没
岐阜県山奥......ばにたす教団本部にて。
「分業疎外が進行中であり......我々はどう生きるかを宣言しなければならない」
赤色ばにたすの調度品に彩られた会議室では、207歳になったカール・マルクスがアカレトの書第一章・第一節を引用する。
”なんともないフリしてる......笑顔でやり過ごしている......そうやって手にした自分はどんな色をしてるの”
「同志チトーよ、私見を述べよ」
「社会不適合者の怨嗟の声かと思われるであります。社会における交換価値を高めるのに耽溺するあまりに自身にとっての使用価値が減衰した例かと」
「同志アーレント」
「レイバーに寡占された人生へのニヒリズムを詩的に表しているのではないかと思われるであります」
「同志スネジネフスキー」
「パノプティコンにエラーサピエンスと検知されないよう自己家畜化した個体の内面描写かと思われるであります」
チトー、アーレント、スネジネフスキーが各々のバックグラウンドを背負って私見を述べた。
「分業疎外はプレカリアートからプロレタリアートまでのスペクトラム上に広く横たわる新自由資本主義の難題だ。さてもう一つ引用しよう」
”自分の味方は自分でありたい......一番大切にしてあげたい......理不尽な我慢はさせたくない......それが私”
「同志チトー」
「まさにクラークであります。万国の労働者がこのようになれば、新自由資本主義の暗黒面は浄化されるでしょう」
「同志アーレント」
「」




