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幸せは、その手の中に  作者: 散華にゃんにゃん
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第一章 日常が終わった日 4

「瞳ぃー! 今度合コン行かなーい?」


「みっ、(みやこ)ちゃん!? わ、私はいいよぅ」


 同刻、日本。とある大学構内。


「人数足りなくてさー。彼氏候補がいても合コンくらい、いいと思うなーあたしは」

「かっ、かかっかかかかかっかっ彼氏候補なんて……い、い、いない……よ?」

「どんだけ動揺するのあんたは……」


 白花 瞳と片山(かたやま) (みやこ)。共に文学部に籍を置く女子大生である。引っ込み思案で清楚な雰囲気の白花に対して、社交的なギャルという感じの片山。正反対な彼女達だが、小学校時代からの無二の親友である。


「べっ、別に光君とはそういう関係じゃ……」

「あたし今、雨塚の名前出したっけー? ニヤニヤ」

「っっっっっっ!」


 どこかで見たようなやりとりだが、花の女子大生ともなればこれが日常であろう。

顔をトマトのように赤くする白花をさらに完熟させようと、片山は追い打ちをかける。


「昔から男の子とろくに喋れなかったあんたが雨塚とラブラブになるとはねー」


「そ……い……」


 もはや完熟を通り越して破裂しそうな白花を見て、片山は笑いを堪えるのに必死だ。


「ごめんごめん。あんたは本当にイジリ甲斐があるよね」

「都ちゃんはいっつも私をイジめる……」

「ごめんってば。でもホント雨塚もあんたもヘタレすぎて困るね。あんたに言い寄ってくる男共の為にも早く付き合っちゃいなよ」


 白花 瞳は美人と言うよりは、可愛いという言葉が似合う。背が小さい事も相まって、守ってあげたい小動物系女子として大学内で人気が高い。片山の言うように、白花に好意を寄せる男は多いのだが、白花はその全てを断っている。


 理由は単純明快、雨塚の存在だ。


「雨塚って今モンゴル行ってんだっけかー?」

「うん。でも、明日帰国するはずだよ」

「……もう結婚しろよ……」


 白花に聞こえないレベルで呟く、うんざりした様子の片山を余所に、白花の興味はすでに雨塚に向けられていた。


(光くん、元気かな?)

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