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「ただいま」
金色のおさげを弄りながら村の広場の隅で座っていたミンナは、目の前に立った銀髪の友人を見上げた。
同い年の六歳なはずなのに、その金色の瞳は落ち着き、大人びている。
「……おかえり、エピオル。早かったね。まだ三日しか経ってないよ」
「そうねぇ、早かったねぇ。運が良かったのよ、きっと」
憂いを帯びた視線を周囲に向けるエピオル。
大人達は、いつも通りの平和な日常を送っている。
色々有ったが、故郷であるこの村の変わらなさはとても安心する。
落ち着いたらダスターの所に父の状態を説明しに行かないとな。
「それより、私、暇なんだ。居候の四姉妹が家事をやってくれるからさ。遊ぼ」
「うん」
手を繋いだエピオルとミンナは、広場の中心に居るジンメル達に向って歩き始めた。




