第4章 鬼族の以心伝心とチスイちゃん
第4章 鬼族の以心伝心とチスイちゃん
最近ちょくちょくスフレさんが魔王城へ遊びに来る。その時はいつもスイーツを持って来るので、チチさんやヒトリには評判がいい。
そういえばヒトリは最近よく喋るようになった。まだ短い単語だけど、自分の主張をよく言うようになった。例えば、眠いとか、寒いとか、お腹が空いたとか、それでも喋るようになったのはいい傾向だと思う。だから、僕はチチさんやスフレさんが来て女子会をするのを、父親になったような気分で微笑ましく見守っている。
そんないつもの女子会の時、スフレさんがヒトリに何気ないように、まるで日常会話のように爆弾発言をした。
「そうそう、ヒトリちゃん。あのね、今、この地に鬼族達が来ているそうよ」
一瞬、何言っているんだろうって感じで、考えが追いつかずぽかんとしていたが、「えーーー!!」チチさん、ヒトリちゃん、僕までも叫んでしまった。
予想外の反応だったのか、スフレはびっくりした顔をしてキョロキョロする。
「スフレ、今言った事本当か」
「ああ、昨日西から来た行商人が話していた」
そこで早速、僕とヒトリは準備してフレール王国へ向かうことにした。
幸い情報を提供した行商人はまだこの地に留まっていて、スフレがすぐに連れてきてくれた。
行商人はマルレ・モーケと名乗り、知っている情報を親切に教えてくれた。
「私がフラサス国を訪れた時、友人の行商人から聞いた話ですが、イギラスより鬼族が来て、人探しをしていると聞きました」
モーケさんの話によると、多分ヒトリを探しいるのだと想像がつく。それならば、こちらから出向いた方が手っ取り早いだろう。
「モーケさん。どこへ行けば鬼族と会えますかわかりますか」
「私も聞いた話ですが、鬼族は古代遺跡のストーンヘッジを使って、こちらの世界へ転移して来るそうです。そこはイギラスという国にあるそうなので、そちらへ行かれましたら会えると思いますけど」
僕の想像ならその地は分かる。問題はどうやって行くかだが……、ハッとして、モーケさんに視線を向け、
「モーケさんはこちらへどうやって来られたのですか」
「ああ、それでしたら転移魔法を使って来たのです。行商人達がよく使う転移陣が近くにありますからね」
それを聞いて僕とヒトリは転移することにした。後のことはスフレにお願いした。
僕たちが訪れたのはフレール王国の西にある小さな村で、その中央には岩が林立している箇所がある。まるでストーンヘッジそのものではないかと見ていると、1人の魔法使いが、
「中央にお進み下さい」と、言い、僕たちはそれに従う。
中央に立っていると、石で敷き詰めたれた地面が光魔法陣が描かれた。そして、僕たちは光に飲まれ転移した。
転移先は全く同じ作りの場所で、一瞬だが何も起き無かったと思った。ただそこに居る人達が違っていたので、転移したのだと気づいた。
そこはフラサスで、ここからは飛翔でイギラスに渡ることにした。




