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セプター  作者: HIMAORG | ひまおーぐ
四日目
17/31

第十七話 総括部屋

「アグネス、クララ、トラウデの順番で総括部屋行きだ」


アグネスが総括部屋に入る。


「やぁ。我は極北より煌めきし魔人、人間様をこよなく愛する厨二病の毛沢東と申しますニャ。君の自己批判を傾聴するニャ」


マルクスは憶質ショップで魔人のランプと極北シリーズにラインナップされる複数の極北魔人を購入した。極北猫毛沢東はそのうちの一体の魔人だ。


極北猫毛沢東は、アグネスを魔界へと導いた。


「ここは根源の幼女が眠る場所__極北と呼ばれる場所だニャ。万国の労働者の最終到達地点、極北。あらゆる可能性や才能をバランスよく開花させた労働者だけが訪れることを許される場所。我ら魔人は、一人でも多くの労働者を極北へと送り込むために活動しているニャ。__全ては根源の幼女、聖母イェニー・フォン・ヴェストファーレン様を救うために……」


「__アグネス。君の自己批判を聞かせてほしいニャ。我はマンツーマンで君をサポートして極北へと導くニャ」


アグネスが自己批判を始める。


「私は、なぜ能力が低いと苦しい人生を送らされることが正当化されるのかが分からない……」


アグネスは続ける。


「東京のプレカリアートはジリ貧の生活を送っている。プレカリアートとして労働をしていると、もうどうしようもないおっさんによく出会うのだ。頭が悪く、動きも鈍く、当たり前のように独身で救いが無い。私の隣に住んでいるおっさんも、よくVtuberを見ている。まじで終わっている。社会的弱者の解像度が高まるのは良い経験だとは思うが、あまり気持ちの良いものではないよ」


ーーー


クララが総括部屋に入る。


「どうもこんピヨ。根源の幼女・聖母イェニー・フォン・ヴェストファーレン様について小学生にでもわかるように解説する試みだピヨ」


この魔人は、極北鳥ハンナ・アーレント。


極北鳥ハンナ・アーレントに促され、クララが自己批判を始める。


「生活は苦しくなるばかりなのに、強い物言いで分断を煽り続ける人たちの一方的な都合で日常はますますおかしくなって、こんな状況が続けば、待っているのは徹底的な選別と排除で成り立つおぞましい社会であるようにしか思えず、本当に歯止めをかけなければならないと思います」


クララは続ける。


「ブルジョアジーは永遠にブルジョアジー、プレカリアートは永遠にプレカリアートという階層断絶が蓄積して、ブルジョアジーはプレカリアートを話の通じない野蛮人と思い、プレカリアートもブルジョアジーには人の心がないと思ってる状況だから、自分の周囲以外は全員敵と見なして身内の結束を固めるのが生存の最適解という戦国時代の発想になっているんだと思います」


クララはさらに続ける。


「現代社会って実力主義社会ですよってふりしてて、ほとんどがコネ社会なの面白い。 ある種の能力を手に入れるのにコネが必要だったりするものが多く、意外と世界は門戸が開かれてない」


ーーー


トラウデが総括部屋に入る。


「やぁ。我は極北より煌めきし極北熊プーチンだクマ。我は社会情勢について説明するクマ」


この魔人は、極北熊プーチン。


プーチンに促されて、トラウデが自己批判を始める。


「最近、秩序悪いよね。地政学、地経済的課題に向き合おう」


トラウデは続ける。


「唯物史観論をベースにして、地政学を考えると面白いです。つまり地理という物質的環境が国の文化や風習や政治を、そしてそれに所属している人々の精神を規定しているのではということです」


ーーー


アグネス、クララ、トラウデが総括部屋で魔人と仲良くなって出てきた。


マルクスが声をかける。


「君たちは貴族が平民に要求するような社会性を発揮できなくなった。分業に反対・剰余価値を搾取されることに反対するようにオルグされた。よって一般的な雇用契約、貴族に雇用されて働くことが難しくなり、無理して働くと適応障害を患うようになった。君たちはもう普通の労働者には戻れないのだ」


マルクスはマニフェストを唱える。


「私カール・マルクスは、二つの公約をここに宣言する。一つ目は、ブルジョア帝国内にて社会に適応できない労働者をギナジウムへと集め、紅衛兵へとオルグした後にクラークへと進化させ、極北に座す根源の幼女教の聖母マリアの元へと送り届けること。二つ目は、ブルジョア帝国の政権を打倒し、プロレタリア独裁を樹立することだ」


「私とフリードリヒ、アグネス、クララ、トラウデは第一インターナショナルの党員となる。そして、魔人の極北猫毛沢東、極北鳥ハンナ・アーレント、極北熊プーチンは第二インターナショナルの党員として行動することとなる」

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