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1、誰?


「オイ!居るのは分かってるんだぞ!金返せ!」


また来た。あのバカ親父はもうここには居ないのに。どうしようボロアパートの扉が破られる!


「出てこいオラ!借りたら返す常識だろうが!」


居留守をつかおう!私は壁、私は壁、私は壁。


バタンと扉の開く音がした。終わった……。


「やっぱり居たか!姉ちゃんあんまり舐めてると痛い目にあわせるぞ!」


借金取りはいつもの2人、1人は金髪でスカジャンの若い男のさっきから怒鳴っている奴でもう1人は後ろでニコニコと笑っている黒髪スーツのリーマン風の男だ。


「はぁいこんにちはぁ。廣田美桜、26歳、女性。廣田小鉄の一人娘だよねさぁお金返してねぇ。」


「私は関係ありません!あのバカ親父はもう何年も帰ってきてません。」


「でも見てぇココ。君の名前でしょ。」


リーマン風の男が私に書類を見せる。


廣田美桜


「何故?私こんなの知りません!」


「酷い父親だぁ。勝手に名前と住所を使ったんだねぇ。」


「はあっ?あんのバカ親父が!」


「ねっていう事だから金返せよ。」


怖い。リーマン風の男は急に笑顔が消えて静かに言う。


「そもそもあなた達が会社に乗り込んでくるせいでクビになったんですが。」


「あはは残念だねぇ。じゃあうちで働く?可愛いし胸大きいし稼げるよ。」


リーマン風の男に笑顔が戻り、金髪がにやりと笑う。最初からこうするつもりで会社に来たのか……。


「とにかくもう少し待っていただけませんか?お願いします。」


私は深く頭を下げた。リーマン風の男が頭の上でふっと笑う。


「いいよぉ3日ね。行くぞ。」


「はい。次はねえぞ!」


またバタンと扉が開いて出て行った。はあもうどうしよう。私は6畳の部屋を歩き回る。


「夜逃げか!?夜逃げするしかないか!」


と現実逃避を虚しく行い夕方になったのでスーパーに値引きされた弁当を買いに行こうと着替えて玄関を開けるとまた男が2人立っていた。


「こ…こんにちは。ひょわぁジーンズ姿も美しい、ピッタリとボディラインが分かる服を僕の為に着てくれるなんて…そうだね入籍しよう。」


声ちっさ。で何?誰?ひょろ長く色が白く猫背で髪の毛がもじゃもじゃで前髪で目は見えず眼鏡をかけているのがかろうじて分かる明らかに引きこもりっぽい青年。私にこんな知り合いが居ただろうか?後ろの男は執事のような燕尾服を着て黒い手袋をしている。何故黒?じゃなくて日本人じゃない欧米人っぽい薄い茶色の髪に緑の瞳。いやセットで誰?

まじまじと2人を見ているとまた早口に小さな声で彼が話し始めた。


「いい匂い初めて近くに来たからふふっ。僕が貴方の瞳に映る日が来るなんて今日は記念日だね。ふふっ。僕はずっと貴方を瞳に閉じ込めていたけどね。」


えっ?思考が止まる。


「坊っちゃま何故ここに来たかご説明ください。」


喋ったぁー!


「あっああそうだね。ごめんね美桜さん。」


「えっな、なん、えなんですか?」


「今から坊ちゃんが説明するから黙ってろ。」


怖っ。


「こらダメだよ美桜さんをいじめたら。あのね美桜さん僕の元で働かない?」


青年がプンプンと人指し指を執事に出してめってしている。執事が軽く頭を下げて謝る。


「働く?」


「うん、そう。僕の言う事を聞いてくれればそれに見合ったお金を渡すよ。その……お金に困ってるんでしょ?」


何故それを知ってるのか?てかなんだ言う事を聞くって。怖っ。だがお金は必要だ。……少し……チラッとだけ何をするか聞いてみよう。


「あの例えば何をすれば良いんですか?」


「そうだなぁ最初は写真を撮らせて欲しいかな!1枚1万円で!」


「やります!」


私はすぐに返事をした。



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