第二十話 ファシズムギルドとアナキズムギルド
イデオロギー装置・暴力装置・生産装置のすべての要素を兼ね備えた装置をパノプティコンと呼ぶ。
この装置は、アナキストを調教して社会に溶け込ませるための総合的な管理システムである。画一的な独房・放射状に伸びる監視廊下・厳格な日課・歩行の制限などを設ける。
アナキストを社会から隔離しつつ、理不尽とも言える規律によって拘束することにより、アナキストが社会に出た時に社会に損害を与えないように調教している。
パノプティコンは、ファシズムギルドが経営している。
ファシズムギルドは人民の監視・矯正・管理をすることで金を稼ぐが、これに抵抗する組織がある。
それがアナキズムギルドである。
アナキズムギルドは、分権的連邦主義を擁護する。中央政府のない自律的に運営される共同体の連動で自治的な協働組合と労働者自治経営で経済を構築し、自発的な連帯で秩序を維持する形態だ。
アナキズムギルドは様々に分派しており、アナルカ・フェミニズム、アナコ・キャピタリズム、キリスト教的アナキズム、アナコ・パシフィズム、グリーン・アナキズム、アナコ・自然主義(菜食主義・自由恋愛・ヌーディズム)、アナコ原始主義などがある。
すべてのアナキストに共通する事がある。それは、人々を楽しませなければならないと言う事だ。アナキストは社会的逸脱者である。夢追い人であるとか、生まれの貴賤が悪いとか、能力が低いとか、運が悪かったとか、そういうデバフを受けていて普通に世渡りをすることができない外れ値を引いた者が、アナキストとして振る舞うのだ。




