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僕が魔人様?  作者: ぽぷねこ
25/46

4-4

 ♢♢♢4-4

 僕が目覚めると、目の前に、月明かりに照らされたヒトリの唇があった。薄く開かれた無防備な唇。カズキは美しいと思った。欲しいと思った。そして、そっと顔を寄せ唇に唇を合わせた。

 僕が唇を離すと、ヒトリの目がパッと開き、僕が驚いていると、今度はヒトリが僕の方へ顔を近づいて唇を合わせた。それがきっかけとなり、僕はヒトリを1人の女性として求めた。手がヒトリの胸へと伸び、触れる。柔らかく弾力があり、今度は直に触りたいと思った。

 2人が裸になり、抱き合い、キスをする。もっともっとヒトリが欲しい。僕の欲望は止まらず、「ヒトリが好きだ、大好きだ。僕は君とずうっと一緒にいたい」そう囁き、気分が高まっていく。

 そんな初めて同士の2人を、お月様は優しい光で包み込んで、見守っていた……。


 外が騒がしい。目を開けると椅子に座っているヒトリと目が合ってしまった。

「やっと起きた」

 ヒトリは嬉しそうな顔で僕を見るが、僕は夜のことを思うとなんだか恥ずかしい。慌てて上半身を起こすと裸であることに気づく。

「着替えたら出てきてね」

 ヒトリはそう言って外へ出ようとする。

「大切にするから。一生大切にするから……」

 僕を選んでくれたヒトリ。もう二度と泣かせはしないとその時そう思った。

 ヒトリはニッコリと笑い、

「はい、大切にされます」と言って、テントを出て行った。


 服を着て外へ出る。

 みんなが食事の準備をしていた。

 僕を見つけたセラスが飛んで来た。

「やっと、主役の登場か」

 嬉しそうに僕の背中を叩く。ちょっと痛い。

「夜はどうだった」

 セラスがいやらしい顔して聞いてくる。僕は狼狽えていると、

「後でいいことを教えてやろう」

 意味深なことを言って、「野郎ども、宴だ」と叫ぶ。


 僕がテーブルに近づくと周りから、若、若、と声をかけてくる。僕のことを言っているんだろうなと思いながら、ヒトリの隣に座る。

 セラスが立ち上がり、

「今日は目出度い日だ。私の娘が大人になった。みんな祝ってくれ」

 おーとみんなが叫び、あちこちで乾杯する。

 僕も匂いに刺激され、そういえばいつ食事したっけ、そう考えていると余計に腹が減ってきた。野菜、果物、魚に肉、バランスの良い食事で、味も僕好みだ。

 食事中みんな僕のところへ挨拶に来た。おめでとうの挨拶の後、初めてはどうだったかとか、うまくいったか、とか変なことを聞く人が多かったが、あれは何だったのだろうか。

 それはそうと食事はここ最近では一番の満足な食事だった。


 腹が膨れ満足していると、セラスは僕とヒトリを呼び、付いてくるように言った。

「夜はうまくいったようだな」

 セラスがみんなと同じようなことを聞き、ニヤリと笑う。

 ヒトリはボフっと音がしそうなほど顔が赤くなる。それで鈍感な俺でも気がつく。

「な、何で」

「鬼族はそうゆうこと、分かるんだよ。それでだ、君たちにいいこと教えてやろう」

 セラスが得意げに言って、シーナさんを呼ぶ。

「シーナ、頼む」

 すると、セラスの様子が変わる。

「これが鬼族に伝わる能力。以心伝心だ。夫婦が心を通じて、相手の見たものや感じたものを共有出来るんだ。それだけじゃなく、腕力といった全ての能力の向上も出来る。凄いだろう。あん時、この能力を使ったんだ」

 それであの時、異常なステータス値の上昇したわけか。

「これを君たちに教えよう。シーナ頼む」

 シーナがヒトリに何か色々喋っている。ヒトリがコクリコクリと頷き、準備ができたようだ。

 ヒトリが僕の方を見たと思ったら、体の中から溢れてくる力を感じた。これは凄いと自分の持っている力を合わせて解放すると、大地が震え、大気が乱舞した。慌ててセラスが、「それ以上はやめろ」と、注意する。

 僕は力の放出を止め周りを見ると、恐怖に染まった顔があちこちにあった。

「いやはや、お前は化け物だな。それとも俺の娘との相性が抜群なのかもしれないな」

 そう言って、僕の肩をポンと叩いた。


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