第二部までのあらすじと主な登場人物
第二部までのあらすじ
ある晴れた秋の日の昼休みの空に謎の巨大惑星が突然現れた。
中学二年生の咲川章子は、その日の帰宅途中、いきなり現われた神のような人物・ゴウベンから唐突に「君をペアであの惑星にご招待しよう」と告げられる。
戸惑う章子はそこで自分と同じようにこの怪しい人物からあの惑星への招待を受けている一人の少年の存在を知るが、当のゴウベンには章子とその少年を引き合わせるつもりは最初からなかった。
そして一週間という時間が過ぎ、章子は念願のもう一人の少年、半野木昇との対面を果たす。
他愛無い会話から互いの人となりを感じ合った章子と昇はとうとう、ゴウベンに連れられて宇宙を越え、謎だった巨大惑星の地上へ降り立ち、最初の目的地、地球で最初に栄えた古代文明の首都、リクァミスの最高学府に辿り着く。
そこで待っていたのは最高学府の学長とその首席を常に維持する一人の少女オワシマス・オリルだった。
夜、章子たちは招かれたオリルの実家でこの世界の創られた目的、そして数々の事実を耳にし、また目のあたりにする。
この新惑星は神ゴウベンによって過去に地球上で栄えた六つの古代の時代を一つに集められて作られた新しい新世界だった。
しかし章子はその事実以上に、自分と共にこの世界に訪れたはずの半野木昇の予想もしていない思いもよらぬ見解に強い衝撃を受けていた。
はたして自分は本当にこの世界に来てもよかったのだろうか?
昇の姿を見て、章子にふって湧いたいつまでも消えない永遠のようなその疑問に対する答えは三人の少年少女によるこの旅の終りに待っているのかもしれなかった。
第二部までの主な登場人物
咲川章子……この物語の主人公。神のような人物ゴウベンから新惑星へと招かれた中学二年生の少女。祖父母、父母、一つ年下の弟の六人家族。愛知県名古屋市西部の中山区出身。十四歳。クラスでは学級委員長だった。学校の成績は優秀。その仕草から初対面の半野木昇を気にしはじめている様子。
この新世界で旅を始めるにあたり第一時代の基本魔法言語「絶対口語」を現在猛勉強中。
半野木昇……この物語のもう一人の主人公。失踪系男子。章子と同じくゴウベンより新惑星へ招かれた中学二年の少年。後に真理使い、最後の少年(第七の少年)と言われる。愛知県名古屋市東山区出身。十四歳。父母、二つ年上の兄と一つ年下の弟、一匹の猫との五人と一匹の家族。学校の成績は芳しくない。
古代世界の予測される月の様子や自分の体の由来予想など独自に解釈したその特色ある思考回路は咲川章子や第一文明の人々、さらにはオワシマス・オリルを放心させるほどに驚かせる。
現在、この新世界で旅を始めるにあたりその必須条件である第一文明の基本魔法文語「完全文語」に悪戦苦闘中。
この新惑星で会わなければならない誰かがいるというが……?
オワシマス・オリル……この物語のヒロイン。地球上で最初に栄えた文明にしてその時代の唯一国家であるリ・クァミス(通称、第一)の少女。魔法行使を学ぶ為の最高学術学習施設機関、リ・クァミス最高学府学会院のトップに在学時から常に君臨している俊才。しかしその魔法学首席でも昇の発想力には開いた口が塞がらない模様。
母と姉の三人家族。この旅に参加するまでは親元を離れ学寮で生活していた。十四歳。
第一世界の最高意思決定機関、元老学会の辞命により章子と昇の率先役兼教育係として共にこの新世界を旅することになった。
失恋とはまったく正反対の意味で長かった髪を短く切った事を心の奥底にしまっている。最後の少年と対をなす最初の少女。
ゴウベン(業弁)……本名、ヨスベル・ニタリエル・ゴウベン(世を総べるに足り得る業を弁える者)。白昼堂々、巨大な惑星を地球と同じ同一公転軌道上に出現させた張本人。この人物が一体何者なのか誰にも分からない一切が謎の、神さえも及ばない絶大な力を行使する人物。
しかし第一の最高学領などには前々から見識があったようだが?




