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三回戦の初戦は僕だ。
ザネインとサエ(少女の名前)ちゃんは外で応援すると言ってついてきた。
僕が勝ってザネイン達のところに行くと、2人ともVサイン出して喜んでいた。サエちゃんは銀貨が金貨になったことで目がキラキラしている。
四回戦も勝ち、今日は終了。残りの試合は明日。
サエちゃんのところで乾杯して、それから買い物して帰ることにした。
ザネインは魔導ショップを見つけては入って、手当たり次第大人買いしている。こんなに沢山どうやって持って帰るんだと聞くと、
「私にはね、アイテムボックスっていうスキルあるんですよ。それはね、4次元ポケットみたいなもので、沢山のアイテムを出し入れ出来るんですよ。どう、凄いでしょう」
ザネインは癖なのだろうか、どうだとばかりに胸を張る。しかし彼女の胸は一ミクロンほどの膨らみも無く、残念だった。
ザネインはテンションが上がっているのだろうか、小高い丘を登り、僕に速くと手を振る。
僕が近ずくと、また視線を感じた。僕は足を止め、何処だろうと視線の方向を探る。その時草むらが揺れ、数人が剣を構え出てきた。皆ニタニタして、こちらを見ている。そのリーダー格だろう人物が、
「そこのお嬢さん。今日はえらい儲けたようだな。俺たちにも、分けてくれねえか」
こいつら盗賊か。ザネインが、がっぽり儲けていたのを見ていたのだろう。まあ、定番の展開だな。それで拒否すると、やっちまえ、と言って、戦闘モード突入か。阿呆らしい。こいつら僕のこと知らないんだろうか。そう考えていると、ザネインが、
「あんたら物乞いか。恵んで欲しかったら土下座して言ってみな、恵んでくださいと。そうしたら、銀貨1枚くらい恵んでやってもいいぞ。おーほほ」
ザネインは変なスイッチが入ったようで、僕はドン引きしていまった。
当然、盗賊達はいきりたち、
「お嬢ちゃん。ちと口の利き方を教える必要がありそうだな。野郎ども、やっちまえ」
定番の展開に なってしまった。これってフラクだよな。すると……、ザネインから魔法詠唱が聞こえる。
「…………………………………よ、弾けろ。ファイヤーバースト」
炎が弾け盗賊達はみな、スッポンポンになり、消し炭状態のようになる。一瞬盗賊達は何が起きたかわからなかったようだが、理解が追いついたと同時に、一斉に走り、逃げ去った。
「どうだ、おもいしったか」
ザネインは右手を握り拳にしてガッツポーズをとる。
僕も裸で逃げて行く盗賊を見て笑った。流石に天才と言われることはあるなと感心していると、視線がまだ消えてないことに気ずく。どこだ、どこだ、周囲に意識を向けるがわからない。やっぱり気のせいだろうか。
僕が周りを見ていることに気がついたザネインが、
「もっと高いところからだと一望出来るのにね」
と、にこりと笑う。なるほど、そうだよな。もっと高いところへ行けば地図を作るのも簡単だろう。よし、とばかり、ザネインの手を握る。
ザネインは「え!」と、一言声に出し、僕の方へ顔を向け、引きつった笑顔を見せる。僕もにっこり笑い、体を一瞬沈め、一気にジャンプした。
「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
ザネインの叫びを置き去りにして、上空へ。
大気圏を超えた位置で僕たちは地上を見ている。
ザネインは四つん這いの格好で、興奮気味に、
「わあー、綺麗。地上ってこうなっているのか。ねえねえ見て、あそこ、私たちが住んでいるところだよね。ねえ、カズキってば」
ザネインは、返事もせず黙っているカズキを、不思議に思い、顔を上へと向ける。その顔は、能面のように何の感情も持たない不気味なもので、それ以上は声をかけるのをやめた。
カズキは、学校の理科室にある世界地図と同じもを見て、これはどうゆうことだろうと考えていた。
その時殺気を感じた。
「前方50km、UFO確認」
「スクリーンに映せ」
「こ、これは……。人か」
「地上より飛んできたものと思われます」
艦長らしき人が腕を組み、目を瞑りしばし考える。そして目が開かれると同時に、
「目標、前方50km。レーザー砲、全砲門開け」
「了解。レーザー砲、全砲門開きます」
「……」
「準備完了。カウントダウンに入ります。5・4・3・2・1」
「ファイヤ」
カズキは殺気の方向に防御壁を展開する。
殆どは跳ね返したが、2射ほど貫通して、その一つが頬をかすめた。
このままでは危険だ。こちらからも応戦する事にした。
僕は剣を抜刀して、ポーズをとり、
「主が命じる、黒炎龍よ力を示せ。黒炎斬」
「目標物に全射命中。たっ、大変です。目標物から高エネルギー反応が……」
「なに、防御シールド展開」
「防御シールド展開いたします。高エネルギー着弾まであと3秒。2秒、1秒、着弾」
船内にただ事では無い大きな衝撃が走る。
「艦長大変です。左舷推進エンジン損傷です。このままですと航行に支障をきたします」
「なんだとう、すぐに戦線離脱だ」
カズキは殺気が消えた事にホッとして、前方を見つめた。しかし、今のは何だったのだろう。科学的な兵器による攻撃にも見えたが、今の時代に、そんな兵器があるとも思えないのだが……。カズキは漆黒に染まる宇宙を見ながら物思いにふけるのだった。




