消しゴム拾われて好きになっちゃうやつ(後編)
突如、風紀委員会になった事に呆然としている俺の耳に授業開始のチャイムが響いた。
山羽さんと奈良が必要以上の声を上げながら慌てて席に戻る。
しばらく経ち、朝校門にいた女性が教室に入った。
その女性は遅れたことを謝りながら、自分が神城だということを説明した。俺らのクラスの副担任らしいが、周りのみんなが驚いた反応をしていたから新任か何かであろう。
俺の前方から「起立!」という声が聞こえ、それを合図に全員が立ち上がる。
ん、ちょっと待て、合図してんの奈良じゃね?お前学級委員だったのかよ!?言ってくれよな、そう言うの。これまでの奈良に学級委員らしさが一切無かったせいで俺はまあまあ驚いた。その日の帰り道、奈良にその話をしたら
「え?言ってなかったっけ?w」という感じだった。
おまえ、そういうとこだぞ?会って数日の人間に言うのもなんだが、、、
まぁそんな感じで神城先生による国語が始まった。俺は昔から文系といえば女性という偏見を持っているので神城先生が国語教師であったことは自分の論を裏付けるような気がして嬉しかった。
そして音読が始まった。俺の番が回ってくるまではまだ少し時間がありそうだった。
そういえば、俺は文系に女性が多いと思っているが、別に理系にも女性がいると思っている。なぜなら、理系の女性もクールな感じがして可愛いからだ。逆に文系の男性が少なすぎるのだ。文系の男性と言われても頭のなかにイメージが浮かばない。
やはり男は理系か体育会系だろうか、、、
「あ、」小さく声が出た。
消しゴムを落としてしまったのだ。別にこの授業で消しゴムを使う予定はないが、拾わなければな。
「木佐くん?」
「?」見るからにクエスチョンマークを浮
かべた顔をあげる。
「音読、木佐くんの番だよ」
やべっ気づかなかった。急いでページをめくる。
「そのとき、風が若木を吹きつけた〜」
読み終わり、軽く先生に謝罪をしたあと、席に戻ると、横の女の子が消しゴムを持って俺の方を見ていた。俺はその消しゴムが俺のものと気づいた瞬間、軽く会釈をし消しゴムを受け取った。
その時、俺は胸がドキッとする感触を味わったのであった。




