大海賊 ツノマル キャプテン ギメロッシュ・パッチ
とある町で、ファイとディオンは、モンスターバトル大会で、金稼ぎ。
「すごいよ。ファイ。ディオン。ワンツーフィニッシュだよ。」
「当然だ。俺たちに勝てる奴なんていない。普通の奴らなら、特にな。」
「モンスターバトルでの金稼ぎでは、俺たち二人か片方一人かが出て、取り分を分けてるんだ。賞金が貰える順位以内になるようにしてるんだ。二人で出ると、賞金も、二人分貰えて、取り分も増えるってわけ。」
「ガーディアン」は、秘密の存在。普通の奴らには、「ガーディアン」の力を感じられないので、すごい奴らとしか思われない。
「ガイア石」は、海の向こうを示している。
「波の音がする。」
「海は、近くだな。」
「塩の香りだ。間違いない。」
港に着いた。
「グレイシャ山は、この海の向こうの大陸にある山だ。「この海の向こうの大陸に行け」って言ってるんだ。」
「ファイ。お前、船まで持ってたりしないよな?」
「ああ。持ってるよ。ライセンスもね。でも、輸送しなきゃならないんだ。この港で、乗せてもらえる船を探して、乗せてもらおうか。」
「おい、お前たち。モンスターバトル大会で、ワンツーフィニッシュした奴らだよな。ちょっと、困ってることがあるんだ。相談にのってくれないか?」
「なるほど。この海に、ワルモンが出るようになったんですね。俺、相棒と探偵退治屋をしているんです。その依頼を受けましょう。10万ゴールドの報酬を頂きますが、よろしいですね?」
「ワルモンがいなくなってくれれば、安いもんだ。いくらでも出してやるよ。」
「10万ゴールド支払ってくれるなら、それ以上は、いりませんよ。」
「ファイ、ディオン。君たち、探偵退治屋だったの。」
「俺は、ハンター。ファイは、トレジャーハンター。探偵退治屋は、仕事だ。俺たちが、退治屋をやっているのは、ホントだが、探偵は、あいつの演技だ。こいつ、演技が得意で、演技で金稼ぎしてるんだ。」
「俺たち、海の向こうの大陸に行きたいんですが、船に乗せてくれますか?」
「それは、悪いが、できねえ。ワルモンが出るようになってから、漁にも出られないんだ。」
「そうですか。」
「だってさ。みんな。船は、残念だけど、乗せてもらえそうもないね。」
「お前たち、船を探してるんだってな。乗せてやって良いぜ。」
声を掛けて来たのは、海賊帽と赤いスカーフをしたツノマルだった。
「貴方は、大海賊のキャプテン ギロメッシュ・パッチ。」
「ギロメッシュは、世界の海を航海している大海賊だ。」
「そこのスエゾー、俺と賭けをしようか。賭けに勝ったら、乗り賃はタダにしてやる。」
バー
「何で賭ける?」
「トランプだ。」
「ポーカー?」
「ババ抜きだ。」
「トランプは、私が。」
ファイは、トランプを素早く切って、ギョロメとギロメッシュに手札を切り分ける。マジシャン・ディーラーのようだ。
「ファイは、マジシャン・ディーラーにもなれるんだね。」
「ああ。あれも、演技だ。あいつになれないものはないんだ。」
ファイは、ギョロメに囁いた。
「ギョロメ。ギロメッシュは、お前の目に写った手札を見て、ババ抜きをするつもりだ。お前を相手にして、ババ抜きにしたのは、これの手が使えるからだ。」
「なるほどな。」
「さあ、始めようか。」
「待て。お前、セコい手を使おうとしているな。」
「くっ。なぜ、わかった?」
「こいつが教えてくれたんだよ。条件がある。目を瞑って、闘ってもらおうか。俺も目を瞑って、闘ってやるよ。」
「良いだろう。」
「手札が、5枚以下になったら、目は瞑らなくても良いですが、手札を伏せて、闘ってください。」
ババ抜きは、ギョロメのストレート勝ちで終わった。
「この俺が、ババ抜きで、ストレート負けだと。」
セコい手を使ったけど、そっちだって、ズルしたんだから、フェアだよな。
ネタバレしてしまうと、ギョロメは、「テレパシー」の他に、「バリア」を張っていた。ギロメッシュは、「ガーディアン」ではないので、「テレパシー」と「バリア」を見破れないのだ。
「賭けは、俺の勝ちだな。お前の船に、俺たちをタダで、乗せてくれるんだよな。」
「ああ。そのことは、本当だ。」
「乗せてもらう礼に、俺たちが、護衛しますよ。この海には、ワルモンがいるらしいですから。」
「護衛するなら、良い奴らを知ってるぜ。この海に来てるはずだ。」
ガオー!
ディオンは、海に吠える。
「呼んだか。ディオン。ファイ。」
アローヘッド族団が現れた。
額に白い星がついた黒いアローヘッドは、スイセイ。本当の名前は、テラ・メテオ・スペーシア。
ディオン、ファイ、クリムゾン(ハヤブサ)の友の情報屋。
「テラ。お前か。」
「お前たち、知り合いだったか。」
「ああ。俺は、情報屋だ。こいつらのことも、ワルモンのことも知ってるよ。」
「頼みがあるんだ。こいつの海賊船を護衛してくれるか。」
「友のお前たちの頼みだ。お安いご用だ。」
「出港だ。」
「「へーい!」」
船員のイワゾーたちが、帆と錨を上げて、声をあげて、ファンたちを乗せた海賊船は、出港した。
「そうか。お前たちは、旅をしてるのか。良いよな。旅は。」
「この海に現れたワルモンは、ボスのグジコーン アクアウェーブと手下のグジラたちだな。ディアブロにワルモン化の呪縛と洗脳を掛けられて、紋章が付けられている。」
「アクアウェーブとは、友なんだ。俺からも頼む。アクアウェーブのディアブロの呪縛と洗脳を解いてくれ。」
ザバー!
どでかいグジコーン アクアウェーブと手下のグジラが現れた。
「お前たちか。ディアブロ様に逆らう愚か者どもは。殺せと命じられている。」
「ギズ!」
「「フェニックス・フレア」!」
ギズは、幻影のフェニックスが出現させて、飛ばす。光の火の粉がウェーブとグジラたちに降り注ぐ。ウェーブとグジラたちのディアブロの紋章は消えて、洗脳が解かれた。
「ギロメッシュ。」
「覚えてないのか。お前は、ディアブロにワルモン化されてたんだよ。」
「そうか。黒い雷が天から降ってきて、ディアブロにワルモン化されたんだ。お前たち、ありがとな。」
クレバスウェーブとグジラたちは、潮を吹いて、礼を言って、海の彼方へ泳いで行った。
「ギロメッシュ。ありがとな。乗せてくれて。」
「お前たちは、友だ。また、会おう。」
ギロメッシュは、船員のイワゾーたちと共に海賊船で去って行った。
「テラ。お前もありがとな。」