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9、新居


「うわぁきれー!しかも日が差し込んで暖かい!最高です!」


「うふふふふ。美桜さんは日当たりを重要視するって聞いて結構頑張りました。」


何故それを知っているんだよ。

10階建ての10階でとても景色が良く何より日当たりがいい!玄関扉を開けると広い玄関で白を基調としていて壁や装飾、扉等が白で纏められている。

玄関の横にクロークがあってたくさん靴を入れられるしアウターもかけられるようになっている。お洒落!

廊下には3つの扉、1番手前は右手にある扉で中はトイレになっている。

2つめは左手にある扉で中は脱衣場で洗濯機やドライヤー、コテ等の家電からハンドソープや歯ブラシ、歯磨き粉等の日用品まで何故か私が使っていた物と全く同じ物が揃っている。浴室にもシャンプーやボディソープ等、家にあったものと同じ物だ。もやしは家に入った事がないはずなのに置く順番まで正確で怖い。

3つめは玄関から真っ直ぐ前にある扉で中はリビングダイニングだった。その部屋はとても日当たりがよく窓も大きい部屋でテレビやビデオデッキ等が置いてある。キッチンにも一通り全て揃っているようだ。後はリビングダイニングの左手側に2つ扉がある1つは寝室でキングサイズのベッドが置いてあった。もう1つの部屋は服がズラーっとたくさん置いてあった。全て私が好きそうな。

怖いここで幾らかかっているのか、それにやっぱりこの人はストーカーなんだと二重で恐怖を感じた、がこの際どうでもいい気がしてきた。自分の服なんて1年以上は買えていない。父さんは居なくなる前からお小遣いを要求してきたしそれを毎日渡していると服や娯楽的な物までは到底無理な話だった。


「美桜さんどうしたんですか?気に入らない?」


「いいえ全て好きです。」


「良かった!ここの物は全て美桜さんの物だからね。」


「ありがとうございます。篤輝さんのおかげで私は安全に過ごせます!」


「美桜さん!」


もやしがキラキラとした瞳で言う。何となくもやしの喜ばせ方が分かってきたぞ。


「お礼と言ってはなんですがこれをどうぞ。」


と作っておいたクッキーを差し出す。


「これを…僕に…嬉しい。」


「少しでもお礼がしたくて…でも私お金がないから…これくらいしか。」


「充分嬉しいです。」


努めてしおらしく言う。もやしは目をうるうるとさせて受け取る。


「僕、食べられないです。初めての美桜さんからのサプライズプレゼント…。嬉し過ぎて…。保存したい…。」


「篤輝さん何度でも作りますから食べてください。リクエストしていただけたら何でも作りますよ!」


せめてそれぐらいはしないと、とも思うし。


「ええ!じゃあ今日一緒に夜ご飯食べたいです!」


「いいですよ。何が良いですか?」


「えっと……。」


でたまた考え始めたな。でも今度は時給なんて発生していないしゆっくり紅茶をいれながら待つ事にした。




「貴方契約と違うじゃないですか。」


「んーだってぇ。怪我したのは本当だしぃ。」


「あの家に行く必要はなかったでしょ。」


「そうなんだけどなんかなぁって…。」


「……今更戻れませんよ。」


「はぁい分かってますぅ。」


でもぉあっくんとしては助けてやりたいなぁって柄にもなく思っちゃったんだよ。

どうして俺に頼んだんだよあの社長。


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