もし、第2の眷属と戦えば?
どうも、センスです
カイザー君に眷属とかのことを教えました
「…えーっと、もう、戦っていいかな?」
「あ、ちょっと待ってくれ、まだカイザーに教えたいことがある」
え、もう教えることはなさそうですけど…
「ハスキー」
「うおおぉぉぉ!!」
どうやら、ぐだぐだな状況を利用した奇襲を仕掛ける様です
うまくいった、私たちは全員そう思っていました、しかし…
「それは、感心しないねぇ」
眷属は、持っていた刀を抜き、ハスキーさんの拳を受け止めてしまいます
「うお!?うでが!?」
ハスキーさんは、全力で殴りつけたので腕がしびれたようです
「哀れだね、先手を取って有利になろうとして、逆に不利になるのは
これが、宿命というものかな?ははははは!」
「ぜったい、ころす、うざい!」
「なんと、これには溜息も出ないね
いつから人類はこんなに衰退してしまったんだ?」
「しね!!!!!」
ハスキーさんが、怒りに任せて突撃を仕掛けます
「待ってください!敵の挑発に乗ってしまっては思うつぼです!」
急いで、警告しましたが無駄でした
ハスキーさんの耳には届いておらず、顔を真っ赤にして拳を振り上げ眷属を殴りつけようとしていました
「来世は、頭のいい動物に生まれるといいね!」
眷属は、刀をハスキーさんの胸に突き立てようとします
このままではハスキーさんが死んでしまいます
「させるか!」
カイザー君が飛び出し、刀を蹴り飛ばします
そしてハスキーさんの拳は、眷属に命中します
眷属は、吹き飛ばされ、刀は手放しませんでしたが、地面を転がります
「嘆かわしい、こんな人類未満の拳を受けてしまうとは」
「ぶっころす!!」
それでもなお、眷属はハスキーさんを煽ります
「どうせなら、二人同時にかかって来なよ
この刀なら、同時に二人の首を落とすぐらい造作もない」
「それなら、後悔すんなよ!」
カイザー君もハスキーさんも、同時に眷属に向かって攻撃を仕掛けます
「知っているかい?
人は同時に虫を何匹でも叩き潰せることを」
眷属は、刀を低く一振り
ちょうど、カイザー君とハスキーさんの足を切るように
「「ぐはっ」」
足を切られ、倒れこむカイザー君とハスキーさん
眷属は、ハスキーさんの首元に刀を近づけます
「一回目は首は勘弁してあげるよ
でも、神に忠義を誓わないなら…馬鹿な君たちでも分かるよね?」
「いたい…イッチ…たすけて…」
「靭帯切りやがって、センス、助けてくれ」
痛々しい光景です
眷属の一振りで、同時に二人の命が失われます
放置していても、足からは血液がとめどなく流れています、いずれ死んでしまいます
こうなってしまって、誰が黙ってみていられるでしょうか?
「その刀を放せ!」
イッチさんは、ダガーを投擲し、刀に当てます
「刀がそう簡単に折れるとでも?
今簡単に消え去るのは、そこの愚か者ではないか?」
眷属は、刀に力を籠め、振ろうとします
私たちから目線をそらした今がチャンスです
「私が守って見せます!」
私は、槍を振り刀を弾きます
予想外だったのか、眷属はよろめきます
「不覚だ、彼らほどではないが、僕も愚かだったようだね」
「イッチさん!回復魔法を!」
「出来るか分からないが、やるだけやってみる」
イッチさんは、ハスキーさんたちに駆け寄ります
「ふふ、君はそこまで馬鹿者ではないようだね
何も考えない虫けらよりかは楽しめそうだね」
「散々、ハスキーさんたちを馬鹿にして、後で殴られても知りませんよ?」
「ははは!どうしてそれが出来ると!?
あのような奇跡は、未来永劫起こりえないのさ!」
確かに、こんな文言を真正面から浴びれば、冷静さを欠いてしまいますね
「そのうち、起こして見せますよ
彼は頭が悪いのではなく、勉強をしていないだけですから」
「面白い、あぁ、衰退した人間は面白い!
勉強をしないのではなく、出来なかったのじゃないかな?」
非常に腹が立ちます、ですが、怒って攻撃するべきではありません
どこかで必ず、油断を見せるはずです
「そもそも、教育の機会を得られなかったと考えるのは?
それが出来ていない時点で、少々結論を出すのは早計だと思います」
「頭の良い人類は、教育の機会を待たず自ら得に行くのだよ
待つだけなのは、釣り人だけでいいのさ!
この辺りに魚はいないのに!ははははは!」
きっと、今がチャンスでしょう
「ハスキーさん、今ですよ、見返す瞬間は」
「何言っているんだ?気でも…」
眷属が、足音のする後ろを見ると…
そこには、勢いをつけ、拳を振り上げ、眷属に向かって突撃するハスキーさんの姿がありました
「なぜだ!なぜ犬畜生が立っている!?」
「俺が治した」
イッチさんが現れます
「見事に靭帯まで治ったよ、回復魔法って凄いね」
「最悪だ!」
眷属は、思い切りハスキーさんに殴られ、私の方向に飛んできます
それを、私は持っていた槍で思い切り叩きつけます
まるで、野球の様です
「クソっ、クソっ!
僕はそこまで愚かじゃないはずだ!どうして…」
「俺が、カイザー様が直々に教えてやろう
俺たちの方が上で、お前が下だから、だよ」
「そんな!僕は!お前たちより!優れ「ぶ!ち!こ!ろ!す!」
眷属の言うことなど、聞くに値しません
ハスキーさんは、これまで感じた怒りをすべてぶつける様に
これまで力強く、素早く、眷属を殴りつけます
いつしか、眷属の姿は無くなっていました
そこに残されたのは、砂のような物でした
「すっきり」
ハスキーさんが、横たわります
眷属が死んでなお、顔に大粒の汗が流れても、必死に殴り続けていましたからね
「少し休憩させてあげましょう」
「俺が見ておく」
イッチさんは、ハスキーさんの横で座ります
「私たちは、まぁ刀を持ち帰りましょう」
「だな」
私は刀を持ち、コロニーの中心部に戻ろうとすると、正気君に呼び止められました
「聞いてくれ!机塗が怪しい施設を見つけたって!」
「それは真だ、僕は魔窟を見つけてしまったのだよ」
「はぁ、まぁ、とにかく聞かせてください」
机塗君の言う事は、難解な言い回しで理解し難いですが、翻訳は正気君に任せましょう
「それは、君たちが言葉と剣の争いに身を投じる前の話
僕は新たなる美を求めていた、滅んだ白黒の世界でも、一輪の可憐なる花があるという希望を持っていた
僕は、狭き檻から飛び出し、放浪の美を描いていた
さすれば、それは奇跡の軌跡をたどったか、見知らぬ魔窟へ続いた
その魔窟は、立ち入る者すべてを拒む、奇々怪々なる覇気を放っていた
冒険を恐れた僕は、飛びいることなくその場を離れた」
「…うん、なるほど
要するに、センス先生たちが眷属と戦う少し前に、インスピレーションが欲しくてコロニーを飛び出したら禍々しい施設を見つけた…という訳だ」
「…なんて名前ですか?その施設は
あ、なければないって言ってくださいね?」
「…その魔窟の名は、宇宙研究所と言う」




