プロローグ
皆さんはダンジョンと言う物を知っているだろうか?
魔物が徘徊し、その魔物を打ち倒す冒険者達。
そして、その奥にはダンジョンの主がいて、莫大な宝が眠っていると言う。
そのような物を知っているだろうか?
俺は知っている。
何故なら・・・今、いる場所が上で言ったようなダンジョンだからだ…。
俺は何時も同じ日常を過ごしていた。 学校へ行ったり、友とバカやったりもした。
俺はそんな日常は永遠に続いて行くのだろうと思っていた。
だが、そんな日常は永遠には続かなかった。
俺はいつものように部活を終えて、暗い夜道を一人、歩道を歩いていた。 時折、脇を通る人や車のライトを見ながら、一人夜道を歩いていた。
帰り道の信号が赤から緑に変わるのを待っていた。そして、信号が緑へ変わるのを見て、俺は横断歩道をゆっくりと渡っていた。
横断歩道の中頃まで来ると、突然横から甲高い音と強い光が当てられ、横を見る。すると、大きい何かが横転しながら此方に向かって来ているのが見えた。
それを見て、俺は命の危機を感じ、咄嗟に走り出した。迫り来る何かから必死に。
だが、それは無情にも刻一刻と迫って来た。
俺はそこで家族や友達やこれまでの出来事を思い出していた。 不意に目から何かが零れ落ちた。
そして、存外呆気ない終わりだなと思いながら、俺の意識は眩しい光と音共に消えていった。
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今日未明、○○区○○でタンクローリー、一台が横転し炎上したと言う情報が入って来ました。
目撃者の情報より一人の男性がタンクローリーと衝突したとのことです。
事故に遭った男性が所持していたと思われる鞄の中に身元を証明する物が入っており、名前は…佐藤 龍治さんが事故に遭ったとして捜査が進められています。しかし、遺体はまだ見つかっていません。
それと—————————
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そして、俺は目を覚ました。
「ここは何処だ?」
俺は冷んやりとした地面の上に横たわっていた。
俺は片手をついて体を起こした。そして、辺りを見渡すとかなり奥の方に壁があることに気がついた。上を向いたら二十メートル程上に壁があることが分かった。片手をついている下を向くとレンガを綺麗に敷き詰めたられた地面があった。そして、手をついた横には少しばかり分厚い本が置いてあった。
俺は本を手に取って、本を少し読むと信じられない事が記されていた。
此処が・・・・・異世界だということを。