非業の死
前回より長いです。
1.2話ともに読み安く改行しました
ハハ、おもしれえな。
あんな幸せが、一瞬で消えたよ。
猛スピードで突っ込んできたトラックに
撥ねられて、地面に叩きつけられた。
体中が痛い、痛すぎる。
意識が遠くなってくる…「死」って、
こんなものなんだな。
「ごめん、姉さん…」
遠くなる意識の中で、
ボソッと呟いた。
会いたかった、
とても会いたかった。
………………。
あれ、俺、死んだのに、
まだ意識がある。
ん?か、体がない!?
あれ、あれ、何だこれ?
あそこに俺の死体がある!
俺、浮いてる!?まあ、クラスでも浮いてたけど
…って、こんなこと言ってる場合じゃねえ!
な、何なんだこれ…。
それから俺は、事故現場の行く末を見ていた。
どうやらトラックの運転手は
居眠り運転をしてたらしい。
俺の声や姿はみんなには分からないが、
みんなの声や姿は分かる。
まさかそんなクズ野郎に殺されるとはな…。
怜悧と父さんが事故現場に来た。
怜悧は血まみれになった
俺の死体に抱きついて泣いている。
父さんはただそれを見て立ち尽くしている。
「ゴメンな、怜悧、父さん…」
姿はないが涙が流れた気がした。
「仕方ないよ、事故だもん」
それまで何度叫んでも誰にも
聞こえなかったのに、
突然オレの声に返答が来た。
女の声だったような…。
「だ、誰?」「アハハッ、ここだよ」
声の方を向くと、小さい女の子が
立って、いや、浮いていた。
「な、何だ君は?」
「そうです!私がかわいい妖精さんです!」
い、痛すぎる…。
「えへへ、冗談はこのくらいで、
自己紹介するよ!」
………、もうついていけない。
ただでさえ混乱してんのに。
だが、次の彼女の言葉で更に
混乱することになる。
「私はステラ。あなたみたいに魂だけの存在に
なった人をサポートしてるんだよ!」
……。
「意味がわからないって感じね。」
「強い願いが叶わぬまま死んだ人は、
魂だけ残るの。そう、あなたみたいに」
強い願い……。やっぱ、姉さんの事だよな
「なら、残酷だな」俺は強く言う。
「え、なんで?」
「だって、願いを叶えなれず、
ただ浮いてるだけなんだろ?
惨め過ぎるよ…」
「ちょっとー、人の話は最後まで聞くべし!」
「魂だけの存在になった人は、
生き返るチャンスがあるんだよ!」
是非ご感想下さい!