第四章 新たなる日常へ向かう世界 3
どうやら白花 瞳は、天力を視認、観測する能力に目覚めたらしい。
2人との対話を終えたエルシーはそう考察する。
エルシーの話を聞いた白花と片山は戸惑っていた。
「じゃ、じゃあ……、瞳は超能力が使えるようになったって事……?」
「それで、私が見ているのが、天力っていう不思議な力?」
「そう、これからあなたみたいに天力を目視できたり、扱えるような能力者が増えていくの。その能力者達を正しく導くのが私の使命」
しかし、エルシーには引っかかることがあった。
白花 瞳は見え過ぎているのだ。
もちろん、エルシーにも天力の量、密度、揺らぎは把握できる。
だが、白花は壁の向こうの片山を特定したり、エルシーの失われた姿まで見えていると言うのだ。
それは、白花が持つ『天力の奇跡』に他ならないだろう。
では、如何にして白花がその能力に目覚めたのだろうか。
エルシーは、天力に覚醒した能力者の強さや能力には、覚醒した際の『夢』や『希望』、『想いの強さ』が関係していると考えている。
かつて、世界の平和を願い、日常を脅かす異分子を消した少女がいた。
そして、膨大な量の天力をその身に宿して天使達を倒すため、自らの想像したキャラクターの身体を創造した青年がいる。
それでは、単純に天力を『見る』事に特化している白花の能力には、どのような望みが作用したのだろうか。
今まで白花が知る由もない『天力』を見たい、と言う願望等あったはずが無いのだ。
考えを巡らすエルシーの言葉を待っていた片山が口を開く。
「ところで、瞳……大丈夫?」
「何が? 都ちゃん」
「言いにくいんだけど、あいつの事だって心配な時に、こんな非現実的な話聞かされて……」
「あぁ、その事なんだけどね!」
白花のトーンが明るかった事に驚いた片山だったが、さらに驚くことになる。
「光くんを感じるの! この力のお蔭だと思うんだけど、ずっとずっと遠くに光くんがいる気がするの!」




