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「お兄ちゃん、連れてって」
「はあ?」
茜の目が怖い。結局いやとは言えず行く事にした。どこかって決まっているだろう、僕たちの家だ。そのきっかけになったのは、茜にアルバムとぬいぐるみを渡したのが原因だ。
喜んでもらえると思って渡したのに、顔が赤くなるは青くなるはで、結果的には、有無を言わせない連れてってだ。
僕は肩を落としザネインに頼み込む。
ザネインはというと、もともと行きたいと思っていたから、
「しょうがないな」
と、いつもの胸無し強調ポーズをとる。
何度見ても我が家が土塊となっているのを見ると悲しいものだ。茜も目の当たりにして、ショックを隠しきれないようだ。
僕はザネインに目で合図を送り、始める。今回は前回の教訓を活かし、僕の魔力をザネインに渡しながら始めた。
逆回しの早送りで、家がだんだん形になっていくと、茜も凄い凄いと連発して元気になる。
家が元に戻ると、茜が一番で入っていった。すぐに階段を上がった音が聞こえ、自分の部屋に向かったことが想像出来る。僕も続き、自分の部屋に向かう。奥の茜の部屋のドアが開いている。それを確認してから僕の部屋のドアを開ける。
さて今日は衣類だな。以前来た時は本当に必要最小限しか持たなかった。今度はできるだけ持とうと思っている。ザネインはアイテムボックス持っているしな。
僕の方はあらかた片付いたので茜の方へ行って見る。
茜はバックと格闘していたので、アイテムボックスのことを教える。
「早く教えなさいよ」と、少し怒ったが、衣類をケースごと出して渡してきた。それをザネインにお願いして、どんどんアイテムボックスに収納する。そうして、茜の部屋は空っぽになるまで持ち出した。
僕はザネインにどうだと尋ねたらまだまだ余裕があるとの返答が帰ってきたので、両親(春和)の持ち物も持って行く事にした。
家に帰って早速持って来たものを取り出して並べる。うむ、ガランとした空間が部屋らしくなって見た目がいい。
僕の方は片付いたので茜の方へ行って様子をうかがう。部屋の入り口が引越しセンターが置いた荷物状態になっていて、手伝った方がいいかなと茜の方を見ると、手伝わない方がよそそうだ、そう思えるほど幸せな笑顔をしていた。それで一階のお母さんの所へ。
お母さんは一つ一つ物を見ながら懐かしんだり喜んだり、しまいには涙まで流していた。
僕は部屋の入り口でその様子を見ていたのだが、いつのまにか背後に立っていたお父さんが、「カズキもいいとこあるじゃないか」と、耳元で囁き、背中を優しくポンポンと叩いてから、母さんの所へ近づいていった。
僕は用無しだな。そう思ってリビングの方へ行く。
チスイちゃんは相変わらずで、日本のアニメにどハマり中だ。
ヒトリはと探すと、奥の台所で何やら料理を作っているようだ。
ザネインもそこにいてコーヒーを飲みながらクッキーを食べていた。僕はそこに近づいて、「ザネイン。ありがとうな」と、僕が頭を下げると、「クッキー美味しいからいいのだ」と、幸せそうに食べる。
ヒトリは僕の分までコーヒーを出してくれたので、スツールに座り。コーヒーを飲んだ。




