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幸せは、その手の中に  作者: 散華にゃんにゃん
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第二章 魂の邂逅 4

 実際、エルシーの話はその『天力』の存在が前提である。黒姫 蛍の体でその力の一端を体験したが、雨塚にとって謎の力であることに変わりない。疑問に思うことが多々ある雨塚だが、まず天力について話を聞いておかなければ全てが繋がらないと考え、エルシーの話を待った。


「科学的にはビックバンの時の元素合成によっていくつかの元素が生まれた、とされてるのは知ってる? 『最初の三分間』なんて言われるけど」

 雨塚は生粋の文系だった為、『ビックバン』という単語は知っているが詳しい理論なんて知らなかった。


 エルシーは返事を待たず続ける。

「その元素合成はどうして起こったのか。それには素となる物があったはず」


「それが『零番目の元素』……?」


「そう。現在確認されている全ての元素の素であり、天力の源となる元素。『天素(てんそ)』とでも呼ぼうか」


「それが、この宇宙に満ち溢れているって?」


「簡単に言えば、この宇宙に存在する物質は元々はただの天素って事。天素はあなたたち人間が把握している元素に姿を変える。天素の性質の一つ、『元素転換』」


 エルシーは『ただの』等と言うが、天素なるものの発見は恐らくノーベル賞でも足りないくらいの事であることは雨塚でなくてもわかる。

「そして、あの超能力みたいな天力を生み出す、と」


「それが、天素のもう一つの性質、『天力生成』。恐竜絶滅の原因も地表での大爆発って考えたら同じことだよ。天力を使えば隕石衝突と同等以上のエネルギーは生み出せる。まぁ、いろいろと準備が必要だけどね。今回みたいに」


「今回?」


「以前の襲撃から数百年。天使達は人類を滅ぼすために再び攻めてきた。今回は地球そのものを消す程のエネルギーを秘めた天素を送り込んできた」


 雨塚にはあの結晶体の事だと容易に推測できたが、天使が数百年前にも攻めてきたという話は歴史の授業でもテレビの中でも聞いたことがなかった。

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