14.学園長の信頼度
多少痛みが和らいだので簡単に直したものを投稿しました。
違和感を覚えるところがあるかもしれませんが、その際は突っ込んでください。
14.学園長の信頼度
あのあとすぐにGWに突入した。そして喫茶店で今までのいきさつを全部話したら香織に頭を叩かれた。何で呼ばないと。携帯ないのに呼べなかったと言ったらむくれられた。
理不尽である。そして店長と沙織さんに説教された。何かあれば頼れと。本当にいい人達だ。
それと学園長から頼まれていたことはアッサリと聞き出した。というのもGW中に飲みに来たからだ。その時に色々と聞いたのだが、条件が一緒にお酒を飲める人だと。簡単に思えるがあの人相手だとハードルが高い。
それを伝えたところで学園長は一切諦めず、ならばと飲み会の企画書を作ってくると意気込んでいた。俺に確認させるのもどうなのか。
そして今日がその確認の日。正直気が重い。あと足は治った。そして美咲は問答無用で部屋から追い出した。追い出すのに手こずって咲子さんまで呼んでしまったがやり過ぎだとは思っていない。
「如月です。入りますよ」
もう相手の了承を待たずに勝手に入る。学園長に聞いたのだが滅多に誰かがいることはないらしい。こっちとしてもありがたい。誰かがいたんだったら俺が入るのも不審がられる。入る瞬間を見られたら同じなのだがその時はその時だ。
それで入ってみると案の定、学園長は相変らず仕事中だった。
「それで前回の件は考えてきたのですよね」
「これが計画案だ」
渡された紙を受け取って勝手に珈琲を淹れてソファに座る。もう遠慮をすることもない。最初の相談で俺の学園長に対する印象はマイナス方向で変わったのだから。気を遣うのも馬鹿らしくなったのだ。
本当に何でこの顔でヘタレなんだか。えっと、それで計画案は。
「……ぶっ!?」
確認して珈琲を吹き掛けた。何だよ、この計画案!杜撰ていうレベルじゃねーぞ。何で行く場所が高級フランス料理店なんだよ。明らかに庶民が気軽に行ける場所じゃないぞ。
金持ちが気軽に行く場所だろうが、相手は違うぞ。佐伯先生は良家の出でもないんだから居酒屋とかの方がいいんじゃないだろうか。量もそっちのほうが飲めるだろうしさ。
というか一番の問題はこれなんだが。
「何で私が一緒に行かないといけないんですか!」
「ほら、いきなり二人っきりなのは問題があるだろ」
「だからって私を出さないでください!何で夜の飲み会に女子高生が参加するんですか!おかしいでしょう!」
「いや君以外にこういう話をしている人がいなくてな」
「だったら増やしてください!全部私に任せないでください!あとフランス料理店も駄目ですからね!」
「何故だ!?」
「何故じゃないです!そっち感覚で考えないでください!相手感覚で考えてください!」
計画案を机に叩き付けて珈琲を飲み干す。もう叫び疲れた。何かこの部屋に来てからいつも叫んでいる気がする。兎に角、この計画案は没だ。誰が何と言おうが没だ。
「あの、学園長。入室しても宜しいでしょうか?」
そんなアホなことをやっていたら誰かが入室の許可を求めて声を掛けてきた。それに俺は学園長を確認すると頷いてくれたので隣の応接室に移動しようと腰を浮かせたら。
「入りたまえ」
「入れないでください!」
ちょ、おま。せめて俺が移動するまで待てよ!そして何で不思議そうな顔をしているんだよ!あぁ、もう疲れる!この学園長を相手にしていると本当に疲れてくる。もうちょっと俺のことを考えろよ。
浮かしかけていた腰を再び落として思いっきりソファに背を預ける。もうどうにでもなれ。
「失礼します。それで先程から誰かの怒鳴り声が聞こえていたのですが」
「気にするな」
「わ、分かりました。あの、そちらの女性は」
「気にするな」
「分かりました」
気にするなじゃねーよ。それと分かりましたといいながらガン見されているのだが。それにしても綺麗な人が入ってきた。大和撫子ぽいし俺と同じくらい髪が長いな。俺も覚えている人だが。
確か副会長の木下先輩だよな。生徒会の仕事で来たのだろうか。
「生徒会の定期報告に参りました」
「そうか。大変だが大丈夫か?」
「まさか調理実習でお腹を壊すとは私達も思いませんでした。完璧に想定外です」
そういえば今日の噂で三学年の男子が何人か腹痛を訴えて保健室に運ばれたとあったな。生焼けの肉でもつまみ食いしたのだろうか。まぁ俺には関係ない。開き直って珈琲を再度淹れながら二人の会話を聞き流す。
どうせ俺が聞いたところで意味はない。部活にも入っていないのだから。
「やはり難航しているか。これからという時期だったのだがな」
「そうですね。正直人手が全く足りない状況になってしまいました」
「そうか。如月君、君は暇か?」
何で俺に話を振る。嫌だぞ生徒会の手伝いなんて。あそこは去年、琴音が迷惑を掛けた人達の巣窟なんだから行きたくもない。また問題に巻き込まれるのは真っ平御免だ。
それにただ働きだしな。今だって学園長の恋愛相談に頭を悩ませているのに何で追加されないといけないんだよ。
「報酬を用意するから手伝っては貰えないだろうか」
「お断りします」
あっ、木下先輩が驚いている。そりゃ学園長の頼みを問答無用に即答で断ったからな。報酬と言われて若干グラついてしまったがまだ足りない。大体俺が行った所で邪魔になるんじゃないだろうか。
主に精神的なもので。
「そうか。ちなみに聞いておくが君は事務能力はどの位ある?」
「それなりです」
前世のことを考えればPCさえあればそれなり以上にやれるだろうと思うが、正直に話しても碌なことになりそうにないのでぼかしておく。それにしても学園長は俺の何を買っているのだろう。
「生徒会には君のことを伝えてあるから関係の改善は容易だと思うのだが」
「会長も如月さんには興味を示していました」
おい、学園長。何を人の情報を勝手に流しているんだよ。近藤先生もそうだが俺の情報はそんなに軽い扱いなのか。あと会長、何故に俺に興味を持った。あんたにも去年は迷惑を掛けただろうに。主に付き纏ったり手下にならないかとか言った気がするが。
当たり前のように断られていたな。当然だけど。
「残念だな。食堂の無料券を報酬に考えていたのだが」
「ぐっ」
昼食代が浮く。それに食堂のメニューも気になる。偶には自分が作ったご飯以外も食べてみたい。あと肉食いたい。悩むが駄目だ、それで面倒事に首を突っ込んでどうする。
「今なら何と此処に置いてある珈琲を一袋渡そうと思ったのだが」
「承諾しましょう!」
ちくしょう!珈琲は卑怯だろ。俺にとって唯一の嗜好品なんだぞ。しかもさっきから飲んでいるの香りもいいし、味も流石は高級品といった感じで美味い。これを一袋とはいえ貰えるのなら乗ってやろうじゃないだろうか。
くそぉ、学園長の笑みが憎い。今に見ていろ、この野郎。
「それでは学園長も再提出をお願いします。最初に話したことをちゃんと吟味してお考え下さい」
「わ、分かった。あとでまた確認してくれ」
木下先輩と一緒に学園長室を出て、一緒に生徒会室を目指す。だけど一切の会話がないのだから気まずい。別に木下先輩からは琴音を敵視するような感じは受けられないからこれが普通なのだろうと思うんだが。
それにしても学園長は俺のことをどのように生徒会に伝えているのだろう。変な誇張とか含んでいないよな。
「木下先輩、確認したいことがあるのですが学園長から私のことをどのようにお聞きしていますか?」
「男らしくなったと聞きました」
「すみません、ちょっと戻って学園長の頭を叩いてきます」
何だよ男らしくなったって!しかもあまりにも省略し過ぎだろ。確かに中身が男だから男らしくなったのも分かる。だが他にも何か言うことがあっただろ。そこまで考えてそれは何だろうと自分で自問してしまった。
学園長室でやっていたことなんてひたすら学園長に対して突っ込みを入れていただけだからな。他には、ないな。
「やっぱりいいです。このまま向かいましょう」
「随分と学園長と親しくなったのですね」
「厄介な頼みごとをされただけです。一応守秘義務があるので内容を喋るわけにはいかないのですが、本当に難題です」
「ご愁傷様です。ですが学園長相手にあそこまで怒鳴れる方もこの学園にはいないと思いますよ」
「もしかして聞こえていましたか?」
「内容まではハッキリとは聞こえなかったのですが結構響いていましたね」
あそこまで叫んでいたら当然か。唯一の救いは学園長室の前はあまり生徒が通らないという事だろう。内容まで聞こえていたら俺も学園長も変な噂を流されかねないからな。
もっとも木下先輩には学園長と二人でいるところを見られているのだから色々と終わっている気がする。
「怒鳴っていないとやってられなかったのです。別に無意味に怒っていたわけではありません」
「分かっていますよ。もし前の如月さんのような理由で怒鳴っていたら学園長が黙っているはず等ありえませんから」
仕事だけは真面目に行い、厳しい人だというのは知っている。それが何でプライベートの方であれなんだか分からないんだよな。失敗を恐れるなよ、当たって砕けろよ。むしろもう砕けてくれ。
俺の精神安定のために。
「ここが生徒会室です。入るのは初めてですよね」
「そうですね。縁もゆかりもない所でしたから」
生徒会の連中に接触する切っ掛けってなんだったっけ。確か志津音から生徒会を牛耳ればこれからの学園生活がもっと充実するとか言われたんだったかな。生徒会はイケメン揃いだからその人達と一緒に居れば琴音のイメージが上がるとかだったか。
逆に嫌われてイメージなんてどんどん低下していたけどな。それが狙い通りだったんだが。
「只今戻りました。それと学園長から応援を頂きました」
「失礼します。如月琴音です。この度は宜しくお願いします」
しっかし、生徒会室は広いな。教室位の広さにテーブルにPCと何故かマッサージチェア。あとは冷蔵庫にコーヒーメーカーと普通に住めるくらいの設備がある。ただ机の上の雑多感が職場を思い出す。
そして一番の奥の机で書類に目を通していた人物が入ってきた木下先輩と俺を捉えた。うん、またイケメン。そして予想外に柔らかい笑みで迎えてくれた。
「へぇ、予想外の人物が来たね。それも学園長の紹介と来たか。これは話を信じてもいいかな」
「男らしいという話は信じないでください」
木下先輩に勧められるままに空いている席に座る。誰の席なのかは全く分からないのだが数字が書かれた紙が散見している所から会計士の席だろうか。また厄介な場所に。
「他にも色々と聞いているよ。それに階段から落とされたのに卯月家に一切の陳情を出していないのは過去の君からじゃ全然想像できないよ」
「面倒なだけです」
あそこまでやられたのだから一方的に卯月家を攻撃する材料はある。だけどそれを使ってどうなるものでもない。俺としては攻撃して禍根を残すような真似はしたくない。だって面倒だし。
「それで済ます君が凄いよ。あれだけのことをされて結局は許しているんだから」
「本当にそう思いますか?」
奪われ、壊され、怪我までさせられたのだ。許せるわけがないだろう。次に会って謝られたとしても絶対に許す気はない。大体あのお嬢様は謝罪を受け入れたらまた調子に乗りそうだし。
本音では一回頬を叩きたいくらいには思っている。思うだけで実行はしないが。あとが面倒だしな。
「あれは、敵です」
「ふーん、全部を受け入れる訳でもないか。なら僕達にしたことに対しては?」
「大変失礼なことをしました。もしこの場に一緒に居たくないと言うのであれば従います」
「言わないから仕事を手伝ってよ。本当に人手が足りなくて困っているからさ」
読めない。この会長が俺のことをどう扱おうとしているのか全く読めない。去年のことを忘れているわけもないし、思う所もあるのに普通に生徒会の仕事をさせようとしている。
煩わしく思っていたはずなのに受け入れている。ただ単に今だけ猫の手も借りたい状況だからだろうか。
「取り敢えず今やっている作業は各部活動の予算の設定。去年の支出を参考にして各部からの予算案を取りまとめている状況だね。君にもそのまとめを手伝ってもらいたい」
「部外者が携わってもいいのですか?」
「君は何処の部活にも所属していない。それに学園長からの推薦なら問題ないと思うよ」
学園長の信頼度は高いな。俺の信頼度は低いが。それにしても今の時期にこういったことをやるのか。新入生が入ってきてすぐにやると思っていたのだが違うらしい。
仮入部の期間が約一か月と長い為に予算設定は大体今の時期に行い5月中に終わらせるらしい。確かに聞けば今の時期は一番忙しいだろう。
「PCの使用は出来ますか?」
「むしろ使って貰わないと作業が出来ないよ。そういえばパスワード教えていなかったね。薫」
「分かりました」
電源を入れてもパスワードの入力画面が出てきて操作が出来なかったが木下先輩が解除してくれた。その間、俺は他の場所を見ていたのでパスワードを知ることは無い。部外者だからな、俺は。
それに会長はまた微笑んでいた。何だ、一体。
「それじゃ作業を再開しよう。如月君は幾らか出来上がっている物を参考にして。分からないことがあったら逐一聞くこと」
適当にやってはいけないことだからな。予算の作成なんてこれからの部活動に直結する部分でもあるのだから手を抜けば色んなところから突っ込まれる。だから何で部外者がやるんだよ。納得できねー。
取り敢えず文句を言った所で現状が変わるわけでもないのでやるしかないんだが。まずは出来上がっているものを確認していく。次にPCで使うものを起動させて作業に取り掛かる。
「それにしてもこの束を処理するのは大変ですね」
各部活ごとにファイルで綴じられているとはいえ結構な量だ。それを会長副会長会計書記庶務でやろうとするのだから優秀な者じゃないと終わらないんじゃないだろうか。
「そうなんだよ。それなのに会計と庶務が腹痛で休むんだから一層大変になったんだから」
生徒会室にいるのは会長と副会長。あと書記の女の子がいる。何か存在感が薄くて俺も最初は気づかなかった。そういえば琴音の記憶にもないな。どういうことだろう。生徒会の者達とは殆ど接触していたと思ったのだが。
俺が見ていることに気づいたら軽く頭を下げてくれたから琴音のことを不快に思っているわけでもないみたいだな。
「あぁ、彼女は斉藤小梢ちゃん。君と同じ2年生だよ。影が薄くて気付き難いけど仕事は優秀だからさ」
「本人を前にして言っていいことですか?」
「私は構いません。自覚していますので」
綺麗な声の子だな。第一印象はそれだったが視界に捉えている限り影が薄い印象はない。だけど視界から外すとどうにも存在感が感じられなくなってくる。どういう能力だよ。
まぁいいや。さっさと仕事を終わらそう。まずは去年の決算と今年の予算を全部PCに打ち込んでいく。それらを相対させて大まかに予算を決めて会長に確認。この流れでどんどん進めていく。
「へぇ、流石学園長が推薦するだけのことはあるね。仕事が早いや」
「現在の会計よりも優秀ですね」
会長と木下先輩の会話に突っ込まず作業し続ける。こういうのは慣れの問題だ。やり方も分かっていてPCの操作に習熟している者なら学生なんかに負けない。早さだけでなく確認も忘れないようにしないと。
ただやりながら思ったのだがこれはかなり時間が掛かる。茜さんが暫く夜勤じゃなかったら連絡しなければならなかった。
「よし、一回休憩しよう。根詰めても駄目だからね。ということで薫、お茶」
「あっ、私も手伝います」
流石にお客様待遇のままではいられない。働いているのだから一時的に俺もこの生徒会の一員となっているのだから。ここまで責任ある仕事をさせられているのに今更部外者ともいえないだろう。
それにしても先程から会長は木下先輩を下の名前で呼んでいるし、何か対応が夫婦みたいな感じなのだが付き合っているのだろうか。最近恋愛事ばかり考えさせられているから思考がどうにもそっち方向にいっている。
まぁ俺に実害があるわけでもないからいいや。
「はい、斉藤さん。お茶です」
「ありがとうございます。如月さんがこういったことを率先してやる方だとは思いませんでした」
「確かに去年まではそうでしたね。そういえば斉藤さんは私のことをどのように聞いていますか?」
「無礼に振舞っても許してくれる方と以前に学園長が訪ねて来た時に聞きました」
「限度がありますけどね。それにしても学園長には一回釘を刺しておきましょう」
段々と俺と関係ないことも話していないだろうかあの人は。何だよ無礼な振舞いとかって。面と向かって罵られたら流石に手を出すかもしれないぞ。それが事実なら仕方ないが。
お嬢様に対する無礼なら別に構わない。ただ個人に対する無礼ならこっちにだって考えはある。
「学園長と親しいのかい?」
「木下先輩にも言いましたが厄介な頼みを聞いているだけです。別にそこまで親しいわけではありません」
「いえ、あそこまで怒鳴るような関係性ですと親しくないわけが」
会長に返すと木下先輩から突っ込まれた。うん、他所から見ればそうだろうなぁ。俺から怒鳴られて困ったような顔をするだけだからな、あの学園長。困っているのは俺なんだが。
そして俺が学園長に怒鳴っていることに会長と斉藤さんが驚いた顔をしている。
「へぇ、あの学園長に怒鳴れる人がいるなんて」
「如月さん、凄い人なんですね」
「仕事面で優秀なのは分かりますがプライベートの面でマイナスです。私が怒鳴っているのはそっちの方なので」
「その前に学園長のプライベートの相談を受けている時点で学生としてどうなのですか?」
「この話はオフレコでお願いします」
つい口から出てしまったが木下先輩の突っ込みで不味い発言をしたと気付いた。確かに学園長と生徒がプライベートの話をしているのは関係性が怪しまれる。俺にそんな気は全くないのだが。
そして会長、ニヤニヤするな。
「弱み一個ゲットかな」
「使わないでくださいよ。私だけじゃなくて学園長にも被害が行くんですから」
「そういえばそうだね」
相変らず読めないな。その弱みをチラつかせれば従う可能性だってあるのに使う気があるように見えない。確かに学園長に被害が行くかもしれないが俺よりも信頼度が高いから被害は俺に一方的に来る可能性の方が高い。
それは会長も分かっているだろう。直接聞くか。
「率直に聞きますが会長の去年の私に対するイメージは?」
「くっそ生意気で邪魔なお嬢様」
「では今は?」
「仕事のできる綺麗で優秀な生徒かな。いやぁ、僕も思うけど、よくこれだけ真逆なイメージになったよね」
「信じる根拠は?」
「やっぱり学園長の声は大きいね。学園の長としての実績もあるし十二本家にも籍を置いている。その人が信用する人物なら僕は信頼できると思っているからさ。それに今期に入ってからの君の情報に悪い物はないからね」
ふむ、やっぱり学園長の影響力は半端ないな。多分恋愛相談に乗っている見返りだろう。いらんと言ったのに。学園での生徒会へのイメージが改善されるなら他の生徒達にも伝播しやすいとか考えてのことだろう。
意外と気を遣われているな。
「なら学園長の信頼には応えないといけないですね」
「本当に変わったよね。それじゃ休憩終わりで続きをやろうか」
会長が一つ手を叩くと各々が自分達の作業を再開していく。信頼されている人だと思いながら俺も作業を再開する。それにしても今日は何時までこの作業をするのだろうか。
絶対に今日だけで終わるような作業じゃないよな。うむ、珈琲の為に頑張ろう。
左目の痛みだけが引きません。片目の作業はしにくいですね。
これで右目にも影響が出ると本当に暫くは作業が出来ませんね。
取り敢えず気を付けます。