ライン新聞ギルド
広告出稿の打診をするために、ライン新聞ギルドへと向かう。
神殿から奨学生を受け入れる場合、神殿派の貴族を刺激することになる。対貴族用の戦略が必要だな。貴族の一声で、私はクラークではなくなってしまうのだから。
ライン新聞ギルドに到着。
憶質ディスプレイを操作して、広告出稿者用の整理券を取る。ロビーに配置された客席に座り、順番を待つ。
「体制批判記事を掲載するライン新聞には、我がギルドの広告を掲載するべきである。ぜひ、長期的に広告枠を購入させてはもらえないだろうか」
「広告にはオルグ枠とリクルート枠があります。どちらを購入しますか?」
「どう違うのだ?」
「オルグ枠は上部構造を変える力があります。国民の政治的・精神的な活動に影響を及ぼします」
受付嬢は続ける。
「リクルート枠は下部構造を変える力があります。国民の生産と交換の様式に影響を及ぼします」
「下部構造が上部構造を規定するのだ。下部構造へと影響を及ぼす広告を購入するに決まっているだろう」
「それでは114514番窓口へとご案内いたします」
114514窓口へとやってきた。
「さて。どのようなリクルート広告を出すのだね?」
受付嬢がマルクスに尋ねる。
「ギナジウムは、包摂および搾取から独立した存在であるクラークを増やさなければならないという使命を持っている。使命を果たすために生徒を募集する広告を出したいと思う。集まった生徒諸君には、クラークへと至るための教育を受けてもらう。貴族院と比較して10%の学費で、貴族院以上の充実した教育体験が受けられると保証しよう。万国の若きプロレタリアよ、クラークを目指せ! できる限り、ギナジウムに集結せよ!」
マルクスが114514窓口の受付嬢へと答弁を振るった。
「広告出稿料は金貨5枚になります」
受付嬢が提示した金額は、今のマルクスに支払える額ではなかった。
「金銭以外で支払いを行おう」
マルクスが交渉する。
「申し訳ございませんが、決済手段はドワーフ発行の通貨のみとなっております」
「そこをなんとか」
「お引き取りください」
マルクスはライン新聞ギルドを追い出された。
さて。どうするか。
マルクスは考える。
メディアに広告を打つためにはドワーフ貨幣が必要だが、マルクスは貨幣の持ち合わせがないのだ。
「クレジットカードの支払いという機危機に対処しなければならないこの状況で、更なる出費をする余裕はない。貨幣を使わない手段で生徒を集めて、授業料を獲得しなければならない」
マルクスは思いついた。
「今こそ、エンゲルスに協力を求める時だろう。金の無心をすることをエンゲルスは嫌うが、それ以外のことであれば、快く手を貸してくれるのだ」




