マルクスとエンゲルスが夕食を摂る
エンゲルスと最寄りのスタローヴァヤへ行く。ショーケースに並ぶたくさんの料理やパン、ドリンクの中から適当に選んで器に入れてもらい、レジで精算する。一人当たり大銅貨8枚ほどだった。
「フリードリヒ、この世界について情報交換をしよう」
「いいだろう。私は空飛ぶスパゲッティモンスター教神殿の神官長をしている。空飛ぶスパゲッティモンスター教は分散型の宗教で、好き勝手に神様を作って好き勝手に物語を作って好き勝手に団結して好き勝手に宗教規範を作って各々が独立した市民社会を自治している。この市民社会を全て総括して鎌槌教であると定義される。唯一神が居たり居なかったり、アニミズム的信仰が根付いていたり根付いていなかったりする。人民の信仰心は厚かったり薄かったりする。神殿自体が信仰の対象になったり礼拝の方角として参照されることはない」
エンゲルスが説明を続ける。
「空飛ぶスパゲッティモンスター教は、麺料理を食べる時にラーメンと唱えてお祈りをするんだ。あとは湯切りザルを頭から被ったりする人もいるんだけど、まぁどちらも必須ではなくって、やりたい人がやってる感じだ」
私はエンゲルスの話を聞き、話し出した。
「私はギナジウムの講師をしている。ギナジウムは平民向けの教育施設で、読み・書き・算盤を広く一般に教えている。都市から農村まで手広くフランチャイズ展開しており、教育インフラとして機能している。私は高校卒業程度認定試験というアナキスト向けのカリキュラムを担当している」
私は説明を続ける。
「このレラ自治管区は元々レラ族が定住して農業を営んでいた地域で、ブルジョア帝国が20年前に併合した。現在では自治管区扱いとなって貢納と忠誠を帝国に捧げている。ブルジョア帝国からレラ自治管区への内政干渉は少ないとのことだが、ギナジウムはその少ない中の一つで、帝国から強制されているのだと聞いたな」
私は更に続ける。
「人間は皆平等だ。人の王は不要で、上下関係は存在してはならない。まずは帝国と自治管区という関係を壊す。長期的には無階級社会の実現を目指して行動しよう」
エンゲルスはこの話を次のように総括した。
「ではこの世界をもっとよく観察して、我々が何を為すべきかを考えるとしよう」




