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幸せは、その手の中に  作者: 散華にゃんにゃん
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第七章 天使強襲 10

約1年半ぶりの投稿となりますが、完結に向けて再び書き始めましたのでよろしくお願いします!

 桃原は驚いた。

「体が軽い!!」

 身体機能を天力によって強化された桃原は、4階建てアパートの少し上に浮遊する四足天使目掛けて、ベランダの手すりを利用し駆け上がる。

 生身の人間では到底真似のできない曲芸じみた接近。

 飛び上がった桃原は、竹刀を両の手で強く握りしめて振りかぶる。

 狙いは、四足天使の頭。

「あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 ズドンッッッ! 剣道の技とは呼べない、全身全霊の殴打。

「どう!?」

 桃原の腕には手応えがあったが、四足天使は微動だにせず浮いていた。

 桃原の竹刀は四足天使の顔に届く前に止まっていたのだ。

「これは……?」

 見れば、四足天使の頭部と竹刀の狭間に氷の壁があった。数秒前には何もなかったはずだが、桃原の攻撃を防いだ、見とれるほどに綺麗な氷。

「……っとと!?」

 思考の止まっていた桃原が浮力を失ったことに気付いた。目の前の天使とは違い、ただただジャンプしただけの桃原が重力に引かれるのは明白なのだが、忘れていた。

 桃原は身を翻して一回転しながら落ちる。

 ズン! 両足で着地した桃原によって道路のアスファルトがひび割れる。常人であれば身体の方が破裂する衝撃を、桃原の2本の足はノーダメージで受けきった。

 すでに桃原はほぼ無意識で天力を扱っていた。桃原の頭には『できる気がする』という程度の考えしかなかったが、そう考えられる事ができれば十分であったのだ。


「何も無い所から氷ができた?」

 困惑する桃原の後ろから白花が声をかける。

「きっとあれが、あの天使の『天力の奇跡』だよ」

「まるで魔法ですね……」

 見上げる桃原の目には、四足天使の周りに形成されていく氷の塊が映った。

「桜ちゃん!! 避けてっ!!」

 白花が叫ぶとほぼ同時に4本の巨大なつららが桃原に向けて落とされた。

 一瞬撃ち落とそうと考えた桃原であったが、あれがただの氷で無い事は先ほどの攻防で理解させられた。

「……っつっ……!!」

 飛び避ける桃原のいた場所に氷の柱が深々と地面に突き刺さる。まるで、箸で豆腐を刺すように易々と。

 速度か、質量か、はたまた別の何かがそうさせるのかわからないが、既存の物理学では説明ができないことだけは、桃原にも白花にも解った。

 それが、つまり。


「天力の……奇跡……」

 土煙越しに桃原は四足天使を睨み付ける。


 次の瞬間、桃原の頭の中で直接声が響いた。

(みんな! 私はエルシー。あの黒猫って言えばわかるよね? 今から力の使い方を教えるから落ち着いて聞いて!)

 エルシーの声は、桃原にも向けられていたのだ。

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