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61.喫茶店での雑談

久しぶりの更新で申し訳ありません。

そして本当に雑談で終わってしまって更に申し訳ありません。

一旦、部屋に帰って昼食を取ってからバイト先の喫茶店に向かう。賄いとかあるかもしれないけど、毎回お世話になる訳にもいかないと思っているから。甘えすぎても駄目だ。


「接客に入ります」


「あいよ。今の分は俺がやっておくから新規の人達から頼む」


そこまで広い店内でもないから、何処の席に持っていってくれと言われても把握できるが分担作業みたいなものだからな。俺からは何も言わないさ。それよりもやっぱり夏で暑いのか店内は混雑しているな。


「やっほー」


「早いですね」


すでに宮古とその友達たちが店内で寛いでいた。始業式で午前中で終わったと言っても喫茶店でゆっくりするには早くないだろうか。俺にも言えることだけど。


「最初は買い物とか考えていたんだけど、やっぱり暑くてさ」


「連日の猛暑日ですからね」


三十℃超えなんて当たり前の毎日だからな。おかげで涼みに来るお客さんが多いことで。やっぱりこういう時は稼ぎ時なんだろうな。時給換算なのでボーナスとかないけどさ。


「それにしてもやっぱり働いている琴音って年齢詐欺だよね。大学生位に見えるよ」


「失礼ですね。同い年なのに」


知っている人達が来店するようになってよく言われるのがこれである。ジーパンに白のワイシャツ、そして黒いエプロンで接客していると何故か年上に見られるらしい。解せぬ。


「見たままの感想だよ。ねぇ、皆」


「うん。落ち着いた雰囲気とか、やり慣れている感じがするから」


「前との印象が全然違うのが大きいよね。ギャップがあり過ぎるのも原因じゃないかな」


宮古の友達たちも容赦がないな。初来店の時はあれほど緊張していたというのに。まぁあっさりと打ち解けたけどさ。お客さんとトラブルを起こす訳にもいかないだろ。


「前のままだとお店が潰れていますよ。あっ、いらっしゃいませ」


「確かにそうだけどね。あっ、会長!?」


来店してきたのは確かに会長であり、その隣には木下先輩がいる。どちらが誘ったかは分からないが、あの様子からは説教の意味はなかったのだろう。だって会長はいい笑顔で、木下先輩は疲れ切った表情をしているから。


「折角だから来てみたよ」


「ご来店ありがとうございます。お席の方を準備しますので少々お待ちください」


丁度よく退席してくれたお客さんがいたから食器やカップを片付けて、テーブルの清掃をしてから案内する。サービスの氷水を出して注文を待つ。ここまでが一般的な動きなのに、琴音のことを知っている人達は意外そうに見るんだよな。


「ご注文はお決まりでしょうか?」


「立派に店員しているんだね。うん、安心安心」


「私の事を知っている人達は大体同じ反応しますよね。そんなに意外でしょうか?」


「元々がお嬢様だって知っているから不安を感じるのは仕方ないと思うよ。やっぱり最初は慣れない感じだったのか?」


「どうでしたか? 店長」


「初々しい感じなんて全くなく、やり慣れていて教えることもあまりなかったな」


「だそうです」


「うん、琴音の異常性が良く分かるね」


異常って言われてもねぇ。前世でバイト経験しているから何をすればいいのか、優先順位も把握しているだけだ。だからこそ異常に見えるんだろうけど。


「で、ご注文は?」


「ぶれないね~。アイスコーヒーとチョコレートケーキで」


「私は紅茶とショートケーキで」


「承りました。少々お待ちください」


ちゃっちゃと準備しますか。夏休みが終わって、学生の来店が減ったとは言っても暑さの所為かお客の入りはいいから。相変らずバイトは俺一人なので頑張らないと。


「琴音ちゃ~ん。こっちも注文決まったよ~」


「少々お待ちください。順番ですから哲さん」


一人だからこそ要領よく回っていかないと混乱して、訳の分からない状態になってしまう。もう一人位バイトの人がいればもうちょっと余裕が生まれると思うけど。お店的に余裕はないのだろう。


「琴音ちゃん。私もお願いね~」


「晶さん。また課長にどやされますよ」


「いいのよ。必要経費なんだから」


そういって夏休み中に課長が乱入してきて盛大に怒られていたじゃないか。店内でのことだったけど、常連さんしかいなくて全員爆笑していたな。笑いの沸点低いなと思いながら俺は仕事していたっけ。


「晶ちゃん。課長さんとちゃんと話し合ったんだろうな。またあの騒ぎは勘弁だから」


「大丈夫だよ、店長さん。流石に課長だってあれから間を置かずにやってくる訳が」


「あるんだよねぇ、これが」


はい、晶さんアウト。恭介さんからの連絡がなかったことを考えれば、多分売られたな。もしくは自分が入っている時じゃなくて良かったと思っているか。あの人も結構飲み食いしているからな。


「あの裏切者め」


「店長さん。前回は騒がしくして申し訳ありませんでした。今回は連れ帰ってから説教しますので」


「あぁー、お手柔らかに頼むな」


それは店長が言う事じゃないと思うのだが。そして晶さんの平穏タイムは終了を告げた。何故なら相席を勧めていないのに課長が対面に座ったから。エアコンが効いている店内で汗をダラダラ流しているよ。


「何か今日は知り合いが結構来ますね」


「こっちとしては売り上げが上がって万々歳なんだがな。ほら、注文の品だ」


会長と木下先輩の品を受け取って配膳。その際に気を遣ってくれたのか特に会話はなかった。まぁ他にも注文待ちのお客さんがいるからな。さっさと回っていきますか。


「琴音ちゃんの知り合いは美人が多いね」


「こっそり言わなくても周りに聞こえるように言って構わないんですよ」


「いやいや、恥ずかしいじゃないか」


その美人と言った対象が女子高生も含まれているのは問題じゃないだろうか。このお客さんの年齢は確か三十を超えていた筈。まぁ対象が護衛の人達なら納得も出来るけど。あの殺伐とした雰囲気でもその感想が抱けるのならだが。


「あの、課長。減給対象とかじゃないですよね?」


「査定には響くわね。大体貴女達は経費を使い過ぎよ。何なら私も口添えして上げるから此処で働いてみる?」


「いやいや!? ここで働いたら護衛が出来ないじゃないですか」


「シフトを琴音ちゃんと一緒にして貰えばいいのよ。人手が欲しいのなら追加で用意してもいいのよ?」


「俺の意見は無視かよ」


何やら大人の話が行われているようだが、店長も話に加わった方がいい気がするんだが。勝手に話が進んで従業員が増えても、支払うだけの給料をどうするかが問題になってくる。無償で働いてくれる奇特な人なんて少ないだろう。


「給金は格安でいいですよ。基本的な給金の支払いは私達の方で行いますから」


「いや確かに人手が増えるのは助かるんだが。後の事を考えると了承しかねる」


「後の事?」


「そうだ。琴音が将来どうなるか分からないが、もし琴音がここを離れたらあんた達もいなくなるんだろ?」


「そうなりますね」


確かに俺の将来なんて分からない。大学に進むか、就職するのか、家の跡を継ぐのか。選択肢は色々とあるけど、最後のだけは可能性として殆どないだろうな。


「従業員が一気に減った状態でそれまでと同じサービスが続けられるか分からないだろ。同じ従業員数にするといっても経費が馬鹿にならない」


ご尤も。あくまでも課長さんが貸してくれるのは俺の護衛用の人達だ。その人達が手伝ってくれるの人手的には助かる。だけど一気にいなくなってしまえば今まで通りとはいかないだろう。俺だっていつまでここで働けるのか分からないから。


「それでしたら一人が限界ということですね。人手が必要になりましたらいつでも仰ってください。何ならいつでもこの子やもう一人の男性を扱き使っても構いませんから」


「課長。横暴過ぎ」


「貴女も偉くなれば分かるわよ。経費削減とか現場の事を考えない発言をされる身にもなってみなさい」


「部長ってそんなこと言う人でしたっけ?」


「他からよ。総務部とか最近は色々と五月蠅いわね。大体うちの部長は姿を消していて中々捕まらないじゃない」


こうやって聞くとおじさんが上司として良い人なのか悪い人なのか良く分からないな。必要な時は率先して出て来てくれているのだと信じておこう。


「私は偉くなりたくないなぁ」


「大丈夫よ。貴女は絶対に昇進できない人だから」


晶さんが上司になったら部下は絶対に苦労するだろう。もしかしたら偉くなって責任感が生まれるかもしれないけど、現状だと考えられないな。何たってパートナーである恭介さんが絶賛苦労中だし。


「店長も私の事も無視して話が進んでいますが、私の護衛を増やす気ですか?」


ちょっと手が空いたので尋ねてみた。誰かがここで働くとなると必然的に護衛をしてくれる人は減るだろう。それに課長は追加もすると発言した。俺にそこまでの価値があるのだろうか。


「増やしても問題ないと判断したからこそ話しているのです。当初の考えですと何人交代を要求されるか分からなかったもので。それに仮定ですが、すぐに終了するとも思っていたので」


「やっぱり情報として伝わっていましたか」


「当然ですね。会社の評価にも繋がりますから頭の痛い案件でしたが、杞憂でしたね」


護衛対象が自殺未遂。実際は自殺に成功しているのだが、そこは置いといて。再度自殺する可能性すらあった案件を良く受けたと思うよ。やっぱり十二本家からの依頼は断ることが出来なかったのかな。


「二度目は無いので安心してください」


「むしろ今の様子を見て、再度実行するとは思っていませんよ。それにおかげで二人の休日における交代要員の希望者が多くて」


「それで追加要員ですか?」


明らかにここでの一服が一番の目的になっているだろう。で実際に期待してやってきたら喫茶店で働かされるとか。晶さん達、マジで勝ち組だな。


「もちろん従業員は晶と恭介よ」


「ですよねー」


晶さんが返事をして突っ伏した。でもよく考えると売り上げに結構響いてくるんじゃないだろうか。俺が居る時間は休日だとほぼ丸一日いるから当然晶さん達も喫茶店で飲み食いしている。何回か会計して店長ですら引いていたな。


「うん、晶さん達。怒られて当然ですね」


「反省はする。でも止められない」


人間、楽をすると目の前にあるとそれを取ってしまうよな。だけどその発言を上司の目の前でするのは不味いだろ。何か青筋浮かんでいるような見えるんだが。幻覚だけど。


「おーい、大人の話に交じっていないで学生の話をしようじゃないか」


「静かだったので帰ったのかと思いました。会長」


すっかり存在を忘れていた。宮古は会計して帰ったというのに何故に会長と木下先輩はまだいるのやら。いや、木下先輩は会長に付き合っているだけであるのは分かるんだけど。


「酷いなぁ。何か真面目そうな話もしていたから気を遣っていたのに」


「あの中の何処に真面目な要素があったのか知りたいのですが」


基本的に晶さんを弄っていただけのような気がするんだけど。悩んで首を傾げていたら会長と木下先輩から呆れたような眼差しを向けられた。何故に。


「本当に琴音は自分の事に関して無頓着だよね」


「もう少し周りを気にして話をした方がいいですよ。聞いているこちらがハラハラしますから」


そう言えば木下先輩は手首の事を知っていたんだな。でも知らない人からしたら何の内容なのかは分からないだろう。課長さんも言っていた通り、今の俺から自殺に関することは連想できないだろうし。


「それで学生らしい会話なんだけど」


「仕事中なのでその話は生徒会室でお願いします」


折角で悪いんだけどお客さんが入って来たからな。あまり私語ばかりしている従業員も見た目的に悪いだろう。常連さん達は全くそういう事を気にしないだろうけど。


「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」


先の事は考えずに今はただ働くのみ。課長に引き摺られていく晶さんと入れ替わるように入って来た恭介さんは見なかったことにしよう。

護衛の追加要員の話だけのはずが何でここまで長くなったのか謎です。

八月からチビチビと書いていたので暑さが原因ですね。

エアコンなし、扇風機無し、窓を開けたら虫が入って来るので締め切りのPC部屋。

排熱で熱が篭る。以前に活動報告を上げた時なんて本当に汗を滴らせながら書いていました。

九月は涼しくなって大丈夫かと思ったら仕事が特別勤務体制に入って大変です。

残業がちゃんと付くからいいんですけどね。

そして感想で知りましたが、なろうに投稿して一周年らしいです。

めでたいですけど、何もしませんからね!

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