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ーthe Alonesー Part4

「ほれ、一応ここが今日からメリッサの家だ」

ライカは自宅の扉を開ける

といっても、ガルシア軍兵士に与えられる住居は独身の者ならひとつの建物を数人で住み分けし共有するという形になる

「わぁ〜!ひろいおうちだね!」

メリッサは無邪気にはしゃいで見せる

「つってもメリッサの部屋はここな、たまたま空き部屋があったんだと」

ライカは自室の隣りの個室まで連れていき扉を開けてメリッサに中を覗かせる

「え?ライカといっしょじゃないの?」

「俺の部屋はこっちな。なんだ、メリッサちゃんはひとりじゃ怖いか?」

ライカはバカにした感じでメリッサに顔を近づける

「こ、こわくなんかないもんっ!」

メリッサは頬をプクッと膨らませて部屋の扉をライカを追い出してから勢いよく閉める

「はいはい、1刻ぐらいしたらメシにするからなぁ〜!」

と、扉の向こう側に言ってみたが返事は返ってこなかった

「たまたまここは二部屋しかねぇから賑やかにはなんねぇだろうなとは思ってたけど、騒がしくなりそうだな…」

ライカはそんな独り言を言いながら食事の準備を始めた


「ライカのごはんおいしかった〜!」

メリッサは居間のソファに満足そうに寝転ぶ

「お嬢様のお口に合ってよかったですよ」

「でもライカは二ばんめだよ!いちばんはおかあさん!」

「へ〜俺は二番目かぁ…」

台所に立つライカは一瞬食器を布で拭く手を止めた

メリッサの無邪気な笑顔とこの自分の淀んだ感情が混ざり合ったからだ

「まぁ俺もメシ作んのが2人分だから楽だわな……でも、俺もそのうち俺にメシ作ってくれるかわいい嫁さんもらわねぇとな〜」

ライカも洗い物を終えてメリッサの横にだらっと腰掛ける

「じゃあ、おーきくなったらメリッサがライカにごはんつくってあげる!」

メリッサが起き上がってライカに詰め寄る

「おー、明日からメリッサがメシ作ってくれんのかぁ〜いやぁ、助かるわぁ〜」

ライカがヘラヘラと笑いながらメリッサの頭にポンと掌を乗せる

「ちがうー!おーきくなったら!メリッサがライカのおよめさんになるのー!」

メリッサはポカポカとライカを小さな可愛らしい拳で叩く

「はいはーい、メリッサが大人になったら考えてやるよ」

「んー!メリッサはもうオトナだもん!」

メリッサは叩くのをやめてジタバタとライカの膝の上に頭を置いて暴れる

「へへっ!大人の女はもっとおしとやかにしてるもんだぜ?…っと、そういや俺いつも昼間は訓練とか仕事行ってるから留守番頼むぜ……?」

ライカは自分の膝の上が静かになるのを感じた

「寝ちまったか…ったく、嵐が去ったみたいに静かになりやがって…」

ライカは喉の奥でクスッと笑いながらメリッサの小さな体を抱え上げた

寄せては返す波のような安らかな寝息はどことなくライカの心を落ち着かせるのだった


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