2層踏破
結局昨日は考えがまとまらないまま朝を迎えてしまった。
とりあえず朝の支度をし今日もダンジョンに向かう。
踏破済みのダンジョンは魔法でスキップ出来るのだがウォーミングアップとして1層から攻略していく。
狼の動きには完全に対応できるので何も考えず、スキルに身を任すだけですぐに殲滅でき、それはボスも一緒だった。
あっという間にボスを倒し、2層の攻略を始める。
基本ゴブリンは3匹以上で群れているので正面から戦うと不利だ。
そして声がうるさいので戦っている間に別のゴブリンがやってくることもある。
俺は1グループのゴブリンを見つけるとすぐには攻撃せずゴブリンの様子を見る。
ゴブリンが目を逸らした時に素早く距離を詰め
上から斜めに振り下ろし敵を切り裂く。そしてそまま下から2匹目も切り上げる。
最後の1匹は切り上げた剣を両手で持ちゴブリンの頭に突き刺して戦闘が終わった。
その後も
ゴブリンを奇襲攻撃し素早く戦闘を終わらすことで
ダメージを微量に抑えてボス部屋まで来た。
「とりあえずボス部屋まで来たけどどうしよう。ポーションは上級が3つか....」
狼の戦闘と違い、各戦闘ごとに集中力を使っているのでいつもより披露感がある。
「でもせっかくボス部屋まで来たんだから自分の実力試してみるか。」
俺はボス部屋を開けて中に入った。
中にいたのはゴブリンが2匹。
1層の狼違い体の大きさは通常の敵と同じだ。
これだけなら雑魚敵と変わらないが
持っている武器が違っていた。
通常のゴブリンは棍棒を持っているが
その2匹が持つ武器は片方が俺と同じ片手剣
もう一方は杖だった。
敵はこちらを視認すると
ゴブリン(剣)はそのまま突進しゴブリン(杖)は魔法の詠唱をしこちらに火球を放ってきた。
俺は回避を優先し距離を取る。
距離を取っている間にも火球を放ってくるので
何度も回避をする。
「くっそ、やりづらいな。回避しながら攻撃パターンを掴むしかないか。」
そして戦闘から十数分後.....
敵のゴブリン(剣)はそこまで強くないが
ゴブリン(杖)が厄介すぎる
突進してきたゴブリン(剣)の隙を埋めるように火球が飛んでくるので攻撃が糸口が見つからない。
だが詠唱に時間がかかっているので一発打ったところを狙えば倒せるかもしれない。
俺は敵の何度目かの突進に合わしてこちらも突進をする。
敵から振り下ろされた剣を下からの切り上げで弾き、
そのままゴブリン(杖)の元に駆け込む。
ゴブリンは焦って詠唱を破棄し距離を取ろうとするが
前衛職でないためか動きが遅い。
俺はその隙を逃す訳もなく切り刻んだ。
「手こずらせやがって、これでもくらえ!!」
連撃を数発入れてゴブリン(杖)に致命傷を負わせることが出来た。
態勢を取り戻したゴブリンがこちらに向かってくるが
遠距離攻撃をしてくる相手がいなくなり、敵はこちらよりも弱いので負けるはずがなかった。
ゴブリンが腕を振り上げた瞬間に後ろへ回り込み横に一閃しそのまま連撃をし続けると地面に倒れた。
ゴブリン(杖)の方もとどめを刺そうと距離を詰めると
最後の力を振り絞りこちらに向かって火球を打ってきた。
「うおおおおおっ!!!」
俺は止まらず渾身の力を込めて火球もろとも
ゴブリンをを切り裂いた。
ゴブリンは大きな悲鳴を上げ絶命し、地面に倒れた。
「やった...やったぞ!俺の手で打ち勝ったんだ!!」
俺は腕を振り上げ歓喜し喜びを噛み締めた。
戦闘後の素材回収をしているとそれぞれの死体の下に
スキルクリスタルが落ちていた。
ゴブリン(剣)の所には剣術スキル1
ゴブリン(杖)の所には火魔法スキル1があった。
「こんなご褒美があるなんて、頑張った甲斐があるなぁ〜。」
スキルクリスタルも合成が出来るのだが
5個集めないと行けないためあと3つ必要だ。
火魔法スキルについては遠隔攻撃が出来る便利スキルの為すぐに使った。
とりあえず3層に降りて2層をスキップできるようにしてから俺は出口へ向かった。