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超時空冷暖房完備

作者: 西中島 南方

「こちらの部屋は最新式のエアコンで冷暖房完備。しかも電気代が大変お得なんですよ」

 その愛想のいい不動産屋は、相好を崩さず、桂にそう言ってこの部屋を紹介した。しかし、どう見てもエアコンなんて、この部屋には無い。

 ありふれワンルームの一室には見たところ窓しか無く、本体も室外機も、あるいは天井埋め込み式パネルや、吹き出し口も一切見当たらない無い。

 ただ、天井付近に小さな窓のようなものがついている。

 「良く気付きましたね、お目が高い。この小窓が、エアコンになっているんですよ」

 「えっ、冬は冷房、夏は暖房とか言うんですか?」

 少しむっとした桂は不動産屋に問いただした。

「ハハハ、まさか。論より証拠、さっそく使ってみましょう」

 そう言うと、不動産屋は矢筈棒のようなものを取り出して、その小窓を開けた。

 まだ三月、うすら寒かった室内に、開けられた小窓から暑い空気が流れ込んで来る。全く不思議だ。

 桂は窓を開けてベランダに出てみるが、やはり外は肌寒い。しかし、外にしかつながってないように見える小窓からは、暑い空気が流れ込んできて、部屋を暖めている。

「えっ、いったいどうなっているんですかこれ!?」

「ハハハ、実はその小窓は、時空を歪めて、8月とつながっているんですよ。だから暑い空気が入ってくるし、夏には12月の空気が入ってきます。どうです、画期的でしょう?」

 桂はすぐに契約した。


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