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心がほどける時間 ~恋と絆のスイーツストーリー~  作者: ゆう
あゆみちゃん元気づけ大作戦
11/17

作戦1:お手紙大作戦

「お手紙作戦、はじめるよ!」

 ぼくはリビングのテーブルに広げた画用紙を見ながら言った。

 りおは「えいえいおー!」と元気よく答えるけど、クレヨンを握りしめた手がすでに青い線をぐるぐる描いている。


「りお、まだ書き始めないで!作戦会議が先だってば!」

「だって、お空描きたかったんだもん!」


 ――このままじゃ、作戦失敗するかもしれない。

 ぼくはお兄ちゃんとして、しっかりしないといけない!


「いい?あゆみちゃんを元気にするには、ちゃんと心がこもった手紙が必要なんだ!」

「うん!わかった!」


「じゃあまず、あゆみちゃんの好きなものを書こう!」

 ぼくはクレヨンを握りしめながら言った。


「えっと……甘いお菓子!」

「うん、それいいね!他には?」


「パパ!」


 ――たしかに!でも、それはなんだか直接すぎる気がする。

 ぼくは少し考えてから提案した。

「じゃあ、『あゆみちゃんが元気でいられる魔法の言葉』を書こう!」


 りおは大きく頷いたあと、「あゆみちゃんだいすき!」と元気よく言った。

「それ、それ!じゃあ書いてみよう!」


 ぼくたちは真剣に画用紙に向かってクレヨンを走らせた。

「おそらの青い色もいるでしょ?」

「ハートも必要だよね!」

「あと、にこにこ顔も!」


 ――こうして完成した手紙は、色とりどりの線と絵でいっぱいだった。

 でも、どんなにぐちゃぐちゃでも、ぼくらには完璧に見えた。


「よし、これをあゆみちゃんに渡そう!」

 ぼくは紙を持って立ち上がった。

 その時、りおが「お花もいる!」と言って庭に飛び出して行った。


 数分後、りおは小さな白い花を両手に握りしめて戻ってきた。

「これ、渡すの!」


 ――いいじゃん、それ!ぼくは思わず笑った。

「じゃあ、行こうか!」


 リビングで課題をしていたあゆみちゃんに、ぼくらはそろって向かった。

「ねぇ、あゆみちゃん!」

「ん?」と顔を上げたあゆみちゃんは、少し疲れた顔をしている。


 ぼくはその顔を見ると、余計に気合が入った。


「これ、あゆみちゃんに!」

 ぼくたちは、画用紙とお花を差し出した。


「……これ、なぁに?」

 あゆみちゃんは少し驚いた顔をしている。


「お手紙だよ!あゆみちゃんが元気になるお手紙!」

 りおがにこにこしながら答えた。


 画用紙を見たあゆみちゃんは、一瞬びっくりしたような顔をして、それからゆっくりと笑った。


「これ……私に?」


「うん!」

「だって、あゆみちゃんがいつもがんばってるから!」


 その言葉に、あゆみちゃんの目がじわっと潤んだ。


「ありがとう……本当にありがとう。れんくん、りおちゃん。」


 そう言いながら、ぼくたちをぎゅっと抱きしめてくれた。

 ふわっといい匂いがして、ぼくもりおも「えへへ」と笑った。


「すごく嬉しいよ。こんなに素敵な手紙、もらったの初めて。」


 その言葉に、ぼくの胸はポカポカと温かくなった。

 やった!作戦大成功だ!


 ――でも、りおがぼそっと言った一言で、全員が大笑いすることになる。


「おそら、もっと大きく描けばよかったかな?」


 こうして、ぼくたちの「お手紙大作戦」は大成功だった。

 でも、ぼくたちはまだ知らない。これが、次の大きな計画の始まりになるなんて――。

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