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知識狂いの異世界録  作者: 心乃月日
7/23

概念属性


「今日もどうにか生き残れそうだ……」


この洞窟に飛ばされ20日が経った。買っておいた懐中時計のおかげで日数感覚が狂わない。


それは小さな石が埋め込まれており唯の飾りではない。その色で夜なのか朝なのか分かり迷宮に入った際に少し弄るだけで日数までカウントしてくれる優れ物。中古店の人が格安で売ってくれた物だ。


まあ理由が普通の値段だと俺がまた過剰労働をするからだそうだが……はぁ……結局減らしても心配される始末だったからな……もう諦めた。


最初の最初は両親が貸してくれた何かしらのラノベの展開で超難易度の迷宮に放り込まれたかと思った。幸い少なくともこの階層の魔物は直接対決は絶対できないがレベル5の俺でも不意打ちと罠で対応できるレベル。そもそも魔術式は直接戦闘向きじゃない。


心を感じる能力と感情が分かる能力のおかげで無機物かつ心がないような奴じゃなければ位置と最低限の心理状態が分かる。それらも利用して一匹だけでいる魔物だけを罠に誘い込み問答無用の不意打ちで仕留めている。


麻痺毒を大量に作り込んでいたのも運が良かった。少なくともこの階の魔物にも動きを鈍らせる程度には効いた。無限に持っているわけではないため使いどころは考えている。使えるものを全て使ってどれだけレベルをあげステータスを増やすかが生き残るための術。


言っていることも感覚的に分かるんだが知能が低いせいでだいたい「食べ物!」「獲物が来た!」というニュアンス。おかげで何の迷いもなく俺に糧になってもらっている食料的な意味も含め。味方ならともかく敵であれば遠慮する必要なんかない。


技能のアイテムボックス機能のおかげで俺は大量の食糧を持っているとはいえ何階層か分かってもいない場所で消費しつづけてやる気はない。それなら食える物を探さないといけないが洞窟なために限られる。


湧水は解析して飲めることを確認済み魔物も美味い部類に入ったから遠慮なく食べた。残った物は加工して鞄に収納。本当便利だな収納保存。


「さてと俺のステータスはどうなって……」


名前 サトリ・シキノ

レベル 20

年齢 16

性別 男

職業 魔術式師

称号

属性 概念属性・知識欲

体力 198

力  84

耐久 97

器用 189(1150)

俊敏 175

魔力 219


スキル:言語理解・収納保存・術式瞬間構築・体外魔力使用技法・隠蔽術・麻痺耐性・毒耐性・魔力瞬間圧縮・概念の加護(知識補正)・複数構築・並列思考・魔力封印無効・魔力妨害無効・魔力認識・魔力生成・魔力吸収・魔力供給


「また斜め上に進化したな、おい」


あー昨日は19で魔力圧縮、ああいや魔力瞬間圧縮に進化しているがそれがあったぐらいだった。だというのに術式構築補正も術式瞬間構築に進化。圧縮以降は無かったスキルが大量に増えている。というかスキル増えすぎだろ。器用はいつもの事なので置いとく、正直昨日の時点でも4桁突入してたから。


「というか概念属性・知識欲って確かに知識狂いの自覚はある。だからって属性になるほどか?」


そして恒例の隠蔽。それから増えたスキルで色々試してみた。だってせっかく増えたのだから試してみたいのが人の心情。


色々試した結果。複数構築の技能のおかげか二つずつ構築できるようになり時間のかかる圧縮も一瞬で終了。並列思考のスキルのおかげか二つの構築式を違う物にできるおかげで片方を攻撃もう片方を防御と使い分けもできると便利さが向上。瞬間構築のおかげで戦闘も比較的問題がなくなった。


もはや罠に関してはいつも仕掛けていた物が数分で仕掛けられる。正直使い勝手が良くなりすぎて戸惑いが生じている。だがそれはそれ使えるものは使う主義な上にやってみたかったことがあったからなこれで遠慮なく試せる。


「本当に魔力が生成できた。集中する必要があるから戦闘中は無理そうだとしても……あはは、これはさらに色々できそうだ」


魔力生成のスキルは文字通り魔力その物を生成できる。と言ってもチートではない。すぐに作れるが一回で作れる量が中級魔法一回分。まあ俺からしたら多いが上級魔法を連発できるような者達からすれば大したことがない量。


魔力吸収と魔力分解に関しては触れないとできないのも確認済み。魔力吸収に限っては体外魔力なら触れてなくても取り入れられるため使いどころは多いとは思う。まあ魔力分解も危険な呪具と言われる魔具の魔力を分解するときには役立ちそうだしあっても損はない。


「おー面白いぐらいにできる……じゃあ次は……」


興味があった魔石を生産している、魔石ってのは魔力が固形物になった物。今回増えたスキルで創意工夫したら俺でも人工的に作れるんじゃないかと理論を考えるのが楽しくて面白くて夢中になる。元々魔力圧縮の式を作ったのもそれからだった。結果的には圧縮して罠の威力を高める事に使う事の方が多かったが。


「これは作り過ぎたか?」


気が付けば白、黒、赤、緑、青、茶、六色の魔石が山のように重なっているのを見て、さすがに反省する……こともなく鞄に放り込んだ。それにしてもレベル20はボーナスでもあるのかと思うよう感じだった。


正直魔力供給はソロの俺に使い道があるかどうかは微妙。まあ一見使い道のなさそうな物にも使いようによっては意外な使い道があるかもしれないしため考察はする。


「本当に考えるのは楽しいな」


技能も増えたから魔法も使ってみたが負担が大きすぎて駄目だった小さな火種を作るだけで攻撃呪文並に魔力を消費するのは変わっておらず。すぐに魔力を生成して吸収して回復したから大事にはならなかったが本当に俺は魔術式師なのだと再実感。


戦闘能力の向上と魔石と言う新たな道具のおかげでこの階のモンスターなら正面から倒せるようになったためいい加減に先に進もうと思った。正直最初の夢見の悪さの原因になった牢屋風安全エリアの中を綺麗にして先に進んでいく。無駄な戦闘はさけるため能力はフル活用。


「……ゲームでマッピングするかの如く全部の道を探したが、やっぱりここだけか」


どれだけ調べても上に行く道は存在しなかった。結果下に進む道しか選択肢がない。


まあ一生この洞窟で暮らしたいわけでもないため足を進めていく。さてとこの先はどうなっているのか。それを考えると命がかかっているにも関わらず溢れだす知識欲から自然に笑みを浮かべていた。

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