の空気を怯ませる。言ってしまえばただの偶然。それに助けられ、その隙に子供は逃げおおせることができた。

 ほんの10m程の距離とはいえこの廃墟には暗闇が多く、隠れるための物陰は無数にあった。そしてこの小さな子供の体はあまりに小さく、わずかな暗闇でさえ彼の姿を隠すには十分だと言えただろう。


「見つけたかっ!」

「んにゃ! 諦め悪いつ~かさ、いい加減出てこいっつの!」

「今日はもういいんじゃない? もう帰ろうよ~」

「んにゃ、いっぺん殴る。あいつ俺の服にゲロ吐きやがったんだぜ!? べんしょーさせてやる!」

「それお前が殴ったからっしょ。 つかあいつの稼ぎなんてロクなもんじゃないっしょ? 全部で3万くらいだっけ?」

「いやいや、そんだけあれば一晩遊ぶに十分だろ? オケってそのあとオールで余裕っしょ」

「あ、それいいかも~!」


 鞄を盾にしていたとはいえ全身を激しく痛めつけられた傷痕は大きい。唇は切れ口の端からは血が滲む。まだ歯が折れていないだけマシというところだろうか。目の周りは腫れ蒼く膨らんでおりどれだけの打撃を受けたのか想像すらできない。



 単純に言えば「いじめ」というものかもしれない。だがこれは客観的なものであって当事者同士にはそんなものは存在しえない。

 加害者側からすれば『ただのスキンシップ』であり、ちょっと過激な折檻。つまりは教育でしかない。ちょっとした世間の常識を教えてやろうってだけのことでしかないのだ。

 被害者側からは言うまでも無い。いじめなんて生易しい表現では済まない。ただの『加虐行為』だ。学校という閉鎖空間、未成年という一種の特権階級下における状況だからこそ起きえる違法行為の合法解釈。それがイジメの実態だ。



 ただこのケースに限って、この小さな少年がどうしてこのような目にあっているのかは、彼の産まれもった運の悪さとしか言いようのないものなのかもしれない。



----------


 暗がりに身を潜め息を殺す。動き回るのは得意じゃないので毎回逃げ出すのが難しい。相手の方が多いのだから仕方ない。当たり前だが味方は誰もいないし。心臓が爆発しそうなほどに激しい鼓動を響かせる。この音が外に漏れてたら間違いなく見つかるだろう。

 額から汗が滴る。自分の汗なのに傷に染みる。なにより目に入ればこれ以上に視界を塞ぐことになると額を学ランのフチで拭う。


 ……え? 僕? うん。逃げてる。ハンティングの標的ってところかな。

 『ハンティングはスポーツではない』って言葉があるけど、ハンター側の心理だとスポーツなんだよね。うん。よくわかる。あいつら自分たちのルールでしか仕掛けてこないし。


 連中はこの辺を根城にしているグループの一つだ。名前はえ~っと、なんだっけ? まぁいいや。どうせ大して意味はないし。いつもはくっちゃべくっちゃべって位でなんか悪さをするほどでもないんだけど、今日はなにやら虫の居所が悪かったらしい。たまたま通りがかった僕に悪運を押し付けようって算段のようだ。


 ……実際に悪意を押し付けられたわけなんだけどね。振り向いた先にたまたま僕がいてたまたま相手の手にコーヒーが握られていてたまたま蓋をしておらずたまたま僕の頭にぶつかってしまっただけだ。

 僕は頭からコーヒーを浴びることになった。正直なところアイスで助かった。そして相手は服の裾にコーヒーが飛び散った。だけに見えた。その子は脱兎の勢いで走り去ってしまったのだが、一緒にいた男の子が「後で来いヤ!」と呼び出しを頂いてしまったのだ。この手の呼び出しは無視するに限る、と言いたいのだが、後回しにすればするほど面倒事が増すのでとにかく片付けたかった。見た目にも僕の方が被害が大きいので謝れば済むと思ったのも甘かったんだろうと思う。


「畜生! どこ行きやがった!」


 声が近づいてきた。位置的にちょっとまずいかな? なんとか隙を見つけ出して逃げ出さないと……



 そう思って一歩を踏み出したところが悪かったのだろうか? 足元も真っ暗だし、そんな想定できるはずが無かったというのもあるが、元の道に戻ろうとした一歩が何故か《真っ暗な空間》に向けて踏み出していた。


 当然、予測してない以上は避けることも踏ん張ることもできないわけで。僕はなんだかわからないうちに暗い暗い穴の底目がけて落ちていった。



----------



「○√☆ш□ЮфÅ△×Ε?」



 あれ? いつの間に寝てたんだろうか? きっとどうにかして帰り着いたに違いない。あいつらだっていつまで僕のことを追いかけてる場合でもないだろう。それともエロジジイにでも文句を言われたのかもしれない。『目立つところに怪我をさせるな!』って。孤児院の評判のことにだけは敏感だからな。



「◎βШ〃☆ДЙ СΣ§!?」



 っつかしつこいな。なんだか妙な声? が聞こえてるんだが、誰かがラジオの電源切り忘れたのか? つ~か見つかるとまた面倒なことになりそうなんだが。

 ジジイ曰く『そんなもん買う金あんなら施設に入れろ!』だからな。どう考えてもお前のポケットにしかはいってね~じゃん。他の奴と山分けとかもしねぇくせに。お前が部下にちゃんと金払わねぇからいくらバイトしたって足りやしねぇんだよ。


 なんかもう面倒になって、体を丸め耳を塞ぐ。とりあえず背中は守るようにしとかんと障害がら出るから注意しないとやばいみたい。そうでなくても肉付き悪いからな僕。

 って感じで防御姿勢を取っていたところを、襟元からひっぱり起こされた。今日は妙にキッツイなぁ。もしかして女に手を出す前になんか邪魔でも入ったのか?


 とまぁ仕方ないと目を開けたところで、目の前に見知らぬ女。

 いや目の前に本当に顔があってなんだこの状況? この施設の関係者にしちゃぁ妙にいい匂いのする…… ってそんなこと考えてる場合じゃないか。いったい誰だこいつ?



 で、何か言いたげな様子で口をパクパクさせつつ、なんか諦めたように大きなため息をついた。ついでに床に下ろされた。

 僕って軽いからな。同年代に比べても明らかにチビ。女に首根っこ掴まれて持ち上げられるような経験は無かったんだが、マジで軽いんだな自分。


 で、そのね~ちゃんだが、人差し指を出して何かブツブツとつぶやく。その指先には小さな紙がつままれていたのだが、パッと発光すると燃え尽きるように姿を消した。燃え残った赤い燐光がなおも指先を照らし続けている。


 ……マジック? あぁ最近の技術進歩って凄いよねぇ。青色LEDとか実現しないって言われてたし。


 で、その指が僕の額に押し付けられた。




 ……


 …………


 ………………!!!


 いたぁ!


 マジでやばいって! ボクが何したっていうのさ! 根性焼きの数十倍痛いよ! なんか神経直接炙られてるのかと思った!


 咄嗟に飛びのいたのはいいんだが、額の奥まで響くような鈍痛が続いている。流石に額を抑え込んでうずくまっちゃうくらいに痛い。そんなこと何の意味も無いってわかっちゃうくらいに痛い。

 新しい刑罰の類だろうか? ってことはこのね~ちゃんは新しいお仕置き係……指導官ってことなんだろうか? あるんだよな~、新入りが舐められないようにとりあえずキツい刑罰を与えて権力を誇示するってヤツ。今回はたまたま僕が選ばれちまったってことなのかもしんねぇけど。にしてもきっついなぁ……額の傷なんてちょっとやそっとじゃ治らないぞ? 多分跡が残る系。こ~ゆ~のって服の下になるようなところにするのが常識だろうに……


「●◆★¶d、krdiいhznんdkd、ドUnノkしr?」


 あれ? なんかいつものような「虫けらでも見るような眼」って訳でもない……ような? ってかなんかスゲー派手な服着てるんですけど。どういう奴なんだこの指導官。てっきりヤクザかなんかだと思ってたけど(実際あいついらヤクザだし)そ~ゆ~雰囲気でもないし…… どちらかというと、一般人? 施設の中にこんな顔する奴なんかいたっけ?


「itいtおmukd、sbrksrtおsmrkrgmんstn。 srsrkきmgdtくrhzなndkど…… mだwかrなiかsr?」


 そもそもこのね~ちゃんの言ってる言葉がサッパリ…… いや、なんか法則性みたいなもんが…… ってなんか日本語ぽくなってきた?


「つkいmのこくinなnて、はjmtつkったけd、そもsmにnげnにkうかあrのkしらn? そudもしniとはnしすrでkない気gすrnよね……」


 なんかすげー聞き取りにくいけど、間違いなくなんか喋ってる。いや口だって動いてるし言葉を話してることはわかるよ。何言ってるのかがわかんないだけで。でもびみょ~に文体から想像はつきそうな感じなんだよ。聞いたことない言葉のはずなのになぁ……


「mあいいw。こrから私nかzくとsて暮rsていくことになるnですもの。時間gあればなんとかなるでしょう。これがだめでもまぁ他に何かしらの手段があると思うし、最悪一から覚えさせれば問題でしょうし。ってなことでがんばってね♪」


 好き放題言われてることはわかった。いやなんでわかるんだか謎だがわかった。


「さて、私の名前はフィリーオ。フィリー様でもフィー様でも好きに呼びなさい。貴方の名前はなんというの?」


「優。優しいと書いて『ゆう』」


 正直なところ、この名前が死ぬほど嫌いだ。誰が優しいってんだ。たかられまくってばっかりなだけだっつ~の。


「あら? ちゃんと効いてきたみたいね。よかったわ~! 言葉がわからないとなんだか面倒だものね。それじゃぁユウ。今あなたはどこにいるのか、わかるかしら?」


 そういわれて周りを見渡す。どうやら施設ではないことはわかった。

 もしかして自分、どこかに引き取られた?



----------


「そろそろ事情は理解できたかしら?」

「いえサッパリ」


 解る方がおかしいのである。

 どうやらここはなんだかいい感じの「金持ちっぽい家」の一室であるらしい。

 大理石みたいなツルツルとした石の敷き詰められただだっ広い部屋の丁度真ん中。から少し動いたところに座り込んでいるのは理解できた。

 窓から差し込む日光の角度から考えてもお昼前後だろうか?

 おかしいなぁ、まだ20時過ぎくらいだったと思うんだけど……。


「そうよね。でも使い魔召喚でまさか人が出てくると思わなかったわ~」


 得体の知れない怪しげな儀式とやらの結果らしい。全く持ってなんの事かサッパリなのだが、お嬢さんの説明は続いた。


「まぁいいわ。でっ、貴方は従魔契約しちゃったから私のシモベってことになるからよろしく。なんか得意なことないの? その体格だと魔術とか神秘とか奇跡とかの方かしら。意外に斥候系もいいかもしんないわね。身軽そうだし」


「……え~、っと何のゲームですか? 生憎と僕はそんなチートみたいな能力なんぞ持ち合わせてませんけど?」


 一般人より(肉体的に)格段に劣るこの僕に何を求めるというのだろう。というかむしろ施設のヒエラルキー最下層まっしぐらだっつぅねん。


「ゲームってなによ、遊びで聞いてんじゃないのよ? 場合によっちゃぁ命に係わることなんだからちゃんと答えて頂戴。貴方だって何かしらの才能スキルくらいあんでしょ?」


 ……

 ……はぁ?


 この瞬間、ひっじょ~に間抜けな顔を晒したと思われる。自分史上最高にだらしない顔だったに違いない。思わず殴りたくなるくらいに。


「……えっと、もしかして…… 小作農の子供だったりとかする? その割に服装そのものはそんなにボロっちく…… 見ない布地だけどぼろっちぃのはボロっちぃわね」


 そりゃ、寄付された古着のお下がりのお下がりくらいのを繕ってきてますから。いくら頑丈さがウリの学生服とはいえ、何人も着た後ではボロくもなるというものです。いやまぁそれでも便利なんですけどね。色々入るし。


 それよりもアレだ。なんだよスキルって。本気でゲームじゃねぇか。命に係わるって言われるとかなりマジっぽいけど。流石にボケて誤魔化せる状況でもないみたいだし、ここまで状況が揃えば察しの悪い自分だってテキトウに想像は付く。


 誰かに担がれてなきゃだけどな!


 いるんだよこの施設に。な~んか夢みたいな状況でこっちのリアクションをたっぷり楽しんだあとで「は~い! いい夢みれましたか~! この様子は後でツーチューブとかそこらへんにアップしとくから楽しみにしとけよ~!」って言い放つ酷いおガキ様が。

 院長の息子だかなんだかしらんがマジあいつだけは信用ならん。行動力のあるバカってのは手におえない典型だな。変なブレインが付いてから歯止めが利かなくなったのがいけなかったんだろうが。


 あいつんちマジ金持ちだからな。小遣いで車買えるらしいし。外車だぜ? で、敷地内でぶっ飛ばそうとしていきなりエンストしたらしい。その日は凄い荒れようで飯抜きの上に一晩中外にほおりだされた。車直せとか無理にきまってんでしょうに。


「ほんと聞いてるの? ……ん~、仕方ないわねぇ。もしかして自分で調べたことすらないのかしら? ん~、ちょっともったいないけど仕方ないかぁ~」


 そういうとなにやら豆単みたいな、小さな紙のメモ束のようなものを懐から取り出した。

 中の紙を一枚破り取ると、僕の額に当ててぶつぶつとつぶやき始める。


「じっとしててねぇ~、動かれると失敗しちゃうかもしれないから」


 先ほどのように特に熱かったり痛かったりする訳でもない、ちょっとあったかい程度なので害はないのだろう。なんだかムズムズとする感じだが、次第にその紙が大きく広がり始めた。


「え~~っと、なんだか変な名前なのね。んっと、ユウ……っていきなり本名教えるとかバカでしょ? 私だから別に問題ないけど…… ファミリーネーム持ちってあれ? 普通に村民だとかそのへんじゃないかと思ってたけど意外といいとこの子だったのかしら? だとすると元に戻せないってのは面倒かもしれないわねぇ……」


 ってこのおね~さん何気に無茶苦茶なこと言ってますけど!?


「戻せないって! どういうこと!」


 額の紙など吹き飛ばす勢いで食ってかかるのも仕方ないとおもわん? 何気にさっきよりも近い位置に詰め寄ったような気はするがまぁこれは事故みたいなもんだし。後から冷静になって考えると女の人にここまで近づいたのは初めてかもしれんけど。

 うん、あっちも初めてに違いない。自分から近づくのは良くても近づかれるっていうか間合いが詰められるのって意外と緊張するよね。不意にやられるとホントにドキドキするよ。


「っとと、とにかくちょっとお待ちなさい。えぇっとステータス的には平凡…… より低いわね。ギフトも無いしとか何考えて産まれてんのよ…… 意外と知力が高いのが救いだけど物理も魔術も適性無し。産まれたばっかりの赤ん坊みたいなもんね。あんたほんとによく生きてたわね? 普通なら奴隷一直線でしょこんな能無しステータスじゃ……」


 ……まぁ散々な事を言われてるのだけはわかった。

 確かに? 施設じゃ最下層というか床下突き抜けてモグラと同居しそうな勢いの立場しかありませんでしたけどね? 飯とかよく抜かれてたし。 でも当人目の前にしてそんな事いわれちゃうのも寂しいよね。


「……ってボーナスポイント252!? いったいどうやってそんなに手に入れたのよ! ってそもそも生まれてから一度もボーナス設定してないとかどんな根性してんのよ。あんたホントに男なの? ……って性別決定すらしてないってどんなアホなの。 ……このステータスだとどう考えても女一択よね。知力が高いし筋力無いし。こっちでテキトウに決めちゃうけどいいわよね? って従魔なんだし主人のアタシが決めればいいのか。って思ったより拾い物かもね~ってはいけって~」


 なんだか色々と知らない情報がダダ流しされて混乱中に、どうやら自分の今後が軽いノリで決定づけられたような……

 いや、ちょっとまて。女一択ってなんだ? ボーナスポイントって本気でゲームじゃねぇか! いや自分金持ってないからゲームとかほとんどしないけど。 ってそういう問題じゃなくて、マジでTRPG的ノリの言葉が飛び込んでくるんですが……?


 え? あ? お?


 か、か、体が……


 痛い!!!!


 自分の口から悲鳴が溢れてることだけは理解できる。全身を殴りつけられるのとは全く別種の痛み。まるで体の隅々が絞られねじ切られるような、神経を露出された上に塩でもかけられたかのようなとしか言いようのない、痛みとしか言いようのない激しい刺激が全身を叩いて砕く。


 あまりのことに思考が止まる。というか考えるという逃避まで奪われる痛み。この痛みから逃れるためなら何でもしてしまえそう。誰でもそうしてしまえそうな程に。



 だからこそお願いだ、目覚めた後もこの痛み(拷問)が続きませんように。



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