第一話 機人の計画
会話は基本的に他者の視点でのみです。
第1話
人種ならぬ種族の坩堝だな
これが始まりの広場を見た多金の最初の感想であった。
続いてあちこちから聞こえるパーティー勧誘の声の中から来る
好奇の視線に身を震わせながらフィールドに向かう
この鉛色の肌と薄く光る無機質染みた刺青が特徴である機人の悪名は
種族の坩堝である広場での視線の多さから嫌でも実感し
知り合いの忠告に素直に従えば良かったなぁっと開始早々後悔しつつ
素人丸出しのテレフォンパンチで、こっちに飛び掛ってくる始まりの町で最弱の敵
ロンリーウルフを殴り飛ばす。
8回目のパンチでくたばったロンリーウルフを見下ろしたあと
周りを見渡す、そこは争奪戦の嵐だった
「そこをどけぇ!!」「止めじゃあ!!」「ウオリャアアアア!!!」
「それはアタシの得物!!!」「早い者勝ちだ!!」「好き有りぃ!!」
「テメエをPKすんぞ、ゴラァ!!!!」「いただきだぜヒャッハーー!!!」「げえぇロケットラビットだぁ!?」
怒鳴り声しか無いな、2時間で1体しかありつけない上に
立っているだけだけど、そろそろ満腹度が無くりそうだし知り合いの所に行くかねぇ
そして、採取スキルでも取るんだったなぁと思いながら踵をかえしたら奴が居た
ロケットラビット
驚異的な脚力によって繰り出される頭突きは正にロケットであり
始まりの街、周辺に現れる4種類の敵の中では3番目に強い敵である。
適正Lvは5 ドロップアイテムはロケットラビットの肉、レアドロップはロケットラビットの毛皮
ただしAGIが15も有れば回避可能である。by攻略サイト
昨日、読み漁った攻略サイトの一文を思い出しながら腹に来た衝撃に吹っ飛ばされ
(既にHPは、ロンリーウルフとの戦闘で半分に成っている)
HPが0になる際に鳴るコメディチックな破裂音と共に視界が暗転、次には広場に居た。
「アハハハハ!!」
街の片隅で笑い転げる、青白い肌と半透明の白いオーラが特徴の霊人の女
事の顛末を聞いて笑うこのアマ
俺の知り合い事、自称戦う料理人 青野亜衣
<プレイヤーネーム>ブルーフィールド
生産職PT<カンパニー>のサブリーダーであり、俺をゲームに誘った張本人
リアルでは親同士が仕事の取引相手で、その縁で知り合うが
主にコイツの父親に遺産相続と今の生活関連で世話になっているのであって
コイツ自身とはまだ半年だけの付き合いなのだ。
俺とは違って友達が居るだろうに、何で俺を誘ったのやら
未だに謎だな
「それよりメシ」
「ハイハイ、ほら狼の肉団子の出来上がりだよ、プクク」
狼の肉団子
ロンリーウルフの肉を特性甘辛ソースと一緒に炒めた後、団子状にした簡単な一品
評価7 AGI上昇(小)
以外と食えるな狼の肉、ゲームだからかな?それとまだ笑うか
「それで?私の忠告を無視してまで機人に成ったのは如何してかな?
一応誘った身としては助けて上げるのも構わないけどねぇ」
へいへい、ネタプレイ以外にもちゃんと理由はあるよ
「メカの当てはある」
実験みたいな物だがね
「それって始まりの図書館の事?残念だけどβで散々探したけどサモナー専用のゴーレムの召喚方法位しか無かったけど?お姉さん的にはキャラ設定失敗していると思うんだけどなぁ」
ある意味正解、それと誰がお姉さんだ誰が!!
「3割は当たっている、あとオマエ年下」
「3割?3割って何?もしかして生産系の中級から使えるオリジナルモードの事?
生憎と1からデカイ人型ロボットは現実でも無理だから」
無視か!このJKが!!
「それも3割?もう降参、答えを教えて」
分かればヨロシイ
「まず、巨人の骨をベースにする」
「巨人!?適正Lv100の化け物だよ!?」
そう、討伐数ソロが2体PTが9体、合計がたったの11体だけ強敵だ
「手足と肋骨が必要、肋骨の中をコックピットにして手足は見本に四肢を作る
骨格と装甲の間は現実の重機やロボットを見本にして後はそこから問題点を修正すれば良い。
最後の一番重要な命令系統はナノマシンポーションを使う」
「ナノマシンポーション?」
ハイそこ!!怪しげなモノを見る目で見るな
「ナノマシンポーションの説明文はこう」
修復のプログラムが入力された極小の機械群と、それを保存する為の液体に満たされたポーション
「このプログラムの部分を弄れる様に為に、いろんな街の図書館でナノマシンポーションを調べながら錬金術を育てる。
だからブルーフィールドに生産職PT<カンパニー>への依頼の代理を依頼
内容は機人のメカ、魔導機兵の作成をお願いする。報酬は出世払いで、説得はヨロシク」
誘った身としては助けて上げるんでしょ♪
<名前 マテリアル>
種族 機人
性別 男
年齢 19
クラス パイロットLv 1(機人専用)
HP 200/200
MP 0/0
STR 15
VIT 20
INT 10
DEX 10
AGI 5
LUC 5
称号 唯一人だけの種族 最後の鋼
加護・祝福 デウス・エクス・マキナの加護
所持品 錬金術の基本セット
現金 500ゼニー
種族スキル <通常回復不可> <魔法使用不可>
クラススキル <操縦Lv1>
スキル <翻訳Lv1><解読Lv1><錬金術Lv1><格闘Lv2><自動修復(機人専用)Lv2>