それぞれの追慕
前回で終わりにしようと思ったのですが、
話が短いので、
予定にはありませんでしたが、
他のキャラの心情を書いてみました
神楽淳の場合
さっきまで晴れていたのに、
雨が降ってきた。
まるで俺の心を表しているようだ。
俺はただ立ち尽くす。
怜悧ちゃんは血まみれになったショウの死体を
抱きながら泣いている。
ショウ……俺は、仮にもお前の父親として
らしいことしてやれたか?
社会的な父親としてのことは
してやってたと思う。
だが、人間的な父親として
おまえには何をしてやれたのか、
俺にはわからない。
クソッ!もっと早く、茜を見つけてれば!
心の中でそう叫ぶ。
ショウが死ぬんなら、せめて茜に
会わせてやりたかった。
そうだ、茜は?
茜に連絡してみよう。
…………クソッ!なんで出ないんだよ、茜!
ショウが死んだってのに!
そもそも茜は、あの場所にいたのか?
もうすぐ警察もここに来る。
可哀想だが、この場所は怜悧ちゃんに任せよう。
俺は、茜に会う必要がある………
赤島怜悧の場合
「ショウちゃん……」
それから警察と救急車が来て、
ショウちゃんの死体を運んだり
相手の運転手を連行したりしていた。
私は母に抱きしめられながら泣いていた。
なんで、ショウちゃんなんだろう。
ショウちゃんはずっと茜さんを待っていた。
なのに、なのに!
こんなの、可哀想だよ……
ショウちゃんは茜さんを見つけたことを
神楽さんに聞いた時、すごく喜んでた。
長い間ショウちゃんと一緒にいたけど、
あんな笑顔を見たのは久しぶりだった。
「さよなら、ショウちゃん…
大好きだったよ。」
母の腕の中で呟いた。
せめて茜さんに会わせてあげたい。
そのためなら、私は何でもできる……
とある廃ビルの屋上に、一人の女が立っていた。
事故現場からはそう遠くない。
彼女はとても儚げで、風に揺れる長い茶髪と、
雨に濡れる姿がとても幻想的だ。
彼女の携帯電話が頻りに鳴っているが、
それを気にせずただ事故現場の方を見ている。
「翔……」
いかがでしたか?次からは第二章です。
ボタン押し間違いで完結にしちゃいましたが、
まだ続きます。すいません