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塔が空から落ちてくる世界で、機動兵器に乗る傭兵やって生きてる  作者: 梅酒わいん
mission7:廃棄塔同時攻略(低予算)

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53/60

53話:破算

第1部完!

「死ぬかと思った。もう二度と飲まないからな!」


 うん。危なかったな。

 急いでドワーフ共に担がれて、運ばれていった時はダメかと思ったわ。


 セドリックが復活した次の日である。

 俺は執務室から逃げ出して、ダラダラと新聞を読みながら休憩していた。

 一面には【ナイト・オブ・シャベル】と【ハルバード】の衝撃的な写真が映し出されていた。これで世論がどう動くかわからないが──


 “デカ耳”の情報戦勝ちだな。

 あのまま残ったあとは、各新聞社や映像関係の伝手を動かしまくって、俺たちの悪事を有耶無耶にしてくれた。

 こうしてのんびりしていられるのも”デカ耳”のおかげだろう。はー。一安心。


 そうして、ぼけーっと茶を飲みながら新聞を畳んだ。

 いやほんと、俺を知識階層の一員に組み込まれても困る。

 書類仕事とか得意じゃないんだよ。あとはグラハムに全部任せるわ。


「で、どうなったんだ」


 えーとだな。うん。





 計画は全てご破算になりました。





「なんだって?」


 そうセドリックが呟くと、執務室の扉が開かれ、全員が一気に出てきた。



「あかん! クレジット無さすぎや! 今月分の星見予報を全部集めぇ! 近くに落ちた塔を攻略しにいくやで!」


「タコ社長とカラスさんは他の傭兵たちと交渉して、塔の攻略状況の把握と、攻略権の整理をしてきてください。こっちは偽装ギアを動かせるようにでっち上げます。【飲んだくれ】さんたちもギア修理くらい出来ますね!?」


「あたぼうよ! 整備できねぇドワーフのギア乗りなんかいねぇ!」

「でもまだこれ乗んのかよ。弱ぇぞ」

「せめて名前くらい付けましょうよ」

「じゃあ、【寄せ集め(ハッチポッチ)】だな」


「【ガトリング工房】に連絡して列車輸送の枠を確保します。

【クロスガード】を送るので残った偽装ギア、ええと【ハッチポッチ】ですっけ?

 それの残りを輸送してきて入れ替えさせてもらいます」


「団長の一撃のダメージが深すぎるからな。装甲板が割れた【クロスガード】は動かせん。

 妥当な判断だ。攻略する塔と航行ルートの策定はこちらでしておく。地図はあるな!」


「こちらに!」「列車状況調べておきます!」



 な?



「うわぁ」


 お前にも働いてもらうぞ。

 なにせ、お前、指揮官だからな。実働部隊は任せる。


「カラスさん! サボってないで早く第三セクターの傭兵のところへ走ってください!

 情報収集! 交渉! 殴り合いでの解決! 全部任せます!」


 はいはい。わかったわかった。

 いくぞセドリック!


「なんで僕も?」


 ああ? お前も傭兵になるんだよ! 騎士の立場のままで塔の攻略なんか出来るか!


 分かるか? 俺たちはな。


 このクソみたいな塔が空から落ちてくる世界で、機動兵器に乗る傭兵やって生きてるんだよ!

 傭兵のやり方を覚えておけ! 見せてやるからよ!

 いくぞぉ!






『完』






「待てやぁ! 続けるやで! なんとしてもクレジット稼がなきゃならんのや!!

 こんなところで終わらんやでぇー!」


 誰に何を言ってんだ!

 タコ野郎お前も行くんだよ!







 *



 なんやかんやあった。



 *








 はい。新人研修はじめまーす。

 メイドさん2人、自己紹介お願いします。


「アルマです。カラスさんに四肢をもがれて傭兵になりました」

「ヒルダです。同じく踏み潰されて転がされて傭兵になりました」


 はい、拍手〜ぱちぱちぱち。


「何してるんですか」


 いやさー。

 なんか貧乏傭兵するの久々だし、ボロギアだから新人に教えながらやるのもいいかなって。


 はい、今回の目的は〜!




 激安! 貧乏廃棄塔攻略チャレンジです!





 機体説明!


「僕が【オンボロ】、それ以外は【ハッチポッチ】ですね」


 武装説明!


「全員右手武装は安価なライフル。【オンボロ】は他の装備変わりません。

【ハッチポッチ】はカラスさんの機体だけレーザーブレードを装備。

 肩に至っては何も持ってませんね」


 はい。

 貧弱な武装ですね。


「【オンボロ】のローラーは損耗が激しすぎるので外しています。

 この前の機動で全部すり減りました。意外と高いんですねアレ」



 はい。

 これの貧乏武装で塔の攻略をしていきます〜。



 さて、あちらの塔を御覧ください。

 植物の生育具合と周囲の設備展開具合からして、結構時間が経ってるね。

 年代物ってほどじゃないけど、最低1年は放置されている塔なんじゃないかな。


 流石に他の傭兵も戦争で疲弊してたし、近場は選べなかったねー。

 でも2つ同時攻略出来るくらい近い塔があって良かったねぇー!



 ま、ドラゴンなんて大物そんな出会うわけじゃないし大丈夫でしょう!

 居たとしてもコマンダーが徴収したと思うのよ。

 だから大形スクラップは居ないか、居ても弱いやつという目算だね。


「目算でしか無いですね。本当にドラゴン居たらどうするんですか」


 その時は塔の攻略を諦めて増援を呼ぶしかないな。他の傭兵に協力要請を出してもいい。

 出来ない時は出来ない、って言い切るのも重要だぜ。

 特にドラゴンなんか放置できないだろ。


「まぁ道理ですね」


 期限は三日!

 ドワーフどもとセドリックは合わせて別の塔を攻略中! つまり増援無し!

 補給も無し! 弾薬も無し! 修理キットも各自一個づつ!

 機体も武装も貧弱! 新人二人!



 自信はありますかー!?



「ごめんなさい無理です」

「すみません許してください」

「機動力欠けた【オンボロ】とか一般機とあまり変わりないですね。なんとかしますけど」



 コテツはともかく、メイドさん達は自信なさげだね。

 いいかい?



 俺たちは持ってる手札でなんとかしなきゃいけないの。

 そして教えるって言った次第もあるし、悪いけどハードモードでやらせてもらう。



 というかお金ないの!!

 まともな武装積めるんならそっちのほうが楽だわ!


 だからこれでやるしかありません! 諦めて!


「「えぇぇーそんなぁー」」


 操作説明は特にしないよ。動かしてた実績あるからね。

 さて。傭兵として君たちに覚えてもらいたいことは一つ。



 コアフィールドを信じて、”攻撃を避けるな”。



 下手に動くより、構えて動かない方が被害は軽減できる。

 機動に関しては慣れが必要だ。それにかまけると攻撃が疎かになる。

 最悪防御するなら攻撃をせずに、立ち止まって、構えて、守れ。



 そして他の味方を頼れ。



 それが初心者としてはベストな行動だ。下手に動くな。

 機動兵器だから最終的には機動して被害を軽減しなきゃいけない。

 だが最初から難しいことは要求しない。防御する事に割り切れ。仲間を信じろ。



 コテツは──なんか別にいいや。



「扱い悪いですね」


 騎士団長相手に平然と機動戦してた奴に言えることは無いよ。

 距離取っててもレールランチャーを回避出来るのは、普通に上級傭兵扱いだよ。



 そもそもね。

 上下方向含めた、”三次元の機動”が出来る傭兵はごく一握りだからな。



 ベテランどももタコ野郎も機動は”横”に限定されてるんだぞ。

 騎士ですら、空中戦が得意なエリシア嬢くらいじゃないか?

【ミサイルパレード】は武装を誘導弾に限定しているおかげで、攻撃力は火器管制システム任せなんだよな。脚に近接武器ついてるが補助的だし。


「そうだったんですか、しまったな。

 カラスさんが出来るもんだから普通に出来るものだと」


 なんか隠すつもりだった?

 悪いが俺の中では最低でもセドリックより上だ。

 だいたい【飲んだくれ傭兵団】と同格の扱いとさせてもらうからな。


「ですね。どうやら厳しい労働が待っていそうです」


 残念、目論見は失敗したな。

 さて。説明に戻るぞ。


 武装が貧弱だとはいえ、ギアは強力な兵器です。

 そもそも四肢が動くなら、ギアは小型スクラップ程度ならば殴りあって勝てます。

 武装流用も出来るしね。最悪無手を想定していたけど、ライフルが余ってて良かったね。


 格闘戦をしろとは言わない。まずは射撃を当てることからだねー。

【グラスホッパー】に1発も当てられなかったからな、君たち。


 だからまずは、ライフル使って塔の周りのスクラップを倒す!

 そこから、使えそうな武装をひっぺがす!

 簡単! 武装増強!



「皮算用ってこういうことを言うんですね」「無計画です」「行き当たりばったりです」


 だまらっしゃい! 分かってんよそんなのは! でもお金が無いの! 仕方がないんですよ!

 狙い目はライフルマン! あいつの砲は確実に使い物になる!




 さあ、略奪の始まりだ!






続くんじゃ。


マジで第1部完、ってして一旦区切りをつけるつもりでした。

ですが、意外と読んで頂けてるのと、低予算貧乏廃棄塔攻略なんて面白い企画思いついちゃったので……


今回以降は本気で気軽なドタバタ節約バトルです。


評価、ブックマーク、そしてたくさんのリアクションありがとうございます。

すごくモチベーションに繋がっています。

よろしければご意見、ご感想気軽によろしくお願いします~

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