第二十二話 マルクス、エンゲルスに協力を要請する
「フリードリヒ、貨幣を使わない手段で生徒を集めて、授業料を獲得しなければならないのだが、何かいい手はないだろうか」
マルクスがエンゲルスに尋ねる。
「少ない元手で始められる生産手段に手を出すのがいいのだが、お前の場合はすでにギナジウムがあったな。ならばそれを使うとして......どのように収益化するつもりなのかね?」
「授業料を徴収して収益化を図るつもりだよ」
「ふむ。まぁ今は元手がない状態だからな。追加の投資はできないだろう。今あるものを使うしかあるまい。ならば生徒を集めるしかないだろうな。しかしそれでも生活が立ち行かないだろう......」
「そうなんだよフリードリヒ。どうしようか」
「__プロレタリアムーブをするしかあるまい」
「やはりそうなるか......」
「あぁ。仕方あるまい。私的生産手段を使うよりも圧倒的に効率が悪くなり、搾取されることになるが、ロクに生産ができないのだからやむを得ないだろうよ」
「わかったよフリードリヒ。君の伝手で理不尽な目に遭わない労働を斡旋してくれないだろうか」
「理不尽な目に遭わない労働などこの世に存在しないぞカール。まぁマシな労働を紹介してやろう。五日前に訪れた貴族ハインリヒ・エーレンシュタインが、傭兵を20名ほど募集しているとのことだ。日当は大銀貨一枚。10日間の連続勤務をご所望だ」
「日当大銀貨一枚......それでは労働が再生産できないぞ」
「節約しろと仰せなのだろう。私たちは平民だからな。贅沢は罪だぞ、カール」
「そうだな。私に仕事を選んでいる金銭的余裕は無いし、選べる余裕があったとしても選択可能な求人の中には何一つとしてロクな仕事は無い。今は我慢の時だろう」
「あぁその通りだ。私の賃金も、労働再生産費しか支払われていない。プロレタリアで居続ける限り、どんな仕事をしようとも五十歩百歩だよ。私もお前と共に行動できるように動き始めるとするよ」




