第一話
俺は本を見て、信じられなかった。
此処が異世界だという事を。
俺はその本を読み進めた。
そして、この世界について少し分かった。今、この世界には大きく三つに別れているようだ。
一つ目が“人間族”だ。人間は能力的には低いが繁殖力が強く、世界の人口の半数異常が人間だと言われている。そして、最も欲が強く、国同士の争いが絶えないのだそうだ。更には最近では勇者と呼ばれる者が多数いて、その戦闘能力は圧倒的だと言われている。そのため、十数年前の最強に種族と言われた魔族との戦いで勇者が一騎当千の力を持って、魔王を打ち倒し、人間側を勝利に導いたそうです。実質、人間が今の世界を支配している言っても過言ではないらしい。
しかし、今はそれを巡って、人間同士で争っているようだが。
二つ目が“魔族”だ。能力的にはどの種族よりも最も高く、その中でも魔法が得意で十数年前までは最強の種族と言われていたようだ。繁殖力は低く、今では元々の数の半数にまで減ったそうだ。先の戦いでは勇者たちに魔王と数多くの魔族を殺され、今は新たな魔王が魔族を纏めて人間族に対して反旗を翻そうと準備をしているらしい。
最後は“亜人族”。他の種族よりも身体能力が高く、繁殖力はそこそこらしい。人間が基本的に嫌いで魔族と同盟を組んでいて、今は魔族に対して積極的に援助をしているらしい。
その他にも“竜”などの種族もいるらしい。
これを見た俺は一騎当千の力を持つ勇者について知りたくなった。
どのような人物たちなのかと。
だが、まずはこの本を読み進めてからにしようと決めた。
そして、次のページに『ステータスと言え』と記してあったので、俺は言い放った。
「ステータス!」
すると、目の前に何かが浮かび上がった。
名前:佐藤 龍治
性別:♂
レベル:1
加護:魔神の加護
種族:異世界人
職業:ダンジョンの主
体力:392
魔力:550
筋力:83
防御力:79
俊敏:101
【スキル】
・ダンジョン創造:A
ダンジョンを自由に創ることが出来る。ダンジョンの中も自由自在に変える事が出来る。だが、ダンジョンの最奥にあるダンジョンの核を破壊又はダンジョンの外へ持ち出すとダンジョンは崩壊する。
ダンジョン内で殺された魔物は暫くすると、復活する。
・魔物創造:D-
D-ランク以下の魔物を創作することが出来る。
・魔物配合:D
Dランク以下の魔物を自由に配合して、新たな魔物を作ることが出来る。
・魔物制御:C
Cランク以下の魔物を制御することが出来る。それ以上のランクになると制御することが出来ない。
・ 転移魔法陣:D-
魔法陣と魔法陣を繋げて転移することが出来る。半径1kmの間を魔法陣を繋げて転移することが出来る。魔力の消費量が殆ど要らない。
・千里眼:D+
3km先の人の顔を簡単に見分けることが出来る。
・カリスマ :C-
威厳のある態度を出すことが出来る。
・状態異常無効化:B
毒や状態異常魔法を完全に打ち消すことが出来る。特殊な毒や状態異常魔法は完全に打ち消すことは出来ない。
・魔法:C+
C+ランク以下の魔法を使用することが出来る。魔力が無ければ、発動することは無い。
属性魔法は基本的に誰もが一つ持っている。
だが、龍治は『魔神の加護』によって全ての魔法を使用することが出来る。
・才能:B
スキルの取得又はスキルランクが上がり易くなる。
・魔法耐性C+
攻撃魔法、状態異常魔法を半減することが出来る。
・体術:E-
体術の素人。
・弓術:B+
持ち前の射程距離内では百発百中。
・不老:S+
老いることがない。どんなに年月が過ぎようとも寿命で死ぬことはない。
・魔神化1/100
100/100になると魔神となる。
【考察】
異世界から魔神の後見人として連れて来られた元人間。魔神の後見人としての素質を持っているために連れて来られた。龍治が読んでいる本は魔神が書いた物。
これを見た俺は半ば此処が異世界だと半ば確信してしまった。
そう思った俺はこれからどうすれば良いのかと考えた。それで俺はとりあえず、本を読み進めることにすた。
そして、次のページに進むと『此処はダンジョンだから、冒険者達が一杯やって来るよ』と書いてあった。
さらに、
『君が一応、ここのダンジョンの主だから、君を倒しに来るよ』とも書いてあった。
これを見て、俺は急いで本を読み進めようとした。
そして、次のページには
『あと、心配しなくても二ヶ月は来ないよ』と書いてあったのでかなり安心した。
今、来られたら速攻でやられると思う。何故だって?
武器も経験も無しでどうやって本職の人に勝てと?
多勢の人が押し寄せて来たら、どうやって対処しろと?
あっという間やられると思う。
はぁー…そうなったら、どうしようか?
まぁ、それは後回しにして次に行こう。
俺は本に書いてある手順に沿ってダンジョンを創造することにした。
ダンジョン創造や魔物創造は魔力を使うようでダンジョンは階層を増やす程多くの魔力が必要になるので今は生活階層と他に二階層増やすことにした。
[550⇒450]
次に『魔物を創ろう』と本に書いてあった。
創造した魔物は基本的に自分に従うらしい。
俺はそれを見て、少し安心した。けれど、それを全て鵜呑みにはしないが。
まず、初めに生活に必要な家事をしてくれる魔物がいるらしい。
俺はその魔物を創ることにした。
その魔物の名前は【メイド】。
えっ・・・・・・・?
【メイド】って魔物だったの?
そんなことを疑問に思いながら、創造することにした。
【メイド】を創るのに魔力が30必要らしいのでまずは二体創造した。
[450⇒390]
すると、目の前に魔法陣が現れ、二つの人影が見えた。 魔法陣が消えるとメイド服を着た女性が2人現れた。
「おはようございます。主様」
二人は挨拶をしながら綺麗な礼をした。二人とも顔が整えられていて美人と言うレベルだった。
「ああ、おはよう」と少し驚きながら、二人のステータスを見た。
名前:ーーーー
性別:♀
レベル:1
加護:
種族:小悪魔
職業:メイド
体力:62
魔力:6
筋力:51
防御力:35
俊敏:45
【スキル】
・料理:C-
それなりに料理を作ることが出来る。
・掃除:C-
それなりに掃除をすることが出来る。
・裁縫:C-
それなりに裁縫をすることが出来る。
・力持ち:D−
力持ちになる。
・護身術:D+
それなりの護身術を使うことが出来る。
【考察】
龍治に忠実なメイド。
下級悪魔よりも下の最下級の悪魔。
能力が以外に高かった。
しかも、一応魔物だったし。
この世界の一般的な大人の男性のステータスは魔力以外全て10らしいのでそれに比べて強いのが分かった。
まぁ、俺の方がステータス的に強いと思うけど。
二人がまだ、此方を向いて立っているのが少しばかり気まずかったので何かを話すことにした。
「まず、自己紹介からしようか。俺の名前は佐藤 龍治と言う。二人の名前は何と言う?」
「いえ、私達に名前はありませんので」
彼女たちは名前が無いと言ったので名前を決めることにした。
「では、俺が君たちの名前を決めることにしよう」
俺がそう言うと、彼女たちが目を見開いて此方を凝視した。
「よ、宜しいのですか?」
彼女は少し震えるように口を開いた。
「ダメだったのか?そうなら仕方ないな」
俺がそう言うと。
「いえ!そんな事はありません!逆に嬉しいのです」
彼女たちは急いで訂正した。
「そうか、それなら良かった。では、決めるとしようか。右の赤い髪の君の名前がリーンで左の青い髪の君がベルでいいかな?」
僕が彼女たちに向かって言うと。
「はい、ありがとうございます」
「とても、嬉しいです」
ぱっと出て来た名前だったのでこれで良かったのかのかなと思ったのだけど、リーンとベルが嬉しいそうだったのでいいかと思って次の話をすることにした。
「さて、次の話をしよう。君たちには主に家事をして貰いたいのだがいいかな?」
「はい、大丈夫です。お任せ下さい」
彼女たちはそう言うと深々と礼をした。
「じゃあ、宜しく」
「はい、分かりました。それでは早速行って参ります」
「あぁ、宜しく頼むよ」
二人はそう言うと扉を開けて出て行った。
次に本物の魔物を創造することにした。今、創造出来る魔物はスライム系、獣系、アンデット系、植物系、虫系の下級魔物などが創れるようなので早速何か創ろう。
まずは魔力が一体で10だけで済む、スライムを十体創造した。
[390⇒290]
すると、魔法陣が現れ10体のぷよぷよしたスライムが現れた。
名前:ーーーー
性別:不明
レベル:1
加護:
種族:スライム
職業:魔物
体力:2
魔力:26
筋力:14
防御力:8
俊敏:7
【スキル】
・変形:D−
形を変えることが出来る。
・物理耐性:D
物理攻撃を少し半減させる。
・魔法耐性:D+
攻撃魔法、状態異常魔法を少し半減させる。
【考察】
体がぷよぷよした魔物。体力が低いために雑魚と呼ばれる魔物。スライムから獲れるスライムゼリーは肌に非常に良いので一昔、大量に狩られてしまって今ではスライムをあまり見かけなくなった。
以外にスライムの能力が良かった気がする。体力は低いけれど、体力を上げれば強くなると思った。
スライムたちのステータスを見てると一匹だけ気になるスライムがいた。
名前:ーーーー
性別:不明
レベル:1
加護:
種族:スライム
職業:魔物
体力:8
魔力:39
筋力:23
防御力:10
俊敏:14
【スキル】
・変形:D−
・物理耐性:D
・魔力耐性:D+
・吸収:C+
何らかの物を吸収するとそのスキルを自分の物にすることが出来る。
こいつ、かなり強いな。何でこいつだけ他の個体とこんなにも違うのか。
しかも、吸収と言うスキルがかなり良い。
俺はこれを不思議に思ったのでもう一回、スライム十体を創造した。
[290⇒190]
俺はスライム十匹のステータスをよく見たが、若干の違いがあっただけで特に変わったところは見受けられなかった。
俺は魔物を創造した時に稀に強い個体が出るのだと今のところはこれで結論付けたのだった。
そして、その後魔物の餌となる実がなる木を九本創造した。
[190⇒10]
その後、強いスライムにピースと言う名前を付け、メイドに探索の報告について聞くとダンジョンの中には演習場や武器庫や宝物庫や食糧庫等があったらしいので、俺はメイドに家事をするように頼んで俺は武器庫に行って、弓と矢を持って演習場に向かった。
そして、メイドに呼ばれるまでの間、これからどうするかと思案もしながら矢を的に向かって射続けたのだった。
※ダンジョンの中は外と同じように昼や夜があります。
〔一般男性〕LV4~7
体力:35~45
魔力:0~?
筋力:10~15
防御力:10~15
俊敏:10~15
【スキル】
特に無し
〔見習い兵士〕LV6~12
体力:50~60
魔力:0~?
筋力:20~25
防御力:15~22
俊敏:14~20
【スキル】
剣術:E
〔見習い魔法使い〕10~15
体力:30~43
魔力:25~40
筋力:15~25
防御力:10~15
俊敏:10~20
【スキル】
魔法:E
*上の例えは「人間族」の場合。
・ランクについて
下級神 S⇒S+⇒X-⇒X
超人 A⇒A+⇒S-⇒S
達人 B⇒B+⇒A-⇒A
中堅 C⇒C+⇒B-⇒B
一般 D⇒D+⇒C-⇒C
見習い E⇒E+⇒D-⇒D
それ以下 F⇒F+⇒E-⇒E
*「一般」と言うのはそのスキルの中で一般的なランクと言う意味。