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いつもより少しだけ大変だったけど、幸せな一日

作者: 岡崎佳凪

発作的に書くモノの一つです。



 当たり前の話だよね。


 辛いなら辛いって、君の目を見て、声に出して言わないとダメだったよね。 

 言わないと君は気付かないから。

 出会った時から君はずっとそうだと、もうとっくに気付いていた。


 君を傷つけたくないから何も言わなかったけど、いつしか自分がひどく傷付いていることに、今さらながら気付いた。


 だから昨夜僕は言ったね。

「ずっと、今までずっと悲しかったし、苦しかったよ。でも君に悪意なんかこれっぽっちもないのは、もう知ってる。だからよけい困っちゃうよ」って。


 不思議な光景だけど、全部笑顔のまま吐き出したよね。

 それも、きっと困ったような笑顔で。



 だって、ちっとも怒ってないから。



 それが君なんだってとっくに知っているから。


 本当にどうしようもなく愛おしいとしか思ってなかったから。

 このことを伝えても、君が離れていかないのを知っているから。


 そうしたら、君は凄く悲しんで、ひどく怒って、そして暴れたね。




 でも、一度も僕のことを嫌いなんて言ってこなかった。言ってくれなかった。

 知っていたけど、嬉しかった。君への感謝の気持ちで溢れていたよ。


 だからかな。



 泣いて、怒って、グシャグシャになった顔のままで、胸の中に収まる君を抱きしめながら、君の涙と鼻水で濡れた僕のハンカチを見詰めながら、僕たちはまた一歩進んだと思ったよ。


 そんな、いつもより少し大変だったけど、とても幸せな一日の話。

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