第十三話 マルクス憶質ショップに行く
「万国の労働者よ、起床せよ!」
翌日。私は憶質ショップに開店と同時に入店し、商品を買い漁った。
収支は赤字に大きく振れてしまい、このままだと破産待ったなしだ。しかし多少のリスクは背負わなければ、剰余価値をブルジョアジーに搾取され続けている現状を打開しプロレタリア階級から脱却することは永遠に叶わないだろう。
私は一度1R4畳ロフト付きへと帰宅し、赤色テロルを計画する。さてどうするか。
ツァーリズム政権を打倒してプロレタリア独裁を樹立する。その後発生する様々な問題に対応するのが、一番骨が折れる段階だろう。時間も掛かり、人手も資金も生産能力も必要だ。
現段階の仮説では、国際主義を掲げながら天下統一を成し遂げ、グローバル・ナショナリズムつまり統一国家を成立させる。基軸通貨はサトシ・ナカモトコインへと変更し、通貨発行権をセプターの演算装置キュレネへと譲渡することで人間の埒外へと追いやる。建国した統一国家を解体し、キャレネが権力と資本の集中を監視することで二度と国家が擁立されないようにする。
これは楽しい生産活動を人間の手に取り戻すために必要な措置である。これら全てを達成すると、生産者が楽しく生産活動に従事できる無階級社会が実現される。
赤色テロル第一段階、加入戦術。
フリードリヒに相談して、孤児の教育をギナジウムで請け負う。そして教育が終わった孤児を神殿に納品する。神殿は、独自のルートや人材オークションで売却することによって、カネ→モノ→カネの流れを作り出すんだ。これは資本を使って資本を増やすブルジョアの円環と言う。ブルジョアの円環は、資本の拡大を追求する。歯止めが効かず、終わりの見えない資本の拡大は、人間の幸福には不必要なものなので、私が責任を持って事業をあるべき形へと導こう。
教育を終えた孤児を対象勢力へと売却することで、赤色テロル第一段階加入戦術はクリアだ。これにより、ギナジウムは神殿孤児を赤色オルグして手駒にすることができる。そうだ、彼ら彼女らのことを紅衛兵と呼ぶことにしよう。
神殿の力を削ぎ、ギナジウムへとリソースを移動させることで、神殿の剰余価値と生産能力を神殿貴族から私に移動させ、私からプロレタリアへとトリクルダウンするのだ。




