間章 1
間章 1
「君のレポート読ませてもらったよ。実に興味深いこと書かれていたけど、あれは本当かね」
「本当でございます」
「うむ」
男はディスクに両肘をつき、両手を額に当て考えにふけった。
ようやく額から両手を離し、視線をこちらに向けた時は10数分経過経していた。
「大気圏をでて宇宙まで生身でくる人間がいるとはな、考えられないが、君が見たと言うなら信用しよう。それと、君たちが攻撃したから、相手は攻撃して来たように書かれているがこれは事実だな」
「はい、私たちが先に攻撃しました」
「そうか、それなら相手は初めから攻撃する意図はなかったかもしれないってことだな」
「そうとっても構いませんかと」
「よし、それじゃこうしよう。引き続き調査続行。ただし敵対行為は相手がしないうちは絶対にしないこと。コンタクトが取れるようなら君の判断で構わんよ。くれぐれも敵対行動には慎重にな」
「はい、分かりました」
「時に話が変わるが、今、アメリカ大陸にコロニーの建設計画が行われているのは知っているな」
「はい」
「いよいよ第一陣が出発することが決まった。ゆくゆくは100万人の移住計画となる。この計画には我々人類の存亡がかかっていると言っても過言じゃ無い。今は現住人とのトラブルは避けたい。その事も注意してやってくれないか」
「はい、分かりました。こちらも注意しておきましょう」
艦長は一礼して部屋を出て行った。
部屋を出ると外で控えていた部下に事の顛末を簡単に話して、船が修理次第出航することを伝え、準備するように言い伝えた。
艦長は短い休日を利用して、家族に会いに行こうと思い、そっと手帳を取り出し、家族の写っている写真を見た。そこには金色の髪をポニーテールにした妻と2歳になる金髪のおかっぱ頭の娘が笑っている姿が写っていた。
もう5歳になっているはずだ。背丈はどれだけ伸びただろうか、そして俺のことを覚えているだろうか。早く会って顔を見たい。はやる気持ちを抑えながらも、この子が大人になっても安心でいる世界を、必ず俺たち大人が作ってやらなければと強く思うのであった。




