もし、身の上話をすれば?
どうも、センスです
イッチさんが、強そうな武器を手に入れました
「あー、酒が欲しいな
着替えもないし、電気もない」
「頑張って自分たちの力で手に入れるしかないでしょう」
イッチさんが、コロニーの中央の焚火近くにいる私に話しかけます
娯楽品の不足は確かに大きな問題です
それに衣類も足りません、このコロニーもまだ発展途上ですね
「なぁ、センス、世界が滅ぶ前はどんな感じだったんだ?」
「どういう意味ですか?」
「あー、身の上話だよ、教師やってたんだろ?
世界が滅ぶ前はどんな教師だったんだ?」
「うーん、自分で言うのもなんですが
優秀な教師だったと思いますよ、私、過去3回いじめを解決したんです」
「え!?マジ!?最強の教師じゃん!」
「イッチさんもそう言ってくれますか
そういえば、私、理科教師なんですけど、同じ理科教師の同僚がいるんですよ」
「どんな奴だ?」
「林田って名前です
あまり、教師として認めたくない人でした
彼は、いじめっ子気質でして、人の弱みを知ると助けようとするわけじゃなく
その弱みを利用して、好き勝手やっていました
授業中に弱みをばらしたり、嫌なことを強制したりしていました」
「…ひでぇな」
「えぇ、当然、彼に批判は集まりましたし
凶悪事件も、未遂ですが、発生もしました
ですが、彼は退職をしませんでした、理不尽ですよね
学校は、退職を勧めるだけで、彼は決して辞めようとしませんでした」
「そいつ、犯罪しているのにか?
強要罪に、名誉棄損や侮辱罪とかで逮捕できそうなのにか?」
「はい、分かりません
運悪く、彼と同じ学校で務めたことがありますが
都羅市于学園ほどではないにしろ、偏差値が低く、治安も悪い所でしたので」
「なーるほどな、ま、今は顔も見ることないし、そんなに気にしなくていいんじゃね?」
「えぇ、そうですね」
イッチさんに、あらかた林田のことを話しました
すると、向こうから誰かがやってきます
「おい、何面白そうなこと話してたんだ?」
カイザー君がやってきました
「どこから聞いていたんですか?」
「イッチが酒が欲しいって言ってたとこから
俺も欲しい」
「最初から聞いていたのか、あとお前未成年だろ」
「酒の1ガロンくらいいいじゃん」
「肝臓死ぬぞ?」
カイザー君は、いつもの調子でした
そもそも、私たちあまり調子とか変わらないですね
「にしても、林田ってやつマジゴミクズだな
ああいう奴が親だったよ俺」
カイザー君が突然そう言います
「え、俗にいう毒親ってやつ?」
「うん、本当にカスな親、多分それ」
どうしてカイザー君はそこまで素行が悪いのか、疑問に思っていましたが
恐らく、家の環境が適切ではなかったのでしょう
「もう少し詳しく聞かせてもらえませんか?」
「え、意外だな
まぁいいけど、まず俺の家族構成だな
俺には妹が居るんだ、笑片等って名前
女ならエンプレスだろって突っ込みたいけど
でな、母親と父親がもちろん居る訳なんだが、母親の再婚で俺らと父親と血がつながっていないんだよ
俺が子供の時、車に轢かれそうになった俺をかばって母親が死んじまって
そこからクソ親父が、妻が死んだのはお前のせいだって言って暴力を振るってきたんだ
マジで痛かった、ひどい時にはエンペラーにも手を出そうとしたりして、あ、暴力的な意味な?
俺は誓ったんだ、絶対にクソ親父を殺すって
だから叔父さんの家に通って格闘術を学んできた訳だ」
「そういうことが、あったんですか」
「うん、まぁもうあのクソ親父はもう死んじまってる気がする
だからまぁ、今はあんまりって感じだな、エンペラーが居ないのは気がかりだが」
カイザー君は、重たい過去を持っていた様です
どうにか、してあげられないでしょうか…
「で、イッチ、お前まだ話していないよな?ちょっと話してみろ」
「あー、俺は「やばい!てき!」
ハスキーさんが、乱入してきました
「なんだ?落ち着いてくれ」
「どれい!いっぱい!ちきん!くれない!」
「そりゃそうだろ」
「話は後だ、襲撃してきた奴隷を対処しよう」
イッチさんは、走ってハスキーさんが来た方向へ行ってしまいます
私たちは、イッチさんについていきます
「我が神の、生贄となれ!」
すでにコロニー内に侵入しているようで、武器を振るい人々に襲い掛かっています
「目を覚ませ!」
イッチさんは、奴隷の一人にダガーを投げる
思ったより投擲の腕がいいようで、真っすぐ奴隷に向かって飛んでいく
ダガーが奴隷を貫き、奴隷は倒れる
「それ、死んでないですかね?」
「見たところ出血はない、恐らく瀕死になったときに回復するんだろう」
ご都合主義ですね
まぁ、それがなければ殺してしまわないように調整するのが大変ですからね
状況を簡単に説明すると
ハスキーさんが吹き飛ばして、カイザーさんがなぎ倒して
イッチさんが1人ずつダガーで倒していました
そうしていたら、なんだかんだで奴隷たちが最後の1人になりました
「クソ、敵は強くなりすぎたか…」
最後に残った奴隷が、そう言います
負け惜しみだろうか?なんて思っていたら
「お助けください!」
奴隷が隠し持っていた剣を天にかざし
その剣から光の柱が出てきます
光の柱は、際限なく高く伸び、それは、信号弾の役割を持っているようでした
しばらく経ち、光の柱が消えた
消えるまで、なにがあるか分からなかった私たちは、何もできませんでした
「これで、眷属様が来て下さ…る…」
最後に残った奴隷は、倒れこんだ
「まずいな、眷属が来ることが確定した」
「えぇ、いつかはわかりませんが、警戒すべきです」
「とにかく、眷属が来る前に、奴隷たちを治療するぞ」
イッチさんは、素早く動き出し、回復魔法で治療を施しています
「センスたちは、それぞれの方向から眷属が来ないか見張っててくれ」
「分かりました、カイザー君はあちら、ハスキーさんはそちらを
誰かが来たら呼んでください」
「分かった」「わかった」
ハスキーさんとカイザー君が散開する
イッチさんは一人ずつコロニーの内側に元奴隷たちを運んでいく
「大丈夫か?まだ眷属は来ていないな?」
イッチさんは、少し疲れた様子で私にそう聞く
「まだ、来ていなさそうです、ハスキーさんやカイザー君からも応答はないですし」
「そうか、なら「センス!ハスキー!こっち来い!」
カイザー君は、呼びつけます
「…行きましょう」
「そうだな」
「呼ばれてきたけど、挨拶もないの?」
「少しくらい待てねぇのかよ」
「なんだなんだ?お前は誰だ?」
見知らぬ帯刀した男が、カイザー君と話していた様です
「お、大将から来てくれるとはね
僕は第2の眷属、君たちのコロニーを討伐しに来た」
「お前が、2人目の…」
「そうだね、第1の眷属が世話になったね
まぁ、尊い犠牲になってしまったけど」
「おい、待て「申し訳ないですが、あなたが原初の神に協力する以上、私たちと敵対せざるを得ません」
「ま、そうなるね
さっそく戦おうか、僕の刀の、新たな錆びになってくれるかな?」
「いや、待て、眷属ってなんだよ」
…カイザー君は、初めての遭遇でしたね
「お前らに合わせてきたけど、眷属ってなんだ?」
「…まぁ、原初の神を蘇らす儀式をした8人で、うち1人をすでに倒している
だからこいつが第2の眷属
あ、原初の神はあれ、世界を滅ぼした張本人」
「なるほど、つまりあいつを殺せばいいと」
…そういえば、説明を忘れていましたね




