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16 戦い
「おかえりなさい。どうでした?」
「四姉妹は無事に自宅に送り届けました。それと、隠れ家の手配も完了しました。私の友人が住んでいる、山奥の小さな村です」
「そう……。ねぇ、エーレン。約束は守ってね。絶対守ってね」
「はい。絶対に守ります。家の修理等の細かい準備をその友人に頼んで置きましたので、半月後くらいに出発しましょう」
「……でも、本当にこれで良かったのかな……」
「今度はノトルが迷う番ですか?大丈夫です。父は私が何とかします。私を信じて待っていてください」
「うん……。うん、そうね。信じるって約束したもんね。ごめんなさい。信じる。エーレンを信じます」
「ノトル……」
「エーレン……」
そして二人は抱き合った。
お互いの気持ちを確かめる為に。




