ランクアップ
朝起きて宿屋で朝食を食べ早速依頼達成に向けて準備する。
俺が受けた依頼は森の中にいるゴブリンの討伐だ。
討伐数は10匹と多いがやって行こう。
俺は早速森に入り奥へ進んでいく。
割と奥へ進んだところでゴブリンが群れている所を発見した。
目視で4匹くらいだろうか。
俺は地面に落ちている石をゴブリンの目の前に投げ、石に気を取られている間に2匹の首を薙ぎ払った。
「せいっ!」
驚いているゴブリンの腹を剣で刺し、残りのゴブリンもそのままの勢いで横に一閃し、すぐに戦闘が終わった。
「剣術スキルに身を任すだけで勝手に身体が動くから楽だな。よし、あと6匹このまま行こう!」
俺は更に進んでいきその後も難なくゴブリン10匹を倒しきった。
ちゃんと討伐の証明としてゴブリンの耳を20枚回収し
そのままギルドへ向かった。
「ゴブリンの討伐終わりました!これ、ゴブリンの耳です。」
「ユウトさんおかえりなさい。新人にしては凄い早い達成ですね。前に何かやられてたんですか?」
「いや、何もしてないですね。剣術スキルが結構扱いやすくて。」
転生の恩恵があるんだろうか?成長速度にボーナスがあったり。。。?
「とりあえずこれが報酬の銀貨4枚と新しいギルドカードになります。」
お姉さんが差し出してきたのは新しいギルドカード
ランクの所はFからEになっていた。
「昨日言った通りユウトさんは今から冒険者ランクEです。そしてダンジョンの攻略が解放されました。ダンジョンにも適正ランクがあり、自分のランク以下の所しか攻略は出来ません。ユウトさんの適正ダンジョンは城の中の目覚めのダンジョンになります。」
そう言ってこの街の地図を出して場所を教えてくれた。
目覚めのダンジョンか。まだ時間もあるし行ってみるか。
「分かりました。ありがとうございます!今から行ってきますね!」
「積極的なのは良いことですが、くれぐれも無理はしないでくださいね。ダンジョンは未だ謎が多く解明されていない部分もありますので。」
受付のお姉さんに心配されながらも
俺はダンジョンに向かった。
ダンジョンの入口に着き、門番をしている兵士にギルドカードを提示し、中に潜った。
「ここが、ダンジョンか、初めて来る場所だしワクワクするな。」
ダンジョンといえばRPGのド定番。ゲーム好きもあって恐怖という感情は無かった。
「とりあえずこのダンジョンでの最終目標はダンジョンの踏破。今日は出来るところまで行ってみよう。」
そう言って奥に進んで行った。
ダンジョン1層目の敵は狼。森でゴブリンとやりやっていたやつだ。
動きのパターンは前の戦いを見てだいたい掴んでいたので軽く倒していく。
特に困ることもなくそのままボス部屋までやってきた。
部屋の主は狼だったが、体の大きさが倍あった。
とりあえず動き方を見るために回避優先で動いていく。
そして数分後
「体が大きいだけで動き方は普通のと一緒だな。攻撃は痛いかもしれないから回避優先で隙を突こう。」
俺は狼の動きを読み攻撃を叩き込み、すぐに距離をとる。狼は単純な動きしかしないからすぐに隙ができるので簡単に攻撃が通っていく。
さらに数分後.....
まっすぐ体当たりしてきた狼を回避し
横からの一撃を食らわせるとボスは地面に横たわり動かなくなった。
俺はボスの牙を剥ぎ取り
階段を下に降りていった。
2層の敵はゴブリンだった。
ゴブリンなら戦闘経験もあるし楽勝だと思っていたが
あまりそう簡単にはいかなかった。
まずダンジョンは森と違ってそこまで広くないので物陰に隠れて奇襲攻撃をする戦法が使えないため、堂々と正面から戦うことになる。それに加えて1 vs 1の構図ではなく敵は複数で襲ってくるので不利な状況がずっと続くのだ。
「くっそ、やりずらいな。幸い攻撃は単調だから回避はしやすいけどこのまま行くと疲労で負けるな。今日はここまでにして帰るか。」
ゴブリンの横っ腹に一閃を叩き込み、素材を回収した俺はそのまま出口に戻った。
そして取れた素材を冒険者ギルドに納品し
今日の収益は金貨1枚にもなった。
ボス狼の牙が1つ銀貨2枚で買い取ってくれたのが大きかった。
俺は満足げに宿屋に帰り食事を終わらせ
ベッドへ寝転んだ。
「転生して3日目だけど結構稼げるようになったな。まさかこんな剣術スキルが活きるとは思ってなかった。」
合成スキルはポーションを作ったっきり使っていないがすぐに活躍するだろう。
「しかし、2層のゴブリンに対抗するためには1人の力じゃ厳しい所があるな。誰かと組んでやるか個人の力を高めるか....。」
ここで俺の対人スキルが足を引っ張ってくる。
学生時代は特に人との交流はできるだけ避けて来たので友達と呼べる人物が少なく、それは現在でも変わっていない。
そして転生してばっかりなのもあり俺の知り合いといえば冒険者ギルドの受付のお姉さんくらいだ。
「うーん、仲間を集めるか、剣術スキルを上げるか。」
そう悩んでいるうちにいつの間にか俺は寝ていた。