日和
この小説は、フィクションです
どうしよう…。
俺は、この先どんな生き方をするんだろう…。
いつから、こんな風になってしまったんだろう…。
たぶんあの時だ…。
あの時から変わり初めてしまったんだ…。
俺は、小学生の時に引っ越した。
まぁ引っ越したと言っても、地区が変わったくらいで、あまり移動してないんだけど。
普通なら引っ越しした地区の学校に通わなきゃいけないんだけど、俺は転校するのが嫌だったから、そのまま前の学校に通った。
毎日毎日、数キロの道程を数時間かけて学校に行った。
6年生になった時、毎日長い時間をかけて学校に行く事が嫌になった。
だから俺は、自転車で通うようになった。
学校で禁止されてたんだけど。
たぶん、その頃から変わり始めたんだろうな。
俺は中学に入った。
2つの地区が合わさった中学。
1年になった俺のクラスに知り合いは、いなかった。
同じ小学校の生徒は何人かいたけど。
俺は学校に居たくなかった。
知らない奴ばかり。
全然楽しくなかった。
そんな時、1人の女の子が話掛けてきた。
名前が似てて嫌でしょ?って。
最初は、意味が分からなかったけどすぐに分かった。
俺の前の席のAは、俺と名字が1文字違いだった。
Aとは小学校は一緒じゃなかった。
でも少し知っていた。
中学校で、いろんなイタズラをしていたし、小学校でもイタズラしてたみたいだ。
だから結構有名だった。
俺とAは、すぐに仲良くなった。
名字が1文字違いと言う話題があったし、なにより性格や、趣味が似ていた。
俺は、Aと学校以外でも遊ぶようになった。
初めてAと暇つぶしにショッピングセンターに行った。
その時Aは、万引きをした。
万引きは悪い事だが、俺は何も言わなかった。
それどころか、俺はAに盗んでほしい物を頼むようになった。
俺は何度も何度もAに盗んでもらった。
それから俺は、Aがいない時は自分で盗むようになった。
何度も何度も盗みを繰り返した。
欲しい物があれば盗む。
俺は癖になった。
万引きを繰り返す内に、盗む物はエスカレートして行った。
お菓子を盗み、ゲームを盗み、自転車を盗み、バイクを盗み…。
俺は辞める事が出来なかった。
万引きをする為に学校も休んだ。
そして、だんだん学校に行く回数が減っていった。
そんな中、Aが大金を持って俺の家に来た。
Aは車上荒らしを、していた。
お金が欲しかった俺は、Aと一緒に車上荒らしをした。
車上荒らしをして財布の中は、いつも数万入っていた。
そんなある日、突然姉が髪を金に染めて帰ってきた。
それからと言うと、姉は何かと母に反抗するようになった。
姉は、俺の2つ上。
ろくに学校も行かなくなり、何日も帰って来ない日もあった。
その度に母は、姉を心配していた。
母の姉や親は、片親だから俺の姉が、あんな風になったんだ。と母を責めた。
だから俺は、姉の様にならないと誓った。
それから俺は、万引きや車上荒らしを辞めて、少しずつ学校に行くようになった。
少し月日が経って、母は金を稼ぐ為に、毎日仕事をするようになった。
そして母は、数か月に何日かしか帰って来なくなった。
俺は、母が居ないことを良い事に、また学校をサボり始めた。
そして欲しい物があると、また万引きを繰り返すようになった。
俺は、万引きと車上荒らしを繰り返し、学校に、まったく行かなくなった。
2年になるとAとは、別のクラスになった。
だけど俺とAは、学校をサボり遊んだ。
毎日毎日。
そんな時、突然Aが学校に行くようになった。
話を聞くと、Aの親に学校をサボっていた事がバレたらしい。
Aは親に殴られアザができていた。
Aは、俺を学校に誘ったが、俺は学校に行かなかった。
独りになった俺は、車上荒らしで手に入れた金でゲームセンターに行くようになった。
毎日ゲームセンターに行き、金が無くなると車上荒らしをした。
そんな時、同じクラスのBと出会った。
Bは、何度か警察ざたを起こしたりしている、いわゆる不良だった。
俺はゲームセンターでBと、よく会うようになり、だんだん仲良くなっていった。
Bと居ると楽しかった。
Bに誘われて、学校にも少し行くようになった。
たまにBのオゴリでカラオケに行ったりした。
毎日が楽しかった。
2人で万引きしたり、車上荒らしもした。
俺達は、万引きや車上荒らしでは飽き足らず、ひったくりをするようになった。
2人で自転車に乗って。
何回も繰り返した。
そんな時、俺は、ふ、と思った。
金を盗んでどうするんだ?って。
その日、ひったくりに行こうとBに誘われたが、俺は断った。
じゃあ1人で行かくら、盗んだら〇〇で待ち合わせな。
と言ってBゎ近くを歩いていた女の人のバックを盗んだ。
すると女の人の叫び声が聞こえた。
俺は突然の事に驚いて逃げた。
少し経って、待ち合わせの場所に向かった。
その間、何台ものパトカーとすれ違った。
俺は、なんだか楽しくなった。
俺達2人の為にバカみたいに捜し回る警察が面白かった。
今思うと、スリルを楽しんでいたのかもしれない。
待ち合わせの場所には、Bが待っていた。
俺は、Bと金を山分けして別れた。
次の日もBに、ひったくりに誘われた。
俺は、一緒に行くことにした。
だけど、その日はいつもと違っていた。
バックを盗んだ後、追い掛けられた。
俺達は、やっとのことで逃げた。
そして近くの公園で金を山分けした。
そしてBと別れて、家に帰った。
数時間経つと、家に警察が来た。
警察は、俺に似顔絵を見せて、ひったくりをしただろ。と言った。
俺は素直に認めた。
あまりにも似顔絵が似すぎて、逃げられないと思ったから。
警察は、俺の腕を掴んで連れていった。
その時、ちょうど姉が帰ってきた。
姉は、俺が連れていかれるのを見て、何度も俺にどうしたんだ、って聞いてきた。
俺は、何も言わずに警察に連れていかれた。
パトカーに乗せられ、警察所に行った。
警察所には、すでにBが居た。
俺は、Bとは別の部屋に連れていかれた。
少し警察と話た後、警察は〇〇時〇〇分逮捕。
と言って、俺に手錠をかけた。
だが、警察は、すぐに手錠を外した。
そして、俺は留置所に入れられた。
留置所で一夜を過ごした後、また手錠をかけられ、紐で繋がれたまま、何処かに連れていかれた。
俺は、手錠をしたまま、盗んだ場所や、盗んだバックなどを捨てた場所に立たされ写真を撮られた。
そして、警察所に戻ると、変な数字の書いてある板を持たされ、写真を撮られ、指紋も採られた。
また留置所で一夜を過ごした後、手錠をされて、裁判所に連れていかれた。
裁判所で、また留置所のような所に入れられた。
俺は、コレが終われば、すぐに帰れると思っていた。
だけど、それは間違っていた。
数時間経って俺は裁判所を出た。
また手錠をされて。
数時間車に乗り、1つの建物に着いた。
俺とBは、建物の中に連れていかれた。
建物の中には、いろんな部屋があった。
その部屋の一室に入ると、偉そうに椅子に座った男の人がいた。
そこで俺とBは、手錠を外された。
偉そうな男の人は、突然、
君達は、今日からココで過ごしてもらう。そして、自分達の犯した過ちを償ってもらう。
と言った。
俺とBは、服を着替えさせられ、また留置所のような部屋に入れられた。
俺とBは別々の部屋に入れられた。
部屋には、小さなテレビと洗面台、そしてトイレがあった。
やっと一人が寝れるくらいの小さな部屋。
そこは、鑑別所と言う場所だった。
俺は、やっと自分の犯した過ちに気が付いた。
俺は、毎日その場所で反省した。
そんなある日、誰かが面会に来た。
親の姉と、俺の姉だった。
親の姉は、俺を心配したかのように話掛けてくる。
だけど俺には、綺麗事を言ってるようにしか聞こえなかった。
早く消えてほしい。
俺は何も喋らなかった。
面会の時間が終わり、母の姉と、俺の姉は帰って行った。
俺は、部屋に戻ると、鑑別所で働いてる人に、部屋を変えると言われた。
そして、俺は、3、4人で過ごす大部屋に移された。
次の日、母が面会に来た。
母は、俺を見るなり泣きだした。
母だけには見られたくなかった。
俺は今すぐ消えてしまいたかった。
俺は、この時も何も喋らなかった。
大部屋では、俺と同じように、鑑別所に入った人達と過ごした。
一緒に過ごす内に、仲良くなった。
トランプをしたり、なぜココに入ったのか、いろんな話をしたりした。
俺は、それが楽しくて反省するのを忘れていた。
ある日、弁護士が俺に会いに来た。
弁護士は、俺の犯した罪の大きさなどを何度も話した。
しまいには、ちゃんと反省しているのか?
と言った。
俺はムカついたから何も喋らなかった。
弁護士は諦めたように帰って行った。
その後何度か弁護士が来たが俺は返事しかしなかった。
そして、約一ヵ月が経ち、俺は鑑別所を出た。
保護観察処分が付けられたけど。
俺は家に帰ると、母に連れられ、保護士の所に行った。
保護士と少し話した後、カードを渡された。
そのカードには、
保護観察期間〇年〇月から〇年〇月まで
と書いてあった。
俺が20歳になるまでだった。
それから、毎月2回保護士の所に行った。
鑑別所を出て学校に行くと、職員室に連れて行かれ、いろんな先生と話した。
先生達は皆、俺を哀れな眼で見た。
だけど生徒指導の先生だけは、俺と ちゃんと話てくれた。
教室に行くと、クラスの奴等が、捕まったのか?
と俺に聞いてきた。
それは、もうウザぃくらいに。
俺は、修学旅行を終え、3年になった。
3年では、またAと同じクラスになった。
夏休みが始まると、また母は、仕事で家に帰ってこなくなった。
夏休みが終わると、俺は、また学校に行かなくなった。
数か月経ち、母が突然帰ってきた。
母は、俺を見るなり、俺を殴った。
学校に行かないなら出ていけと言われた。
その時俺は、なぜか反抗して学校には行かないと言った。
すると母は、また俺を殴った。
ムカついた俺は、母に、
育てきれないなら離婚する時に俺を引き取るな。
と言った。
母は泣きながら俺を何度も殴った。
姉は必死に止めようとしていた。
次の日母は、学校だけは行ってと言い残し、また仕事に行った。
俺は学校に行ったが、教室に入りにくく、保健室に行くようになった。
保健室で過ごしてた俺に、生徒指導の先生が、会議室を使っていいから、そこで勉強しろ。と言った。
会議室には、すでに、3人がいた。
俺と同じ歳の女Cと、俺の1つ下の学年のDとE。
俺達は、すぐに仲良くなった。
毎日4人で、夜遅くまで遊んだ。
たまにAも交じって遊んだ。
そして俺達は、また学校に行かなくなった。
全員で遠くまで遊びに行き、補導され学校に連れて行かれたりもしたが、俺達は学校に行かなかった。
そして卒業式の日、俺達は全員で学校をサボった。
数日たって俺とAとCは、学校に卒業証書を取りにいった。
そして俺とAは、私立の高校に入学した。
だけど続かなかった。
俺とAは学校を辞め、また2人で遊んだ。
毎日何をするわけでもなく。
さすがに、これじゃダメだと思った俺とAは、仕事を探した。
俺とAは、同じ仕事を始めた。
だけど、続かなかった。
俺とAは、いろんな職場を転々とした。
その内に俺は、職を探さなくなった。
そして今。
Aは仕事を見付け、Cも仕事を見付け、DとEは真面目に高校に行っている。
俺だけ何もしていない。
何をしたいのかもわからない。
どうすればいいのか?
それは今だ何もわからない…。