第四章 新たなる日常へ向かう世界 4
片山は何より白花の順応する力に驚いた。はっきり言えば、全然話に付いていけてないのだが、白花の元気が戻ったのなら良しとしようと思っていた。
その名前を聞いたエルシーが問いかける。
「光くんって?」
「あぁ、こいつの恋人だよ。ちょっと行方が分からなくってね」
片山が答えた。
顔を真っ赤にして身体をポカポカしてくる白花の頭を押さえながら続ける。
「ちょうど、渦中のモンゴルに行っててね……。連絡が取れないんだけど」
「でも、光くんの天力? を確かに感じるの!」
最早、この出会いは運命だとエルシーは感じた。
この子達は、『雨塚 光』の知人なのだろう。
だが、雨塚の身に起きたことを話していいものか悩んでいた。
白花が言う通り、雨塚は『いる』。だが、『生きている』や『無事』だとは言えない。
2人の前に『雨塚 光』という人間が姿を現す事はもう無いと考えているからだ。
後は、雨塚が奇跡を起こせるかどうかだが、結果が決まるまで白花に不必要な希望を与える事に抵抗を感じたエルシーは、雨塚の件に関して無言を貫くことにした。
しかし、雨塚を巻き込んだ罪悪感が溢れ、こぼれ出した。
「ごめんね……」
「え? どうしたのエルシーちゃん?」
エルシーの呟きに白花が反応した。
「大丈夫だよ! テレビ局の場所だっけ? 一緒に行こう! 早く私みたいに能力に目覚めた人達に今起きてる事を伝えようよ!」
「そうだね、きっとあたし達みたいにみんな混乱してるだろうし。道案内くらい任せなよ」
片山が続く。
当然、エルシーの謝罪の意味は2人には正しく伝わらない。
エルシーは何も言えぬまま、2人の後に付いて行った。




