消しゴム拾われて好きになっちゃうやつ(前編)
俺は今、割と真面目に悩んでいる。
それは学校に行くかどうかだ。
俺はベッドから起き上がり、ろくに力の入らない腕でカーテンを開ける。窓の外、俺の家の前には、男に好かれそうな美青年が1人。奈良である。
「まだいるのかよ」
軽く呆れた笑いをしながら、ベッドに戻り考える。
自分で言うのもなんだが、俺は引きこもりだ。学校だって初日だけ行くつもりだった。今更学校に行くのもバカバカしいと思う。う~ん、どうしたものか、、、
もう一度窓の外を見下ろす。
「人の好意を無下にしてはいけない。」
聞いたことがある気がする言葉を呟く。
「はぁ」存在しないはずの奈良に向かって話しかける。「行ってやるよ、学校。また明日って言ったからな」
2度目の登校、多少なりとも道を覚えているからか、初日のような不安感はない。
結局来てしまったな。
俺にはこういうとこがあると自分で思う。
「おはようございます!」
校門の前の女性の先生が元気な挨拶をあげる
隣の奈良が声を張り上げるのに対して、俺は発音出来ているか怪しい声を上げた。
横にいる奈良は自信気な笑みを浮かべ空を見上げている。どこかで余裕と自信のある男がモテると聞いた。顔立ちもいいし奈良はモテるだろうな。
教室に入り、粗方の準備を済ませると奈良の他に山羽さんが話しかけてきた。話の内容はというと何の委員会に入るかという内容だった。ちなみにここで俺は彼女経験とか好きなタイプを聞かれる青春イベントを期待したのだが、それは内緒にしておく。
それで?委員会って言った?無論入るわけないだろ。元不登校だぞ?文化祭の準備なんかで駆り出されようもんなら殴りつくぞ?という言葉をグググッッと抑えて山羽に伝えた。
「木佐くん、風紀委員会に興味ある?」
「風紀委員会はいいよ。遠慮す」
「本当に!?やってくれる!ありがと木佐くん」
「え?いや、何か勘違いを」
「え?木佐、風紀やんの?いいじゃん面白そうで」
「じゃあ、委員長に伝えておくね。明後日委員会あるからよろしく」
「え、あ、うん。分かった」
はい、これにて私は風紀委員所属元不登校陰キャになりましたとさ。




