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46.花火大会前準備

不定期更新とは何だったのか。

連絡が何もないので平常運行です。

46.花火大会前準備



あれから仲間達とは普通にメル友になってしまった。メールの内容はその日に何があったかとかほぼ雑談だな。ライブの事を香織に聞いたのだが内容は普通だった。あいつ等なら何かしらのハプニングを起こすと思ったのに。


「大量にって言われたけど、どれだけ買えばいいんだ」


今日は事前に店長に相談して休みにしてもらった。その理由が花火大会。八月に入って更に暑くなっている中でやるのだから、外で見る人達は大変だろう。夜には涼しくなるだろうけど。


「えっと、茜さんに佐伯先生。木下先輩と私だから四人分だけど。大人組が良く分からない」


あの人達は多分飲むだけだろう。だから枝豆だけ用意すれば満足するんじゃないか。でもそれで苦情を言われても仕方ないな。何より木下先輩が満足しないだろう。


「多分人数分の枝豆だと足りないよな。作るものどうしよう。やっぱり屋台を意識したものにしようかな」


たこ焼きに焼きそば、お好み焼き、焼きトウモロコシ。全部焼いている物ばかりだな。でもカキ氷とかは無理だし。機材が足りない。


「というか、たこ焼き用の鉄板がなかった」


廃案決定だな。自分で案を出しておいてこれだから計画性なんて皆無。取り敢えずコンセプトが決まっただけ良しとしよう。しかし流石花火大会当日。人が多いな。


「商売繁盛ですか?」


「八百屋が儲かる時期じゃないからね。皆、素通りさ」


商店街を通っている人達って殆ど花火の場所取りの方々だからな。指定席以外は本当に戦場だから。花見と同じだ。会社員の方々、本当にお疲れ様です。


「枝豆いっぱいありますか?」


「何だい、その年で酒盛りかい。ちゃんと隠れて飲まないと駄目だよ」


おばさん、幾らなんでも女子高生にそれは不味いぞ。未成年に飲酒を勧めるな。おばさんの時代は良かったかもしれないが、今は駄目絶対だぞ。


「私は飲みませんよ。成人組の人達に頼まれただけです」


「とか言いながら飲むのが今の若者じゃない」


それは否定しないけど。勧められて飲むパターンもあるだろうが、俺は飲まん。以前に飲んでいたのだからジュースかお酒かの判断は出来る。


「ザル三つ分お願いします」


「あいよ。いい買いっぷりだね」


前回と変わらず食費は成人組が持ってくれるからな。まぁ買った分の殆どはその人達の胃袋に消えるだろうけど。俺や木下先輩は味見で腹が膨れそうだ。


「商店街の人達は花火を見ないんですか?」


「私達には私達の穴場があるからね。商店街一同はそこで酒盛りさ」


地元の強みだろうな。会場設営くらいの規模でやってそうだし。家族一同も一緒となると結構な人数になるだろう。確か喫茶店もそこに嵌ると言っていたな。


「あとは何が必要かな」


「他の所にも顔を見せたらどうだい。皆、暇しているだろうし」


「商売としてどうなんですか?」


「今日に限って言えば商売どころじゃないからね。皆、夜の方が待ち遠しくて浮足立っているよ」


花火が楽しみなのか、酒盛りが待ち遠しいのかどっちだろう。一年に一度のイベントだから仕方ないか。俺も楽しみだし。生きていた頃は何回此処の花火を見たんだったか。


あとはいつもの人達に挨拶して終わったけど、流石に話だけで何も買わないのは失礼だと思って色々と散財してしまった。俺がお金を出しているわけではないが。


「さてと、以上かな」


両手に持った袋が重いな。買い過ぎた感は否めないけど、余ったら次の日に回せばいいだろう。大人組には感謝だな。


「あっ、琴音さん」


「木下先輩。もうそんな時間でしたか」


部屋に向かう途中で木下先輩と合流してしまった。部屋の前で待たれるよりはマシだけど、外で会うとは思わなかったな。商店街の人達とちょっと話し過ぎていたか。


「一つ持ちましょうか」


「いえ、木下先輩も荷物持っているのですから私が軽くなってしまいます」


流石に手ぶらでは来なかったか。気を遣わなくても良かったのに。それに両手に持っていてもあまり負担ではない。鍛えているのもあるが、いつものことだから。


「街全体が花火大会一色ですね」


「例年こんな感じですよ。街全体のイベントはあまりないですから」


なるほど。俺はこの街の出身じゃないから分からないし、琴音は外に目を向けなかったから知らない。だから新鮮に感じるな。


「今年ももう半年を切りましたね」


「そうですね。でも私にとっては意外過ぎる半年でしたね」


性格や態度が変わっただけで琴音の世界が変わったからな。今まで出来なかった友人は出来たし、親切な大人にも出会えた。厄介な人達にも出会ってしまったが。


「私達にとっても意外でしたよ。春休みの間に何があったら琴音さんがここまで変わったのかと。一時期は学園中で騒がれていましたから」


騒がれるだけで誰一人として聞いて来なかったけどな。親しい人たちは気を遣って何も言わなかったみたいだし。木下先輩には事情を見せたけど。


「意外と言えば綾が何も言って来なかったのが不思議ですね。こういう事には率先して反応する筈なんですけど」


「それについては知っています。立場上仕方ないことなんですよ」


一般的にはあまり知られていないが、こっちも例年の事なんだよな。だから会長も綾先輩もこっちに来ることは出来ない。


「花火観覧のパーティーが開かれるんですよ。有名どころの人達が集まるので必然的に断れなかったんだと思います」


十二本家は基本的に要出席だったかな。だから他の人達の出席率も高い。会場自体も観覧を目的にしているだけあって絶景なんだよな。


「でも花火を楽しめるかと言えば、そうじゃないんですよね」


「観覧パーティーなんですよね?」


「出席者の目的と合っていませんから。仕事の話や自慢話、媚を売るための会話とか。花火を見ていても話しかけられたら応えないといけない。楽しいですか?」


「行きたくないですね、そんな場所」


俺も行きたくなかったから正直助かった。パーティーなんて大体そんなものだ。色々と豪華で見た目も素晴らしい。けど中身がドロドロで正直勘弁して貰いたい。


「それでも出ないといけないのが悲しい宿命です」


「大変なんですね」


「早々に『裏切者』とメールが来ました」


綾先輩も行きたくはなかったのだろう。だからといって俺に裏切り者と言われても困る。こっちは参加しようにも参加できないのだから。行けるとしても強制でない限り行く気はない。


「まだ花火大会には早いですよね」


「多分着替えとか準備で暇になったのでしょう」


準備に時間が掛かるのも淑女としての宿命だな。綾先輩が淑女と言えるかどうかは別として。庶民で良かったと本当に思うよ。俺にとっては拷問かもしれない時間だからな。


「それにしてもモロバレですね」


「来れないと知っていたら自慢していたんですけど」


煽るのは止めてほしい。嫌がらせに本気を出されたらどうするんだ。それは木下先輩も分かっているだろうから、冗談だろう。だけど笑えない。


「会長と綾先輩の情報網はどうなっているんでしょうか」


「それは私も不思議に思っていましたが、考えるのは止めました。気付いたらいけないことだと思っています」


やっぱりそれが賢明か。専用の部隊を持っていたとしても驚かないぞ。あの二人なら何でも有りだと思っているからな。


「そして佐伯先生。早いです」


何で部屋に着いたらすでに待機しているんだよ。茜さんですらまだ来ていないんだぞ。隣の部屋にはいるだろうけど。


「茜の旦那を確認しようと思ったんだけど。やっぱり暑いわね」


待ち伏せかよ。それに最近は夏日が続いているんだ。暑いのは当然だろう。むしろ近くに置いている飲み物はどうするんだよ。明らかに常温以上に温まっているだろう。


「チャイム鳴らしたら出てくるんじゃないですか?」


「鳴らしたわよ。でも居留守を使われているわ」


どれだけ知らせたくないんだよ。いずれ紹介すると言っていたら全くその気は無さそうだ。それに旦那さん、まだ出勤してなかったのか。


「それより早く入れてほしいわ。干からびそう」


「飲めばいいじゃないですか」


「ぬるいのは嫌よ。せめて氷位欲しいわ」


確かにぬるいと言うより、暖かいビールは嫌だな。しかしビール三箱とかどれだけ持ってきたんだよ。運ぶだけで汗だくになりそうだ。


「あの、佐伯先生はまた来る気なんですか?」


「何を言っているの。この程度の量、一日で飲み切れるわよ」


そう言えば木下先輩は佐伯先生の酒量について全く知らなかった。今の発言で唖然としていらっしゃる。それが普通の反応だろう。


「一日どころか数時間で終わりそうですね」


「足りなかったら茜から貰うわよ。部屋に色々とありそうじゃない」


旦那さんがバーを経営しているのなら、そう思うだろうな。実際どうなのかは知らない。だって茜さんの部屋に入った事がないから。むしろ佐伯先生の方が知っているのではないだろうか。


「実際呑んでいるけど」


それが原因で現在居留守を使われているんじゃないだろうか。部屋の中の物を飲み干されないために。


「取り敢えず入りましょう。私達も暑いですから」


何で部屋の前で駄弁っているのかは分からない。俺も木下先輩も荷物持っているから結構汗を搔いているんだよ。


「よく冷えたビール頂戴!」


部屋に入って早々に飲むのかよ。しかも頂戴と言いながら勝手に冷蔵庫を開けて飲み始めているじゃないか。本当にこの人の肝臓はどうなってんだよ。


「木下先輩。取り敢えずタオルで汗でも拭いていてください」


「ありがとうございます」


俺も拭くから。佐伯先生は知らん。勝手に冷蔵庫を開けるような人なのだから後は勝手にしてくれ。邪魔さえしなければ大丈夫だから。


「おつまみはまだ?」


「何と言いますか、学園とかなり違いますね」


「プライベートだと大体こんなものですよ。お酒が絡むと尚更ですね」


基本的に飲んべーだからな。お酒が絡まなければ普通なのに。そしてこんな状態を見ているはずの学園長も、何で熱が下がらないのか不思議だ。


「枝豆が茹で上がるまで待ってください。それまでは自前の物で我慢して下さい」


どうせスーパーなどで売っているおつまみ位は買っているだろう。いつもそのパターンだし。近くにゴミ袋を用意していないと散らかし放題なのもパターンだ。毎回片付けが大変なんだよ。


「あの、あまり食べると晩御飯が入らないのでは」


「そっちは私達が担当です。大人組は飲む方が主食ですから」


主食というのもおかしいけどな。お酒飲んで、ご飯も食べれる人もいるけど佐伯先生も茜さんも飲む方が専門だ。その傍らでひたすらに俺が食っている。大体夏休みに入ってから何度俺の部屋で酒盛りしているんだよ、この大人たちは。


「やっぱり隠れ家は必要だよねぇ」


「相談もなく押しかけられる身にもなって下さい」


いつも唐突過ぎるんだよ。晩御飯食べていたら一升瓶片手に乗り込まれた時は何が始まるかと思ったぞ。ただ単に美味しいお酒が手に入ったと自慢に来ただけだったけど。


「何と言いますか、馴染んでいますね」


「もう一人の人はもっと馴染んでいますからね」


馴染むどころか嫁扱いされているんだよな。その説明をどうやって木下先輩にするか。放置でいいか、説明なんて出来ん。


「おーい、やってきたよー」


茜さんも来たか。もう少しで枝豆が茹で上がるから丁度いいかな。あとは木下先輩と一緒に花火が始まるまで好き勝手に色々と作ろう。最初のコンセプトとは何だったのか。


美味ければいいや。

活動報告ばかり書いているとこちらに書くネタが無いですね。

過去を遡ればそれなりにありますけど。

しかし本当に連絡がないから一人暮らしになるのかどうかも怪しいですね。

あの面接。いえ、面接と言えるのかな、あれは。

社長さんと談話で30分。

面接官の愚痴に30分。

むしろ休憩してなかったと言われて一緒に休憩に入るとか。珈琲はご馳走になりましたけど。

会社の案内に一時間。

姉の同級生と偶然出会い、談話で30分。世間は狭いですね。

聞かれたのなんて一人暮らしは大丈夫か位だったか。

これは本当に面接と言えるのでしょうか。頭を捻りながら帰路につきましたけど。

今月中に返事が来るはずなんですけどねぇ。

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