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買い物から帰って来たノトルは、自宅の垣根に沿って歩いているジンメルと鉢合わせした。
「あら、ジンメル、こんにちは。エピオルなら中でミンナと一緒に本を読んでるよ。ジンメルもどう?」
頷くジンメル。
「そう。どうぞ中へ。私は水汲みをしないといけないからお相手は出来ないけど、大丈夫よね?」
「……はい。……おじゃまします」
ジンメルは静かに玄関に向かって行った。
「相変わらず無口な子ね」
やはりお菓子の材料を買い足したのは正解だったと思ったノトルは、裏口から家の中に入った。
彼の分のクッキーも早目に焼いてあげなきゃ。




