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4.怠惰が悲劇の代名詞になることを魔王(私)は由としない

記憶の整理が完了した。


「馬鹿すぎる、どうして私の今がこんな馬鹿で、軟弱なの」


耐え忍ぶことに何の意味がある?

オルテンシア・レイアードの人生を哀れと評する者はいるだろう。実際、そうなのかもしれない。ただ、私から見た彼女は哀れではない。


オルテンシア・レイアードは怠惰な人間だ。


現状に甘え、己の悲劇を嘆くだけの怠惰な存在。

強大な力を前に、成す術なく翻弄され、まさに悲劇と評される人生を歩む者はいるだろう。だが、そう評される者たちは、少なくとも現状を打破しようと足掻いたはずだ。


そう足掻いた者だけが、悲劇の主人公を名乗れる。

それすらせず、悲劇に酔うだけの怠け者に名乗る資格はない。


「悲劇など認めない。私は、私の人生を歩むのみ」


始めるは、悲劇ではない。活劇だ!


さて、そのためにまずはどうしようか。

厄介なのはガルンシアだ。あれをどうにかしない限り現状への打破はできない。


「・・・・・殺すか?」


どうやって殺す?

それに、彼を今殺すと今度は後継の問題で親戚連中が出てくる。

これ幸いとレイアード伯爵家を乗っ取りに来るだろう。別に、欲しいのならくれてやるのだけど、そうなるとオルテンシア・レイアードは生きていけない。


今の私は魔王ではなく、無力で軟弱な人間なのだから。


「そういえば、魔力はどうなのだろうか?」


魔王の時はその名に相応しいだけの膨大な魔力を有していた。

オルテンシアに期待はできないが、仮にも魔王の器だ。全盛期には及ばなくとも、それなりに持っているはずだ。と、思いたい。


取り敢えず、期待と希望を込めて意識を自分に向けてみた。


私の記憶が正しければオルテンシアが魔法を使ったところは見たことがない。

持っていない可能性もある………いやいや、仮にも魔王だった私の器だ。


持ってないわけがない。もっている、はず。

…………持ってるよね。

あまり、期待はしないでおこう。失望と絶望が大きそうだ。


結果として、オルテンシア・レイアードが内包している魔力は全盛期の魔王に及ばないまでも魔王(私)の器に申し分ない。


「さすが、私の器だ」


これなら使い物になる。


「さて、これからどうすべきか」


謹慎中だったな。

でも、この部屋に訪れる人間はいないし出て行ってもバレない。

それに今の私は転移魔法が使える。

それなら、自由に動ける。


ガルンシアをどうにかすべきなのだろうけど、正直言って、アイツは邪魔というだけだ。

別に興味はない。アイツがどうなろうが、どんな人生を送ろうが魔王(私)には関係ないのだ。


ならば、優先すべきは情報収集

私の死後、皆がどうなったかだ。


「上手く、生き延びてくれればいいのだが」


もし、私と一緒に殺されていたならば彼らも今の私のように生まれ変わり、新たな人生を歩んでいるのだろう。


それならば、それでいい。

幸福な人生を歩んでくれているならば。


「確かめよう、この国の、世界の歴史を」


歴史が全てではないが、知る方法としては最も有効的だ。それ以外に知るすべはないとも言えるが。

ポイント、よろしくお願いします。

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